農林水産委員会議事録−

農林水産委員会所信質疑
平成21年11月19日(木)
■松下新平■

  私は自由民主党・改革クラブの松下新平です。二年ぶりにこの農林水産委員会に戻ってまいりました。十六年初当選のときに民主党会派で三年間お世話になったんですけれども、今回、自民党会派の方で委員の方に入らせていただきました。立場は違うんですけれども、野党という立場は一緒でございますので、是々非々で取り組んでいきたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
  まず、十月二十六日に鳩山総理が所信表明演説をなさいました。皆さん思い出していただきたいんですけれども、一時間近く演説をされたわけですけれども、農林水産業に関する、触れられたことが本当に少ないんですね。皆様の記憶に薄いと思いますので紹介させていただきますと、たった一行なんです。「戸別所得補償制度の創設を含めて農林漁業を立て直し、活力ある農山漁村を再生する」と。もちろん、この文字の、発言の時間で決めるわけではありませんけれども、だからこそ、赤松大臣には農林大臣としてメッセージ、発言を強めていただきたいと思うわけであります。
  政権交代をして政治主導に、民主党の政治主導に対する期待もある反面、財源あるいは外交に対しての不安も寄せられておりますので、そういった意味で、赤松大臣、農政の現状を踏まえたときに、メッセージを、力強いメッセージを期待したいと思います。
  そこで、まず第一問目ですけれども、先ほどお話がありましたけれども、ほかの大臣、いろいろマスコミに出られてアピールされておりますけれども、是非、農林大臣もこの日本の農政を語っていただきたいんですけれども、端的に、赤松大臣が農水大臣になって目玉として何をやられるか、それをまずお述べいただきたいと思います。

■赤松広隆 国務大臣■

  これはもう私個人もそうですし、また与党としての私どもの農林水産行政における一番の目玉は、やはり戸別所得補償制度でございます。これによってしか私は農山漁村の再生はあり得ない。
  現状についてもう委員多分当然のこととして御承知だと思いますけれども、例えば農業所得も十五年間で半分に減っちゃう。農村へ行けばお年寄りばかり、後継者がいない。そして、耕作放棄地と言われるようなところが三十九万ヘクタールもあるというような中で、これは農地に限りませんけれども、山林、林業もそうですけれども、そういうものの再生なくしては、私は、日本の農業ばかりではなくて、本当に地域の再生はあり得ないというように固く信じております。

■松下新平■

  続きまして、米国とのFTA交渉、この考え方についてなんですけれども、先ほど野村委員の質問に対して大臣が、マニフェストには直接かかわっていないというような趣旨の発言をされましたけれども、民主党はこのマニフェストを契約として国民に約束されたわけですし、その民主党が政権取られて、その担当大臣をなさっているわけですから、そういう言い方は適切でないし、すべきではないと思います。
  そこで、改めてお伺いしますけれども、農林水産大臣として、先ほど国会決議の遵守の話もありましたけれども、この日本の農政を守っていくんだということを改めてお述べいただきたいと思います。

■赤松広隆 国務大臣■

  先ほどの発言ですけれども、私は質問に対して、FTAがアメリカとだけしか書いていないのはおかしいじゃないかというお話があったので、それはたまたま外交の項目で、日米関係の中での項目で、日米関係の中でFTAをということで、それだけ書いてあったんじゃないですかと。
  現に、私どもは既にペルーとも、あるいはオーストラリアとも、これはいつ合意に達するか分かりませんけれども、しかし、それぞれの国々ともう既にFTA交渉を進めておりますし、もうFTAが成立したところもございますし、引き続いて世界の自由な貿易の実現のためにそういう努力はしていこうと。
  ただし、そのときの基本的な姿勢、前提になるのは、衆参の委員会での決議もございます。守るべきものはしっかり守っていく、日本の農業が後退するようなことにならないように、譲れないものは譲れませんよという姿勢でやっていく、それに尽きると思っております。

