参議院本会議−

− 麻生内閣総理大臣施政方針に対する代表質問 −
平成21年2月2日(月)
江田五月 議長

 松下新平君。

■松下新平■
 私は、改革クラブの松下新平です。
  今回、初めて改革クラブ、本会議で発言の機会をいただきました。御配慮いただきました西岡議運委員長始め与野党の皆様、また、時間を割いていただきました自由民主党に感謝を申し上げながら、会派を代表して質問をさせていただきます。
 改革クラブの結党の精神は、答えを出す政治、国会と国民をつなぐ懸け橋として、国民の利益を最優先に考えながら、国会における良識を取り戻すよう努めることであり、私は、将来の政界再編の受皿としてその役割を果たしてまいりたいと思っております。
 今の国会の現状に対する国民の声は非常に厳しいものがございます。経済が待ったなしの緊急事態であるにもかかわらず、一体国会は何をしているのか、国民生活と国会のギャップの指摘であります。政治に携わる者として申し訳ない気持ちでいっぱいです。どうしてなんでしょうか。
 現在の東京慈恵会医科大学の創設者である高木兼寛先生は私の郷土宮崎の偉人であります。当時多数の死者を出していたかっけの病気を治したことで、世界でもビタミンの父として名高い先生は、病気を診ずして病人を診よ、病気を診ずして病人を診よという言葉を残されました。これは、医学の実践から出た言葉でしょうが、物事の本質を見極める原点として私の政治活動の範としております。
 今の政治に置き換えますと、国会を診ずして国民を診よということになるでしょう。選挙のための政策になっていないか、党利党略に走っていないかと語りかけています。参議院の在り方自体を問われている今日、何のためにあるのかという原点に立ち返る必要があります。
 さて、施政方針演説に対する代表質問の最後となりました。
 私は、子育て世代の政治家です。私たちの世代は、先輩方のこれまでの経験を受け継ぎながら、それらを子供たちの世代に受け渡す責任世代です。今、同世代の皆さんから、大変な時代になった、これから日本はどうなるのだろう、子供の寝顔を見て不安になるといった御意見が多数寄せられています。国会はこれらの不安を解決する責任があります。政治の責任において明確な答えを出さなければなりません。どうなるのだろうという心配に対して、どうしていくかを考え、着実に実行していくことが求められます。
 そこで、同世代、責任世代である野田聖子そして小渕優子両大臣に、私の考えをどうお感じになりますか。激動の世界の中で日本をどうしていくのか、三十年後、五十年後の日本を考えた政策は何か、そのために今、麻生内閣の閣僚として何をなすべきか、お示しください。
 さて、麻生総理、麻生総理の施政方針演説の大きな柱として、世界の新秩序づくりへの参画を掲げられました。それをお聞きし、大きく方向転換をされたと感じました。アメリカ型ではなく、血の通った経済の仕組みに立て直すということですね。私も同感です。
 米国発の金融危機は、お金中心、物中心の弱点、問題点が露呈しました。その結果、今までの価値観が崩壊したことで見えてきたものもありました。血の通った社会になるよう、これまでの経済、政治の仕組みを変えていく必要があります。オバマ大統領も同様に、アメリカを中心とした経済政策から世界協調路線に転換していくものと思われます。
 不況により経済が疲弊し、消費も滞っているため、農林水産業、商店街、中小企業の方々は大変御苦労をされています。また、医療、地域も崩壊寸前です。今こそ、私たちがこの問題にスピード感を持って答えを出し、暮らしやすく安心できる温かい社会になるように改善していかなければなりません。そのためには、日本の歴史から生まれたすばらしい文化、伝統、精神性を重んじながら、それらを反映する日本独自の政策をつくっていくべきだと考えます。日本の自立と世界との協調、助け合う精神が必要です。
 麻生総理大臣、私の考えをどう思われますか。総理の考えるこれからの経済の仕組み、政治の在り方をお聞かせください。
 最後に、百年に一度の経済不況を乗り越えるために、百年に一度の政策が必要です。そして、そのためには百年に一度の政治家が求められております。この危機は、皆さん、官僚でもなく、財界でもなく、我々政治の出番です。参議院の出番です。こういう気概を持って、党派を超えてしっかり取り組むということを呼びかけまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
