経済産業委員会−

−「中小企業における経営の継承の円滑化に関する法律案」について−
平成20年4月24日(木)
○事業継承の現状と課題、本法案の目的について
○「事業承継支援センター」の役割について
○事業承継円滑化のための総合的支援策を通じて、中小企業による雇用確保や地域経済の活性化の効果について
■松下 新平■
 どうもお疲れさまです。無所属の松下新平です。
 冒頭に、精力的な資源外交に対しまして、甘利大臣を先頭に執行部の皆様に敬意を表したいと思っております。一バレル百ドルを突破したかと思うと今はもう百十五ドル、さらに、懸念材料が払拭されない中で、資源のない日本が省エネルギー開発促進とともに、この資源外交、更に力を入れていただきたいと思います。
 さて、本日の議案でありますけれども、衆議院で六時間、そして、間もなく参議院で四時間審議をされました。その中で、この法案に懸ける沿革もお伺いしました。渡辺秀央、ベテランの先生たちの御尽力のお話もありましたが、中小企業の抱える課題に政治が政治の責任において答えを出すという瞬間に携わることができることを大変うれしく思っております。
 幅広い議論がなされましたので、私からは、おさらいも含めて総論三点に絞ってお伺いしたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 まず、事業承継の現状と課題、本法案の目的につきまして改めて御答弁をお願いしたいと思います。
■新藤 義孝 経済産業副大臣■
 まず、松下委員からエールを送っていただきまして、ありがとうございます。
 私たちの国民生活の大本は経済でございます。この経済がしっかりと確立すること、それは産業の発展があることと。私ども、大きな責任感を持って頑張っていかなきゃならないと思っておりますし、また、是非いろいろと御指導をお願いしたいと、このように思います。
 そういう中で、先ほどから大臣がもうすばらしいお話をされておりますように、要するに、この国の経済の原動力は中小企業だと、そして、その中小企業が今はいろんな問題を抱えていて、しかし、一番の大切なことは、将来の希望を持って若い人たちが頑張ろう、それから、今仕事をしているけれども今度いずれ自分が会社を起こそうと、そうやって頑張ろうという人たちに希望を持ってもらうこと、そのための政策というのが大事ではないかなと思っております。その中で、幾つかある懸案の中の大きな柱がこの事業継承問題だったと思っております。
 もう先ほどから委員の先生方から御指摘いただいておりますように、これは経営者の高齢化というものが大きく進んでいる、それから、廃業の中の約四分の一、七万社程度が後継者が不在ということを理由に廃業していると、それによって失われた雇用が二十万から三十万だと、こういう状態がある。そして、非上場の株式を相続した場合の資金の負担であるとか、それから、たくさんの親族がいて会社を承継するのに非常に難しいと。
 いろんなもろもろの問題、これを今回一挙に整理をして、長年の懸案でございました、もういろんな先生方から御指摘をいただきましたが、全く触れなかったんですね。それはやはり、租税特別措置ではなくて税法の本体を触るという意味において、これは本当に難しい、また、いろんなものを積み上げていかなければできなかったことだと思っております。
 その意味において、今回、いろいろな課題が整理をしてすべて解決したとは思いません。しかし、今のところできるものとしては、あらゆる考えられるメニューをそろえて、今回の法律と、それから税制改正をやろうじゃないかという体制が整ったのではないかなと思っております。
 これによって、まず雇用が確保する、そして中小企業が継続される。その中で、やはり新しい経営者、若い経営者、次の経営者が、よし、我々もこの仕事を受け継いで頑張ろうと、こういうモチベーションが上がっていくこと、これが大いに期待をしているところでございますし、また、政府としてこの中小企業政策を真剣にやるんだと、こういうメッセージを伝えられればこれが一番有り難いことだと、このように思っております。
■松下新平■
 ありがとうございました。
 続きまして、事業承継支援センターにつきまして改めてお伺いいたします。
 福田総理の提唱されるつながり力、この委員会でも度々出ましたけれども、その第一線として地域力連携拠点三百か所、さらに、甘利大臣から日本中の経営資源を活用するんだと、そして二十一世紀の奇跡を起こすんだと力強いメッセージをいただきましたけれども、改めましてこの事業承継支援センターの役割についてお伺いいたします。
■中野 正志 経済産業副大臣■
 事業承継問題にワンストップで対応する、そういう意味での事業承継支援センターを全国に配置する、まず予算措置から申し上げますけれども、二十億円ということになります。
 この事業承継支援センターでは、まず一つ目には、先ほど来議論がありました開業と廃業のマッチング支援、そして二つ目には、円滑に事業承継をきめ細やかにサポートをする、そういった意味で専門家を派遣をすると、また三つ目には、あらゆる相談に対応する、そしてまた後継者育成セミナーもしっかりと実施をさせていくと、そういったことなどを集中的にやり上げたいと思っております。
 実施主体については、四月二十一日までの期間で公募いたしました。ただいま集計中でありますけれども、都道府県の商工会議所あるいは都道府県商工会連合会といったところが多くなるのかなと思っております。
 なおまた、支援センターの事業についてでありますけれども、長野商工会議所が平成十四年度から実施している支援センターが一つのモデルになろうかと思いますけれども、そのセンターのマッチング件数は十八年度までの五年間で九十二件でありました。多い少ないの議論はありますけれども、先ほど来話が出ております地域力連携拠点、これを三百か所つくりまして、この事業承継、そしてまた経営力向上支援あるいは創業再チャレンジ支援、三つの柱でやっていくわけでありますけれども、お互いの相乗効果によって、むしろ事業承継の問題についても、長野の例で九十二件とありますけれども、むしろ長野県も増える、その他都道府県のセンターでも必ず私たちの予想を超える数で御相談があると、こう確信をいたしておるところでありますから、対応だけしっかりやらさせていただきたいと思います。
■松下新平■
 ありがとうございました。
 最後に、甘利大臣にお伺いいたします。
 事業承継円滑化のための総合的支援策を通じまして中小企業による雇用確保や地域経済の活性化、この効果について総論的にお願いいたします。
■甘利 明 経済産業大臣■
 具体的な効果を定量的に測るということはなかなか難しいことでありますが、守る効果と生み出す効果と両方言えるんではないかと思います。
 まず、守る方で言いますと、二〇〇六年版の中小企業白書によりますと、年間に廃業していくうちの四分の一に当たる七万社が、その廃業理由というのを、後継者がいないからということを主たる理由として掲げているわけであります。この七万社が廃業をするとすると、それに伴って雇用がどれくらい失われるかというのは、二十万から三十五万というふうに推定をされているわけであります。もちろん、これだけの雇用が失われるということはその地域経済力がそれだけ失われるということにもなると思います。もちろん、失業したままでいるんじゃなくて、もちろん再就職はしますけれども、一時的には少なくともそれだけの量の経済力が落ちるということになります。これを食い止めるという効果、極力極小化して食い止めるという効果、それが守る方の効果。それから、つくる方の効果では、地域連携拠点を通じて、新しい商品展開とか事業展開、マーケティングを通じて攻める方、守る方とそれから攻める方と両方あると思いますから、そういう意味で、地域経済活性効果とそれから雇用拡大効果というものが期待できるんではないかというふうに思っております。
■松下新平■
 ありがとうございました。
 最後に、この議案に関しまして、参議院経済産業委員会の意思を表す意味でも速やかな成立を期すべきだと思いますし、その取扱いを委員長にもお願いしまして、質疑を終わりにさせていただきます。
 ありがとうございました。