参議院行政監視委員会−

− 行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関する調査 −
平成21年6月24日(水)
■松下新平■

  改革クラブの松下新平です。
  私からは、この度の直轄国道十八事業凍結の問題について、いわゆるBバイC評価の問題ですけれども、お尋ねしたいと思っております。本日は国交省から金子副大臣お出ましいただきまして、ありがとうございます。
  東京のマスコミは、この道路の問題を取り上げますと、もう無駄遣いであると、あるいは利権だとすぐ決め付ける報道が多いわけですけれども、選挙区でそれぞれ道路問題を活動されている委員の皆様は共有されると思うんですけれども、この住民からの要望の半数以上が生活に密着する道路であるということでございます。
  また、この道路は命の道だという表現があります。これも大げさの問題ではなくて、実際、私の地元でも、高速道路が整備されていたら、あるいは道路が整備されていたら助かった命。具体的には病院がないんですね、近くに。それで、その運搬に道路をどうしても使う、そのときに道路の整備がまさに命の道路として役割を果たすわけですから、そういった観点で質問をさせていただきたいというふうに思っております。
  まず、今年三月末に費用便益比が一未満であるとの理由によって十八直轄国道について事業が凍結されました。その後、五路線については事業再開が認められましたけれども、残りの路線については現在事業再開の可否について検討が行われていますけれども、まずこれまでの経緯、そして今後の見通しについてお伺いいたしたいと思っております。

■金子 恭之 副大臣■

  さきの通常国会での議論も踏まえまして、新たな交通需要予測と評価手法の見直しを昨年の十一月に取りまとめました。これらの見直しを受けまして、二十一年度予算に向けて高規格幹線道路及び直轄国道などのすべての事業についてBバイCの点検を実施をいたしまして、三月三十一日に公表いたしました。点検の結果、BバイCが一以下の十八事業につきましては、既に支払が約束済みのものを除きまして、平成二十一年度の事業執行を当面見合わせたものでございます。
  実は、私たまたま、この凍結、当面見合わせた日から数日後に、元々、都城、宮崎で凍結になった路線の近くに行く用件がございました。まさに地元の皆さん方、宮崎で今回の凍結の対象になった首長さんやあるいは経済団体の皆さん方が大勢お見えになって要請をされたわけであります。今、松下先生からおっしゃったように、私も熊本でよく状況は似ていると思うんですが、あの道路については、透析の患者さんがいらっしゃったり、あるいは学校に通う学生さんがいらっしゃたり、あそこは雨が降ると結構規制がされるんですね。そうすると随分遠回りして町に行かなければいけないという意味では、大変もう深刻なお話でございました。
  そういうことも踏まえまして、その後、それぞれの十八路線、地域の関係者の御意見を十分に伺った上で、一つにはコスト縮減など事業内容を見直す、あるいは三便益以外の、さっき言われたような命の値段とかあるいは経済、災害に遭ったときをどうするかというような、そういった多様な便益の評価などについて検討を進めてきたところでございます。
  現在、各地方整備局において事業評価監視委員会を開催しまして、今後の方針について審議いただいているところでございます。松下委員は先ほど五事業というように言われましたが、昨日までで四地方整備局九事業について審議を進めまして、今日も午後から一地方整備局でやる予定にしております。
  今後は、必要に応じまして、知事さんとか御意見をいただいた上で、事業評価監視委員会の審議結果を踏まえて対応する予定でございます。

■松下新平■

  ありがとうございました。
  私の地元の路線についても触れていただきましたけれども、国道二百二十号線、青島 ― 日南改良の道路なんですけれども、これはかつて新婚旅行としてお使いいただいて、海岸沿いの見晴らしのいい場所と評価をいただいている路線なんですけれども、金子副大臣も四月に宮崎に来られて直接その沿線の方のお話もお伺いしていただきました。
  繰り返しますけれども、税金の無駄遣いは許せませんし、官製談合はもってのほかであります。その前提に立って、今回の再評価区間について、工法の見直しなど、どの程度のコスト縮減が進められるのか、事業再開のかぎを握ると言われておりますけれども、この宮崎の区間は残りの事業も少なくて、このようなケースでは具体的にどのようにしてコスト削減を行うことができるか、地元関係者は苦慮しております。副大臣、この場合どうしたらいいんでしょうか。

■金子 恭之 副大臣■

  私自身も学生時代、大学の友達を連れてあのきれいな道路を回ったり、三回ぐらいあそこは通ったことがあるんですね。そういう意味では非常に観光的にも産業的にも必要な道路だと思っております。
  もう釈迦に説法かもしれませんが、国道二百二十号線、青島から日南の改良事業というのは、宮崎市から日南市にかけて縦断する延長二十三・五キロが対象でありまして、地域の生活や観光、産業の基幹ルートであることは間違いございません。この当該事業につきましては、青島地区の渋滞解消を目的とした延長五・二キロのバイパス事業、今言われた部分と、青島から日南地区の延長十八・三キロ区間を対象とした防災対策事業から構成されておりますが、今までに事業費五百七十七億円をもって延べ十六・三キロメートルの区間について事業を実施してきたところでございます。この当該十六・三キロの区間における総事業というのは、青島バイパスの四車線化事業分としての約九億円であり、当面予算の執行を見合わせているところでございます。
  一方、今事業をやっているところといまだに着手をしていない区間があるわけでありまして、その区間においては、先ほども申し上げましたように、防災用の対策箇所や、あるいは異常気象時に通行規制区間が存在する、あるいはがけ崩れなどのおそれがあって安全なトンネルの設置とか、防災上の観点から必要な事業があると考えているところでございます。
  この区間も含めまして、地元の皆さん方からも、あるいは宮崎県知事からも、沿線住民の生命、生活を守る上で非常に重要な主要幹線道路であり、事業の実施が要望されております。
  このような状況の中で、今週の二十五日には、九州地方整備局において事業評価監視委員会が開催されます。この委員会では、青島バイパスの今言われた四車線化の残事業に加えまして、残っております区間における防災対策事業についても幅広い観点からこの路線を総合的に御審議いただけると思っております。