■松下新平■

  省益ではなくて、利害が対立する問題ですから、正々堂々と農水大臣として発言していただきたいと思います。
  次に、行政刷新会議、いわゆる事業仕分についてであります。私は、このやり方はフェアではないと指摘したいと思っております。情報公開、オープンな場でされているということをいいことに、裁判所で何か被告人を裁くみたいなやり方はフェアではありませんので、そこを指摘したいと思います。
  そこで、農林水産関係は三十五の事業が仕分の対象となっていると思いますけれども、そこで、皆さんもびっくりされたと思うんですけれども、農道整備事業の廃止が決定されました。もちろん見直すべきものは見直して当然ですけれども、赤松大臣は所信の中でもお述べになっているように、農地集積を進めると。そのためには当然農道の整備、基盤整備は欠かすことができません。
  同様の質問を衆議院でも、同じ宮崎県の江藤拓議員からも指摘されて、それに対して大臣は、これは最終決定じゃございませんと、次の第二ラウンド、最終的には大臣交渉ということで、多分三段階で、最終的に十二月の半ば過ぎぐらいに決まるのではないかと、自信と確信を持って出した来年度に向けての概算要求でございますと言われておりますけれども、再度、どういうふうに取り組まれるか、お伺いしたいと思います。

■赤松広隆 国務大臣■

  今委員おっしゃったとおりで、特に副大臣や政務官の皆さん方は、約一週間、毎日六時間ぐらい掛けて省庁のそれぞれの立場の皆さん方と大いに議論をしながら、大いにちょうちょうはっしの議論をしながら出した結論でございまして、その意味で言えば、無駄なものはもうしっかり削っていくよ、しかし必要なものに特化して集中してちゃんとやっていこうということで、自信を持って出した概算要求でございます。
  それについて、わずか一時間で、専門分野の方もおられますし、全くこの分野に関係ない方もおられます。その方たちが、別にアマチュアの人でもいいんです、ちゃんと話を聞いていただいて、その上で御判断をいただけるというならいいんですけれども、残念ながらそうでない場合もありまして、最後は評決で、はい賛成何人、丸何人、三角何人、バツ何人、はいこれはもうというようなことで出されたことに対するいろんな御批判が正直言ってあるというのも事実ですし、一方、こういう手法が、非常に開かれた形として、国民の皆さんの中に、わあ、こんなに予算のあれって面白いのか、こんな中身だったのかということで、一方で評価が高いのも事実だと思います。
  ですから、私は、こういうオープンな形で予算審議をする、大いに議論していくということはもっとやっていいと思いますし、ただ私は、これは仙谷大臣にも申し上げましたけれども、やっぱり最後は国会議員と国会議員、政治家と政治家同士が大いに議論して、彼らが出したこれは自信のある作だと言ったら、いや、そう言っているけれどもここはこんなおかしいじゃないかみたいなことを政治家同士ががんがん議論してそれを国民の皆さんに見ていただく、そして判定は国民の皆さんにしていただくというようなことの方がもっと本当はいいんじゃないのかなというふうに思っています。
  横にそれましたが、農道の問題については、もう私どもは、そういう昔あったようなスーパー高速道路か見間違うようなスーパー農道を計上しているわけではなくて、本当になかなかトラクターも入らない、コンバインも入らないと、そういうところをきちっと整備をして、そしていわゆる路網というようなそういう作業道みたいのをきちっとやっていかないと農業における機械化も進んでいかないわけですから、そういうのを要求していたんですけれども、これもカットと、廃止と。
  じゃ、今やっている途中のやつは一体どうするんだと言っているんですけれども、全部廃止ですから、果たしてこれはそのままで私はもちろん済むと思っていませんので、今日、親会議がやられるというふうに聞いていますが、それを受けて第二ラウンドが始まりますし、最終的には政治家対政治家の話である大臣交渉も始まりますから、必要なものは必要なものとして取り返していきたいと思っています。

■松下新平■

  是非、政治のリーダーシップで、農水大臣として御奮闘をお願いしたいと思います。
  残りわずかになりましたけれども、民主党政権になられて農政に関していろんな不安も寄せられておりました。農業、林業、水産業、それぞれ地元からいただいておりますけれども、時間の限り質問したいと思います。
  まず、農業に関しましては、米の戸別所得補償制度であります。いろいろ質問がございましたけれども、モデル事業を開始されるわけですけれども、この対策を、確定を急いでほしいと。早場米などは南の方では来年の準備がもう始まっております。現場生産者は営農計画が立てられない状況にもございますので、これを、タイムスケジュール、しっかり示していただきたいと。
  もう一点は、他の品目、宮崎の場合は、生産調整に協力してきたという自負があります。そういった皆さんから、厳しいのは私たちも同じだと、その営農計画を立てる上において我々の品目はどうなるんだという切実な声も届いておりますので、その二点お伺いしたいと思います。

