参議院内閣委員会−

日本版シティーマネージャー構想、ローカル局の現状と課題、放送法4条に関する質問 −
平成26年10月21日(火)
■松下新平■
  自由民主党の松下新平です。
  本当に、この内関委員会、大島委員長の下で新たなメンバーで順調にスタートしていること、敬意を表したいと思います。
 私も、前国会までは自民党の筆頭理事を務めておりました。また、野党時代の総務委員会の筆頭理事も経験がありますが、この内閣委員会は比重が大変重いというふうに考えております。
 大臣所信に対する質疑でもありましたけれども、内閣府、内閣官房の肥大化に加えて、さらにまた大臣が七人もいると、さらに法案がたくさんいるということで、この委員会は二十名の定員で一番少ない数で運営されているということもありますが、参議院は再考の府でもありますし、慎重審議、これは与野党を間わず、参議院ならではの審議という意味では全体の見直しも必要かなというふうに思います。議運のマターであると思いますが、またいろいろ知恵を出していっていただきたいと。また、改めて委員長、理事の皆さんに敬意を表し たいと思います。
 さて、私、この度、自由民主党の総務部会長の任にございまして、就任以来連日、地方六団体を始めたくさんの要望をいただいております。それぞれ委員の皆様も要望をいただくわけですけれども、今回、地方創生に対する地方の大きな期待をひしひしと感じるわけであります。
 もちろん、これは、所管の石破大臣の熱い思い、これが相当期待感につながっているというのもありますし、一方で、地方の危機感、今までいろんな施策があったけれども、なかなかうまくいかなかったと。また、人口減対策、消滅可能性の都市も含めてどうしていくかと、待ったなしの状況に対する地方の危機感の表れでもあると思います。
 そういった意味で、この地方創生、衆議院の方ではもう特別委員会が設置されて動き出しましたけれども、参議院でもしっかり審議して実のあるものにして、皆さんの御協力をいただきたいというふうに思います。
 私は、本日、三つのテーマについて質問を用意してございます。
 一つは、この地方創生の僕は目玉であると思うんですが、日本版のシティーマ了ネジャー構想についてです。
 もう一つは、ローカル局、委員の皆さんも、それぞれ御地元の地方テレビ、ラジオ、お付き合いがあると思うんですけれども、今インターネットの配信サービスによって経営が大変厳しいと、これからなかなか先行きが見えないという状況もありまして、この現状と課題について質問させていただきたいと思います。
 残りの時間で、放送法四条、これは最近、目に余る偏向報道があるというふうに私は認識しておりまして、そういった観点から、放送法四条、資料を後ほど見ていただきたいと思いますけれども、問題提起をしたいと思います。
 それでは、まず最初に、日本販シティーマネジャー構想について石破大臣にお伺いしたいと思います。
 この地方創生、様々なメニューが打ち出されると思いますけれども、今回の日本版シティーマネジャー構想、通常は、それぞれの省庁が温めていたものを政策に反映する、あるいは温めていたものを組み合わせて、それを政策に反映するというのがこれまで多かったと思うんですけれども、今回のシティーマネジャー構想というのは全く違って、大臣の発案で、そして政治主導でこれを進めようということに大きな意味があるというふうに考えております。
 就任早々全国を大臣回られて、地方講演の中でこのことを触れられておりまして、私の地元でもこの構想に対する大きな期待が寄せられております。我が町に我が村に是非優秀な、生きの、ぴちぴちした若い官僚の皆様を呼んで是非一緒にやりたいという声がたくさん上がっております。
 そこで、まず石破大臣に、この日本版シティーマネジャー構想に関する、地方創生の中でこれを構想として打ち上げられた経緯について、まずお開きしたいと思います。
■石破茂 国務大臣■
 この話をしますと、今でもあっちこっちの県庁やら市役所やらに国家公務員が行っているじゃないのと、何で今更そんな話をするのと、こういうことを言われるんですが、委員も県庁御勤務の御経験がおありですからよくお分かりと思いますが、中央官庁の役人が地方に行きますのは、例えば何々県庁の何々部長さんは何々省から、何々市役所の何々部長さんは伺々省からということで、もう決まり切ったような形で、地方の役にも物すごく立っていますが、中央官僚が地方に行って勉強して地方の実情を理解してきなさいなというような色彩もかなり強いんだろうと思っております。
 調べてみますと、国のお役人が地方に行っている、地方公共団体に行っているというのは千六百五十三人おります。その中で都道府県に行っているのが千百四十八人、市町村に行っているのは五百五人でございます。市町村に行っているのは五百五人なんですが、人口五万人以下の市町村に行っているのは八十二人しかいないということであります。
