経済産業委員会−

−中小企業金融関連3法案について−
平成20年6月3日(火)
○信用保証協会法の一部を改正する法律案
○中小企業信用保険法の一部を改正する法律案
○中小企業金融公庫法の一部を改正する法律案
■松下 新平■
 どうもお疲れさまです。無所属の松下新平です。
 早速ですけれども、本日の議題であります中小企業金融関連三法案につきまして、順次質問をさせていただきます。
 まず、中小企業をめぐる現状、特に金融環境につきまして甘利大臣にお伺いいたします。
 当委員会でも度々取り上げられるとおり、近年、中小企業の景況感は悪化してきております。倒産件数も増加傾向にあり、中小企業は依然として厳しい状況に置かれています。中小企業をめぐる現状、金融環境における問題点についてどのように認識されていらっしゃるか。また、中小企業の資金繰りの改善や再生支援に向けてどのように取り組んでいかれるか、改めてお伺いいたします。
■甘利 明 経済産業大臣■
 ただいま御指摘をいただいたとおり、中小企業の景況感というものは悪化をしてきておりまして、中小企業は引き続き依然として厳しい状況に置かれております。こうした中、我が国企業数、事業所数でいいますと、九九・七%が中小企業でありますが、この中小企業の事業活動にとって円滑な資金調達というものはまさに命綱と言えるわけであります。したがいまして、中小企業金融の円滑化は、我が国経済にとっても極めて重要な基盤的政策であると考えております。
 この点、昨今の民間金融機関の中小企業向け貸出し残高の推移を見てみますと、昨年九月より前年同月比でマイナスに転じております。また中小企業の借入れ難易度指数というものを見ますと、昨年辺りから弱含んでいるわけでありまして、さらに民間金融機関の貸出し姿勢が、優良先には積極的に、そうでない先には消極的にといった言わば二極化をしつつある、その兆候も見受けられるわけであります。
 経済産業省といたしましては、中小企業を取り巻く金融情勢を引き続き十分に注視をしまして、機動的なセーフティーネット等の対応に加えまして、今般の法改正による信用保証その他の支援制度の拡充を図りつつ、中小企業の資金調達の円滑化であるとか再生支援に全力を尽くしてまいる考えであります。
■松下 新平■
 続きまして、信用保証協会法についてお伺いいたします。
 まず保証協会の体制についてでありますけれども、保証協会が新たな業務を行うのに伴い、事業再生、創業支援に関する専門人材の育成、確保が重要になってきますが、今後、保証協会の機能強化をどのように図っていかれるのか、お伺いいたします。
■甘利 明 経済産業大臣■
 ただいま御指摘をいただいたとおり、信用保証協会に新たな業務を追加するに当たっては、事業再生であるとか創業支援、この目利き能力を持った信用保証協会の人材の育成や確保を適切に行うことが重要でございます。
 信用保証協会は、すべての協会において経営支援、再生支援の専門部署を設置をし、中小企業者の再生支援業務については過去二年間で約二百五十件の実績、それから創業支援業務につきましては、平成十五年度に創設をされました創業関連保証におきまして、年平均で約七千件、四百二十億円を超える実績を積み重ねてきたところであります。このように、従来より信用保証協会の機能強化を図るための体制整備を進めてまいりました。
 その上で、今般新たに追加することになる業務にも適切に対応できるように、保証協会の職員の更なる研修の実施、それから再生支援協議会等の外部専門家との連携等、目利き能力の向上、目利き能力の更なる向上を通じた信用保証協会の機能強化に向けて全力で取り組んでまいる所存でございます。
■松下 新平■
 ありがとうございました。
 続きまして、保証協会の在り方についてお伺いいたします。
 保証協会の新たな業務は、債務保証業務の遂行を妨げない限度において行うことができるとされておりますが、主たる業務である債務保証業務が逆に縮小されるおそれはないのか、お伺いいたします。
■中野 正志 経済産業副大臣■
 今般追加しようとする信用保証協会の新たな業務は、中小企業の再生や創業、新分野への挑戦をより積極的に支援することを可能とするものでありまして、我が国経済の活性化のために重要な役割を果たし得るものであります。