■松下新平■

  ありがとうございます。
  明日、福岡で委員会が開かれるということですけれども、それを注視してまいりたいと思います。
  副大臣、今回のBバイCの問題、もちろん無駄は徹底的に排除しなきゃいけませんけれども、このBバイCの指摘があって見直しがあって、この作業、その間に国民の皆さんから、地方の道路はやっぱり無駄じゃないかと、必要じゃないんじゃない、そういう声も聞かれていたわけですね。大変残念なんですけれども、私も機会があるたびに地方の道路の必要性を訴えているわけですけれども、それについて副大臣としての御所見をお願いしたいと思います。

■金子 恭之 副大臣■

  松下先生、同じような考えでおります。
  今回の見直しに当たっては、もちろんBバイCでありますから、コストをできるだけ、できる限り削減するという意味では事業内容の見直しもしなければいけません。一方、今言われたような、無駄遣いというような印象を国民に与えているというふうに言われましたが、一方、道路整備によって各地域に及ぼされる多様な、さっき言いましたような、先生から御指摘もありましたような、地域にとっては必要な道路であると。命を守り、あるいは地域の産業を活性化させる、最低限の生活をしていくにもこういうものは必要だということであります。そういう多様な便益の評価についても検討を進めているところでございます。
  ですから、具体的には、各地方公共団体等からも、多分十八路線あって、すべて一緒だとは思えないんですね。それぞれの地域においてその道路が必要な理由というのはおのずと違ってくると思います。迅速な救急医療活動、あるいは観光振興ですときれいなあの日南海岸等々の観光資源、あるいは地域活性化、あそこで取れたおいしい農林水産物を市場に送るという意味でもございますし、道路ができたおかげで企業立地をするということもございますし、防災対策とか、その地域の事情を勘案した便益として加味すべきとの具体的な提案を多数いただいているところでございます。これは、今回の凍結をしたことによって、各地域から大きな声として我々に届いているところでございます。
  こうした提案を基にいたしまして、地域における多様な道路の役割や効果についても適切に評価を行った上で必要な道路整備を行っていくことが重要であると思っております。

■松下新平■

  ありがとうございます。
  最後になりますけれども、お願いいたします。
  現在、BバイCの対象となる便益は、走行時間短縮、走行費用減少、交通事故減少の三便益のみでありますが、それらの便益は、交通量の絶対値が大きい都市部に効果的に働く一方で、地方ではそもそもその効果が余り期待できません。道路整備が地域の維持発展には必要不可欠である地方を地元とする立場からいたしますと、BバイCが一を基準に事業の可否を判断することに意味があるとは思えませんし、むしろ不公正だというふうに考えます。また、BバイCとは別に、総合的に評価するとしても、評価が恣意的になるなど客観性の面で問題が生ずると思われます。
  そこで、真に必要な道路整備は都市、地方を問わず進められるべきであり、だれもが納得できる基準作りを急ぐ必要があると思いますけれども、御所見をお願いいたします。

■金子 恭之 副大臣■

 先生も盛んにそのことは訴えていただいております。また、多くの先生方からもそういうお話は聞いております。そういう国会での議論とか、あるいは地方公共団体ですね、そこに住んでいらっしゃる方々、あるいは学識経験者を含めた有識者からの意見においては、現行の今おっしゃったような三便益によるBバイCでは道路整備による効果のすべてをとらえることはできないと、先ほどから再三出ておりますような命の道とか観光振興とか、重要な要素が抜けているという指摘をいただいております。世界を見渡すと、各国の事業評価を見ても、日本のような三便益だけではなくて、多面的効果を取り入れるよう各種の取組がなされているというふうに承知しております。
  一方で、先生御指摘のとおり、そういう多様な効果、三便益以外の効果については非常に難しい部分がありまして、便益の計測精度とか、どうやってきちんと測っていくのか、あるいは二重計上になるのではないかというふうな課題も言われているところでございますので、個々の事業ごとに事情も異なるところでございますので、そういうところをきちんとこれから精査をしていかなければいけないと思います。
  このため、今後、様々な場で議論を重ねながら、多様な便益を適切に評価する仕組みの確立に向けて検討してまいりたいと思いますので、先生にも応援方よろしくお願い申し上げます。

■松下新平■

  ありがとうございます。
  予定しておりました質問は終わったんですけれども、道路の必要性については共有できたと思うんですが、昨日は公用車談合で国交省、改善要求がなされました。これ、二回目の公正取引委員会からの改善要求であったわけであります。答弁は要りませんけれども、やはり幾ら道路の必要性を訴えても、その執行側がこういった状況では、またもう振出しに戻ってしまうんですね。それはもう副大臣も重々御理解いただいていると思いますけれども。今日の議論をお伺いして、先ほど、与那国島にも行かれたという話もお伺いしました、行動派の副大臣、大臣の答弁よりも副大臣の答弁は大変勇気付けられました。私も、しっかりまた地元の実情を、持ち帰りまして活動してまいりたいと思います。
  本日はありがとうございました。

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