 本当に人が欲しいのは、人口五万人以下あるいは一万人とか二万人とかそういうところの市町村が人が欲しいのではないか、それに中央から人を派遣するという今のシステムはうまくマッチングしていないのではないかというのが私の印象でございます。
 市町村におかれましでも、何でもいいからスーパーマンみたいな人が来て、あっという間に我が町を何とかしてくれろというようなお話では困るのでありまして、国の長期ビジョン並びに総合戦略を、これは十二月までに出します。自治体に対しましては、平成二十七年度中にそれと対応する形の総合戦略、それから長期ビジョンというのを出していただきますが、我が町はこのようにしたいのであると、産業構造をこのように変え、就業構造をこのように変え、今の前半の若松委員の御指摘にあったようなことも踏まえて、このようにしたいのである、よってこのような人材を求めるのであるということは地方の方から言っていただ きたい。
 我々中央の側も、おまえとおまえとおまえ、ちょっと地方に行ってこいという話じゃなくて、国家公務員の中で、自分は、もう何省でもいいんですけど、地方に行って地方を創生したい、もう一度活力のあるところにしたいという意欲のある人でなければ行ったって意味がないことでございます。地方に行って、俺は中央官僚だなんて威張られてもたまらぬのでありまして、その地域において本当に溶け込んで、そこの地域を良くするという熱意と知恵を持った人を出したい。そして、地方の入の方も、こういう人を欲しいというふうに言っていただきたい。そのマッチングが極めて大事だと患っております。
 ただ、中央官僚も、行政改革の影響もございまして、人が余っているということはもちろんございません。かなり人を捻出するのは苦労だと思っておりますが、中央官様のみならず、例えば民間のシンクタンクの方あるいは地方の大学の方、教授になると難しいかもしれませんが、助教とかそういうクラスの方々が、勤務形態はいろいろあろうかと思いますが、とにかく地方に知恵を貸す、一緒に議論する、そういうような人の派遣は絶対に必要だと思っております。
 できれば、今この作業を急がせておりますが、平成ニ十七年度当初からスタートできるような、そういうような目算で今作業を進めておるところでございます。
■松下新平■
 ありがとうございます。来年の四月からスタートするということでお話をいただきました。
 この地方創生、様々なメニューがありますけれども、この成功いかんに私は多くの影響があるというふうに考えております。霞が関の皆さんも、もちろんやる気のある方もいらっしゃるんですが、冷ややかに、できるか、やるならやってみろ、そういった意見も実は聞かれておりますので、このシティーマネジャー構想の成功によって本気度が関われると思いますので、是非応援してまいりたいというふうに考えております。
 時間が参りましたので、次の質問に行きたいと思います。
 続きまして、ローカル局の現状と課題についてなんですが、これは地方創生にも関係がありますので、是非大臣にもお開きいただきたいと思うんです。
 今日は、西銘総務副大臣、何か海外出張から駆け付けていただいたということで、済みません。また、私の前任の自民党の総務部会長でもあって、敬意を表したいと思います。これ、事務的なこともありますので、まず総務省の局長に答弁いただいて、それから感想を後でお願いしたいと思います。
 ローカル局、大体、キー局というのが五つあって、全国に百十数社ローカル局があります。それについて、今、インターネットの配信サービス、違法なものが摘発されたりしましたけれども、そういったものがどんどん入っていって、今経営が大変厳しいという状況も伺っております。
 まず、このローカル局、そしてネット配信の現状についてお伺いしたいと思います。
■安藤友硲 政府参考人■
 お答え申し上げます。
 まず、在京キー局を除くローカル局の現状についてでございますけれども、現在、民間テレビジョン放送につきましては百二十二社、それから、民間ラジオ放送につきましては、AM放送、FM放送合わせて九十八社、合計百八十七社が、原則、都道府県を放送の対象地域といたしまして、それぞれの地域に根差し、地域住民や地域社会の要望に応えるべく放送サービスを行っているところでございます。
 これらローカル局における平成二十五年度の売上高は合計で一兆一千六百八十億円となっておりまして、リーマン・ショック、これ平成二十年九月でございますが、その前の平成十九年と比べますと八・七%減少となっておるところでございますけれども、ここ二年間は連続して増加しており、徐々に回復してきでいる状況にあるということでございます。
 次に、放送事業者のネット配信の現状についてでございますけれども、民放ラジオ放送につきましては、株式会社ラジコが平成二十三年から、サービス提供に参加している各ラジオ放送事業者のラジオ放送につきまして、各放送対象地域に限定してインターネット同時配信を行うサービスを視聴者に対して無料で提供を行うというサービスを始めたところでございます。