麻生太郎  内閣総理大臣
 若い人が初めてやるときに静かに聞いてやって、応援してやったらどうです。私は、若い人を育てようという気持ちのないところはやっぱり駄目だと思います。
 是非その意味で、最初に引かれた宮崎県高岡町出身、元軍医、初代海軍軍医総監高木兼寛の話はすごく印象に残りました。あの人は、相手側の方と、陸軍総監と対比される方でしたけれども、なかなかな人物だったと思いますので、あの方の話を聞かされたのはすごく印象に残りました。ありがとうございました。
 御質問にお答えします。
 お金中心、物中心から方向転換し、助け合いの精神が重要であるとの御主張だったと存じます。
 私も含め多くの方々が同感をできることだと存じます。国民がそれぞれ、自らの理想や利益を追求できる社会をつくることは重要です。しかし、競争だけでは、参加できない方や取り残される方々というものが出てきます。また、安心もなかなか得られないんだと存じます。
 助け合いなどには、一つにはボランティアとかNPOとか、そういう民間による共助と、もう一つは政府による公助、公の助、公助というものがあります。そのような仕組みをつくること、国民の間に助け合いの精神を育てるということが誠に重要だと考えます。御指摘のように、日本の伝統を踏まえ、世界と協調しつつ、安心と活力ある社会をつくっていくことが重要だと思います。
 残余の質問につきましては、関係大臣より答弁させます。(拍手)
野田聖子 国務大臣
 私に対しましては、将来の日本を見据えた政策についての質問をいただいておりました。
 現在、我が国は、少子化、それによる未曾有の人口減少社会に突入しました。今般の経済金融危機が百年に一度と言われるのに対し、この急激な少子化、人口減少は我が国がかつて経験したことがない危機であり、人口の増加を前提としているすべての日本の社会システムを壊していることをもっと国民と理解し合い、新たな答えを出さなくてはなりません。
 私は、優秀な技術、魅力ある文化、世界があこがれるブランドなど、日本の底力の源泉は、これらをつくり出してきた人そのものであると考えます。人口減少社会を生き抜く、そのためには日本の底力である人材の育成や教育の役割が極めて重要と考えております。
 また、私は、利他的な精神や公共を重んずる姿勢といった当たり前の心を取り戻していくことこそが教育の役割、使命であると思っています。しかし、昨今、他人に対する誹謗中傷やいじめの問題などが横行しています。教育の在り方についてもその点をしっかりと検討していくことが重要と考えております。
 また、人口減少社会にあっては、これまで社会的弱者として扱われてきた障害者、女性、高齢者など、あらゆる人々に社会の働き手として貢献していただく必要があります。そういう社会に変革していかなければ、もはや我が国は成り立っていかないのです。未来のためにできることとして、私は、だれでも働きやすく、努力が報われ、生きやすい社会をつくってまいります。(拍手)
■小渕優子 国務大臣■

 三十年後、五十年後の日本を考えた場合に今何をなすべきかという御質問をいただきました。
 私たちの世代は、有り難いことに平和で豊かな日本に生まれ育つことができました。これは諸先輩方のたゆまぬ努力によって築かれたものであります。先ほど松下議員からも御指摘がありましたように、この平和で豊かな我が国社会をしっかりと次の世代へ引き継いでいく責任があるものと考えております。
 加えて、私は、特に少子化対策や青少年育成を担当する立場から、我が国の将来を担う現在の子供たち、そしてこれから生まれてくる子供たちが健やかに成長し、またそれぞれ持てる個性と能力を伸び伸びはぐくみ、その力を社会で遺憾なく発揮できるような環境を次の世代に残していかなければならないと考えております。
 そのため、老若男女を問わず、みんなで子供の誕生を喜び、だれもが仕事と生活の両立を困難を感じることなく、男性も女性も同じように子育てに参加でき、また社会全体で子供を育て、その成長を支えていけるような社会の実現を目指したいと考えております。(拍手)

江田五月 議長
 これにて質疑は終了いたしました。
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