■赤松広隆 国務大臣■

  米の戸別所得補償制度についての全体の大枠の話は、やっと数日前から各地方農政局を通じて該当の皆さん方に御説明をしているところでございます。
  しかし、まだ肝心の額のところがお伝えしていないものですから、それについては、特に定額部分の単価等については、二十年産の米生産費の結果、そして二十一年度の米価の動向を踏まえて検討を進めておりますけれども、政府全体としての調整が付き次第、ということは、予算がお認めをいただけ次第、その額を明示をして、できるだけ詳細に丁寧に、地域の皆さん、地方の皆さんに御説明を申し上げたい。早く急げと、みんな待っているぞという御趣旨はよく分かりましたので、できるだけ急いでそのようにしたいと思っております。

■松下新平■

他の品目。

■委員長 委員長■

続けてどうぞ。

■赤松広隆 国務大臣■

  他の品目につきましては、既にそれぞれの種目ごと、品目ごとの制度がございます。だから、それをこのモデル事業のときはそのまま引き続いて継続をしてやってまいりますけれども、正直言って、是非この戸別所得補償制度にこれも入れてくれ、あれも入れてくれというように評判が本当にいいものですから、例えばお茶も果実も野菜も全部入れてくれと来ているんです。だけど、この制度そのものは、元々生産費と販売費が逆転をしているもの、構造的にそういう仕組みになっているもの、そこに対する仕組みづくりですから、ですから、野菜や果樹は何もしないという意味じゃなくて、それはそれで他の制度でもって応援をしていくと。ただ、構造的にもう必ず生産費の方が上になり、販売額の方が下になっているというものについて、それをきちっと支えていけるように対象としてまいりたいというふうに思っております。
  ただ、一応、マニフェスト等では畜産、水産というようなことも書いてありまして、ただ、これは本格実施のときにはそれも加えていきたいと思っていますが、まだ詳細については、これはまだデータが足りない部分多いものですから、これはこのモデル期間の一年間を通じましてデータ等も集め、そしてまたモデル事業の実績も見ながら、最終的には二十三年度の本格実施に向けて、何を、いつごろ、どういう形でというのを、できるだけこれも早い時期に示していきたい。
  ただ、モデル事業をやってもいないのにそれを出すわけにいきませんので、一定程度モデル事業が進んだ段階で、調査も踏まえて、あるいはデータを見ながら、そんなことを皆さんにまたお諮りをしていきたいと、このように思っております。

■松下新平■

  この点についてはまた委員会で議論を深めてまいりたいと思います。
  もう最後になりますけれども、林業についてお伺いします。
  丸太価格、ちょうど三十年前は一立米当たり三万五千五百円、これをピークに年々下落し続けております。昨年は九千三百円、今年は更に厳しくて八千二百円と予測がされております。再造林できる木材価格は一万五千円と試算されております。今現在、半分という価格の厳しさであります。
  そこで、戸別所得補償制度、林業も入れてくれという要望もあるんですけれども、林業の現状認識と併せてお伺いしたいと思います。

■郡司彰 副大臣■

  林業の関係でございますけれども、お話しをいただきましたように、材としての産出量はたくさんあるのであります。それをうまく使えないというような中で林業の現状が大変厳しいものになっております。今言われましたようなところから、人を育てるとかあるいは路網を整備するとか、いろんな形の中の施業を行う中で何とかこの再生を図るようにやっていきたい。
  特に林業の関係者からは、所得補償の関係も林業のところにもというような話が出ているかというふうに思っておりますが、委員御存じのように、現在もこの林業の部分については一部でございますけれども直接支払というものも行われてきているというのが実態でございますし、植えてから何十年というその作業の中でおおよそ七割ぐらいのものをこれまでも負担をしているというような現状がございます。
  私どもの考え方としまして、マニフェストにうたっておりますように、戸別所得補償というような言葉ではございませんけれども、直接支払というものを生かす形で林業者のこれからの成り立ちがいくようにということの設計をこれからやっていくというふうに考えておるところでございます。

■松下新平■

  本会議の代表質問でも述べましたけれども、昭和二年に、歴史家の徳富蘇峰は、国家が興隆すれば理想をもって生活とし、国家が衰退すれば生活をもって理想とすると。現在のばらまき政策に警鐘を鳴らしているというふうに思っております。農業政策においてもこの委員会でまた議論を深めてまいりたいと思います。
  以上で質問を終わります。

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