 同社では、さらに本年四月から、地域限定を掛けないプレミアムサービスを視聴者に対して、これは有料になります、月額税別で三百五十円でございますけれども、で提供しているという形で、世の中いろいろインターネットサービスが出てくる中で、ラジオ放送事業者としてこういったサービスを自ら取り込みながら展開することによって対抗していくというような取組を進めているところでございます。
 一方、民放テレビジョン放送につきましては、在京キー五社が個別にVOD、いわゆるビデオ・オン・ディマンドと呼んでおりますけれども、による有料ネット配信サービスなどに取り組んでおりますほか、放送メディア価値向上のため、放送済みの番組をネット配信するCM付き見逃し視聴サービスについて五社の簡で検討が行われているものと承知しております。
 このほか、民開放送連盟では、ローカル局にとってのネット配信のメリットも含めて、放送のメディア価値向上のための検討を今後行うこととしているというふうに開いておるところでございます。
■松下新平■
 ありがとうございました。
 地方創生におけるローカル局の役割なんですけれども、地方都生は人の流れを地方に移管していくと。そういった意味で、地方の魅力を発信するということが重要になると思います。また、災害が今頻発しておりますけれども、その的確な情報をきちっと伝えるという役割もあります。
 そういった地方ローカル局の役割を十分担っていただくということが大事なんですけれども、今説明がありましたとおり、ネット産業のビジネスによってその経営が逼迫しているという状況もございます。そういった意味で、ローカル局への国の支援、これが必要になってくると思います。もちろん、一義的には経営努力が求められます。放送と通信の融合ということで様々な取組をされていますが、是非地方局も、今度ネット産業の方に参画してくるときの支援とか、そういったことで国のバックアップが必要になるんではないかと思うんですけれども、その点、いかがでしょうか。
■安藤友裕 政府参考人■
  お答え申し上げます。
 今委員から御指摘ございましたように、地方創生を実現していく上でのローカル局の役割、様々な面で非常に大変重要なところでございます。総務省では、従来からそういった観点で、放送コンテンツの国際展開でありますとか、ラジオの難聴対策、放送施設の災害対策への支援を進めてきておるところでございます。
 以下、具体的にちょっと述べさせていただきますと、まず、各地のローカル局などが地元の自治体や地場産業などと連携しながら地域振興や地域活性化に資する、あるいはそれを目的とした放送コンテンツを制作し、例えば東南アジア、ASEANですね、といった国々に発信するモデル事業、これへの支援を現在行っているところでございます。
 こういったことの取組を継続的に実現できるようにしていけば、地場産業に対していろんな諸外国からのニーズが、需要が来るとか、あるいはその地域コンテンツを見た外国人の方がその地域を訪問すると、いい循環ができ上がってきて地域の活性化に資するだろうということで、こういったビジット・ジャパンあるいはクールジャパンにも資するような、地域創生に資するようなコンテンツの海外展開を支援しておるところでございます。
 それから、ラジオでございますが、ラジオの難視聴対策や放送施設の災害対策といった課題への対応、これは特にAMなどは都市雑音などでなかなか闇こえにくいというような状況になってきている面もございまして、これは災害時に必要な情報を流す上で大きな課題になっておるところでございます。
 もちろん、ラジコみたいなインターネットの活用をしたサービスなどもラジオ事業者の経営努力の中でやっておるわけでございますが、それにはやっぱり電波が届かなくちゃいかぬというところもございますので、こういった難聴対策、あるいは放送施設の災害対策、これが重要ということで、ラジオ難視聴解消のための中継局設備、あるいは防災対策としての予備送信所の整備に対する支援、これも継続的に行ってきているところでございます。
 こうした取組を着実に進めまして、災害時に必要な情報発信や地域に根差した様々な情報が引き続き適切に提供されるとともに、地方の創生に資する靖報発信が展開されるよう、総務省といたしましでも引き続き努力してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
■松下新平■
 西銘副大臣、お待たせしました。今いろいろ総務省の事業をお述べいただいたんですけれども、大臣の下にもそういった現状の陳情、要望が寄せられていると思うんですけれども、副大臣から一言お願いしたいと思います。
■西銘恒三郎 副大臣■
 石破大臣の下で地方創生、すなわち、まち・ひと・しごと創生のため に地方のローカル局が果たす役割は極めて大きいものと考えております。