 他方で、信用保証協会による債務保証は中小企業者の約四割が利用する重要な制度であります。新たな業務により、信用保証協会の収支が悪化したりしないと、債務保証業務に支障が生ずることがないと、そういうことで、新たな業務は債務の保証の遂行を妨げない限度でのみ行うことができることを本法案で規定をいたしているところであります。
 その具体的内容でありますけれども、各信用保証協会の内部留保の一定の範囲内でのみ新たな業務を行うこととする等の定量的な基準を定めることを予定しております。いずれにしても、信用保証協会の的確な業務の実施を確保するべく適切に監督をいたしてまいります。
■松下 新平■
 ありがとうございました。
 続きまして、中小企業信用保険法並びに中小企業金融公庫法についてお伺いいたします。
 まず、信用保険制度及び信用保証制度についてですけれども、中小企業の急な資金ニーズに対応するため、保証協会にあらかじめ予約料を支払い、保証枠を確保する予約保証制度を新たに導入することが予定されていますが、中小企業の資金調達にどのような効果が期待できるのでしょうか、お伺いいたします。
■山本 香苗 経済産業大臣政務官■
 先ほどの大臣の御答弁のとおり、中小企業の資金調達は大変厳しい状況にございます。このような状況におきまして、予約保証制度を導入することによりまして、中小企業はあらかじめ信用保証協会による保証を確保することができ、中小企業がいざというときに迅速に資金を調達することが可能となります。
 要するに、多くの中小企業の皆さん方が、民間金融機関が晴れの日には傘を貸すものの雨の日には傘を貸してくれないのではないかという不安を抱えておられますが、この予約保証制度の導入によりまして、言わば雨の日に備えてあらかじめ傘を確保することができまして、中小企業の方々が安心して事業に取り組むことができるようになると考えております。
 このように、この新しい制度は中小企業の安定的かつ迅速な資金調達手段を確保するための方策として極めて重要だと思っておりますので、早めに措置すべく鋭意準備を進めさせていただいております。
■松下 新平■
 ありがとうございます。
 最後の質問になりますけれども、保証協会の代位弁済額は、平成十八年度に六千八百五十二億円と依然として高い水準で推移しております。また、信用保険制度の収支状況を見ると、これまで相当額の政府出資が行われてきたにもかかわらず、同年度末の保険準備基金が百十五億円にまで減少するなど、この制度の運営基盤は厳しい状況にございます。
 今後どのようにして信用保険制度の収支を改善し財政基盤を強化していかれるのか、お伺いいたします。
■福水 健文 政府参考人■
 お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、この中小企業信用保険につきましては非常に厳しい財政状況にあるというふうに認識いたしております。このため、いろんな取組をしていく必要があると考えておりまして、例えばでございますが、信用保証協会におきまして、これまで以上に目利き能力の向上というふうな取組を行っていきたいということを考えておりまして、高水準で推移しております中小企業信用保険の事故率への対応を行っていこうということも考えておりますし、また、信用保証協会が代位弁済先から回収に向けた取組、サービサーなどにも委託してその収支の改善に努めていきたいというふうに考えております。
 他方で、この信用保険制度の中小企業金融における位置付けあるいは政策的意義を踏まえますと、このような収支改善の努力を十分に重ねた上で、収支を補うために一定程度の財政面での支援措置は必要であるというふうに私ども考えてございます。政府といたしましては、円滑な信用保険制度の運営を確保するというため、これまでにも、昨年度におきましては、当初、補正両予算を合わせまして約二千五百億円、今年度、二十年度の当初予算でも四百億円を措置しているところでございます。
 今後につきましても、この信用保険の財政基盤を強化するために必要な場合には所要の予算措置の確保に全力を続けていきたいというふうに考えてございます。
 
■松下 新平■
 しっかりよろしくお願いいたします。
 大臣におかれましては、明日からパリにおいてOECD閣僚理事会、そしてWTOの非公式閣僚会合、帰国されてからは青森でのG8エネルギー相会合と、立て続けにサミットを前に重要な会合が予定されております。この委員会でも取り上げられました中小企業、大変厳しい状況の中で原油高、悲鳴を上げている状況にあります。国益のために御尽力いただきますようお願い申し上げまして、質問を終わります。