 総務省としましては、今局長からもありましたけれども、海外の放送局とローカルの、地元の放送局が共同で番組を制作するとき等の費用等を支援をしたり、さらにはローカル局でラジオの中継局、これは災害のときにラジオの果たす役割が極めて大きいということに気付いておりますので、その辺の支援措置も含めてやっていきたいと思っております。ローカル局による地域情報の発信が今後も適切に行われるように、総務省としても支援をしてまいりたいと考えております。
 以上です。
■松下新平■
 ありがとうございました。引き続きよろしくお願いいたします。
 あと、私、六分の時間でありますので、残り、放送法四条について質問させていただきたいと思います。
 皆様のお手元に「放送法逐条解説」、お配りさせていただいております。全てで百九十三条で成り立っておりますけれども、本日は三条から六条を抜粋してございます。
 早速ですけれども、この資料の五十七ページを見ていただきますと、放送法四条がございます。最初の前文がありまして、この放送法は、新聞は誰でも発行しようと思えばできますけれども、憲法二十一条の表現の自由、報道の自由に基づいて、それぞれの者が独自に政治的な主張を掲げることを認められています。これに対して、テレビやラジオは限られた電波を国から割り当てられた事業で誰でも放送できるわけではありませんから、法律で放送、報道の自由に一定の制約が課せられて、政治的な意図を持った主張は掲げてはいけないということになっているわけです。活字と映像、音声という受け手にとって与える影響の違いも背景にあると思います。
 そこで、この四条の一、公安及び善良な風俗を害しないこととございます。次に、政治的に公平であること。三番目に、報道は事実を曲げないですること。四番目に、意見が対立している開題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。二項は、視覚障害者、聴覚障害者に関するものなので今日はちょっと割愛いたしたいと思います。
 私が問題意識として持っておりますのは、最近のテレビ報道で国を二分するような議論をするときに、具体的にはちょっと避けますけれども、特定の考えを持った人がずらっとコメンテーターで並んで、それで誘導していく、偏向していく報道が多く見られるということなんです。この放送法四条で明確にこういう規定があるにもかかわらず、総務省はこのことを見逃しているんじゃないかと。事前のいろいろ意見の交換の中でやり取りをしたわけですけれども、これについて総務省の御見解をお願いしたいと思います。
■安藤友裕 政府参考人■
 今委員から御指摘がございました点でございますけれども、基本は、放送法まず第一条の目的規定におきまして、放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによって、放送による表現の自由を確保し、放送が健全な民主主義の発達に資するようにすることなどをその原則として規定しておるところでございます。
 これを受けまして放送法は第一二条で、まず、放送番組は、法律に定める権限に基づく場合でなければ、何人からも干渉され、又は規律されることがないと定め、放送番組編集の自由を保障した上で、第四条で、放送番組の編集に当たり、先ほどの目的規定の原則に沿って、まさに委員が御指捕になられたとおり、放送事業者が遵守すべき事項として、例えば、政治的に公平であることや意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすることなどを規定し、その担保は、先ほどの放送法の目的規定の原則に基づきまして、放送事業者の自主自律によることとしているところでございます。
 具体的に放送法は第五条第一項で、放送番組の編集の基準を放送事業者は定め、これに従って放送番組を編集すること。それから、放送事業者は、放送番組審議機関を設置し、そこで放送番組の適正を函るために必要な事項を審議すること。それから、放送番組に関して申出のあった苦情その他の意見の概要を放送番組審議機関に報告すること、これは六条の第五項でございますけれども、等を規定しており、これらの規定を通じて、放送事業者による自律によってこの四条の規定の実効を確保していくということとされているところでござ います。
 私どもといたしましては、放送事業者においては、こうした放送法の枠組みにのっとって、自主自律の下で放送の持つ高い公共性と社会的責任を自覚した放送を行っていただくことを期待しているということでございます。
■松下新平■
 今回は問題提起にとどめますけれども、監督官庁としてこのことをまたしっかり受け止めていただきたいと思いますし、何事もバランスが大事だと思います。そういった意味で、西銘副大臣もいらっしゃるので、是非また引き続きこのことは議論してまいりたいと思います。
 以上で終わります。