経済産業委員会−

経済産業委員会所信質疑
平成21年3月17日(火)
■松下 新平■
  どうもお疲れさまです。改革クラブの松下新平です。
  二階経済産業大臣の所信に対しまして質疑をさせていただきます。本日は所信に対する質疑ですので、大きな柱について大枠の質疑をさせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたしたいと思います。
  まず、年度末の資金需要が高まる中小企業、雇用も含めてですけれども、支援策についてお伺いいたします。本日の質疑で各会派から既にありましたけれども、喫緊の課題でもありますので、最初に取り上げさせていただきたいと思います。
  世界経済は今年、マイナス成長に陥ります。その中で日本経済は三月危機に直面しています。一月から三月期の国内総生産、GDPは、一二%急落した昨年十月から十二月期以上に悪化する見通しです。期末にかけて株式市場の動揺が収まらなければ、信用収縮が深刻化しかねない状況にあります。このままでは需給ギャップはGDPの一〇%、五十兆円に達し、失業率は七%に上昇するという試算があります。先日の予算委員会の集中審議でも、私のこの質問に対し麻生総理から前向きな御答弁をいただきました。
  さて、所管の二階大臣におかれましては、これまで強固なリーダーシップを取られ、年末もぎりぎりまで丁寧に対応していただくなど、分かりやすい言葉で力強い政策を打ち出され、実践いただいておられますことに敬意を表します。しかし、実体経済におきましては今もなお出血が止まっていない状況にあることは各会派の御指摘のとおりであります。
  そこでまず、これまでの緊急保証制度の実績と雇用の維持などの効果、この効果はどうだったのか、お伺いいたします。
松村 祥史 大臣政務官
  松下先生御指摘のとおり、また当委員会で午前中からずっと議論されていますように、前例のない速さで大変厳しい状況が続いておると思っております。
  また、大臣の強力なリーダーシップの下に、まずは昨年の年末に向けまして緊急保証、随分と実施をさせていただきました。また、第二の山として、年度末に向けましての対策を練らしていただいているところでございます。特に、これまで保証と融資を合わせまして約四十六万件、九兆一千億円の実績を上げて、全力で取り組んでおるところでございます。
  また、再三御指摘の年度末に向けまして、緊急保証制度におきましては業種の拡大を七百六十五業種まで拡大をさせていただいておりますとともに、先般も二階大臣から、保証協会の方々お集まりをいただきまして、親切で丁寧で借り手の身になった対策、対応をしていただきたいと。また、利下げについての金融機関に対する要求も行っていただいたところでございます。
  また、借り手の皆さんがなかなか厳しい状況が続いておりますので、午前中に議論がございました担保設定の問題におきましても、棚卸資産、いわゆる流動資産を担保にする制度や、また売掛債権、こういったものにも踏み込みまして実施をさせていただいているところでございます。
  加えて、セーフティーネット貸付けにおきましては、借換えによりまして、一本化などによりまして、いろんな工夫によってのつなぎ資金の融資を円滑に進めておるところでございます。
  また、雇用対策につきましては、採用意欲があり、かつ人材育成に優れた企業を雇用創出企業千四百社として選定をさせていただきまして、促進に努めておるところでもございます。
  さらに、厳しいこういう状況の中でも、中小・小規模事業者の皆様方がいろいろと雇用を創出したいというマッチングの場所をつくるために、若手人材を橋渡しをする事業を実施しております。この事業では、大学ごと、地域ごとの合同就職説明会を全国各地で開催しまして、年間一万五千人の就職を目標に取り組んでおるところでございます。
  また、その中小、小規模にとって重要な経営の宝でございます人材育成につきましても、即戦力に育成するために各分野ごとに技術や技能を磨く実践型の研修を実施して、年間一万人の雇用をつなげることを目標として全力で取り組んでおるところでございます。
■松下 新平■
  年度末の対応、しっかりよろしくお願いいたします。
  次に、先日発表されました追加経済支援についてお伺いいたします。
  ただいま参議院で来年度予算審議中でありますけれども、必要とあらば畳みかけるような支援を私は歓迎いたします。しかも、オールジャパンで大胆に複数年度と踏み込まれております。追加と表現しますと後追い的なイメージですけれども、私は総合的な経済政策ととらえております。環境対策、雇用対策、公共事業の前倒し、税制改革を盛り込んだ切り札として世界中をあっと言わせるような政策を期待いたしますが、いかがでしょうか。
二階 俊博  国務大臣
  ただいま松下議員が御指摘のように、追加というふうなものではなくて、新たな角度で現状を打破していくためにどうあるべきか。そして、今議員からも御指摘がありましたように、単年度主義で我が国の予算はずっと来ておりますが、ここへ来て、やっぱり単年度ということだけでは解決しないんではないか、二年にわたるもの、三年に及ぶものあっていいのではないか、そういうことも念頭に入れて勉強をするようにという総理からの御指示があったわけでありますから、それに基づいて、今与党やあるいは各それぞれの省庁で内々の勉強を続けているところでございます。
  経済産業省としては、あらゆる調査、検討に省を挙げて御協力を申し上げていきたいというふうに思っておりますが、そこはエネルギーの問題だとか環境の問題だとか、私どもがかねてから委員の皆様に御協力をちょうだいしてきたことなどでまだ思い切ってやらなきゃいけない、ここが足りないのではないかというような問題、あるいは太陽光発電にしましても、ただうたい文句だけが良くても実際に実行されなきゃ意味がないわけですから、そういう面について大胆に踏み込んで実行できるようなことを考えていきたいと思っております。
■松下 新平■
  大臣からは、その政策を掲げるだけでなくて、それがいかに現場において浸透しているかというところまで踏み込んでいただきました。大切なことだと思います。
  次に、資源外交についてお伺いいたします。
  昨年の原油高騰あるいは原材料価格等の異常な乱高下を見るにつけ、資源・エネルギーの安定供給が我が国の喫緊の課題であることは皆さん共通の認識であります。私も、この委員会で毎回のように取り上げてまいりました。所信に当たって、改めて資源外交についての決意をお伺いいたします。
吉川 貴盛  副大臣
 私の方からお答えをさせていただきたいと存じます。
 御指摘をいただきましたように、資源外交は我が国にとりまして極めて大切な分野でもございます。さらには、資源小国でもございますので、石油や天然ガス、レアメタルの資源・エネルギーの安定供給の確保が重要な課題となっているところでございまして、現在、一時期に比べまして資源価格が下落をしておりますので、更に我が国にとって海外における権益取得の追い風となっていると認識をいたしております。
 私ども経済産業省といたしましては、ボツワナなど南部アフリカ四か国への官民合同ミッションの派遣並びにベトナムとの石炭・鉱物資源政策対話の実施など様々な今日まで取組を行っているところでございまして、既に南アフリカにおきましては、我が国初のアフリカにおけるレアメタル共同探査、これはJOGMECがプラチナの共同探査、資源探査をもう開始をいたしました。また、モザンビークにおきましても、我が国の民間企業が炭鉱の探査を実施いたしまして、開発を目指して今活動を実施を行っているところでもございます。さらに、ベトナムにおきましても、我が国の消費量の五分の一を満たす生産規模のレアアースでありますけれども、鉱山の開発プロジェクトを日本企業と共同で実施することをもう合意をいたしております。
 今後とも、積極的に資源外交を進めるとともに、このJOGMECによりますリスクマネーの供給や貿易保険など様々な支援策を講じてまいりたいと考えております。
 長くなって申し訳ありませんが、例えば、本年四月には、アジアの主要消費国と中東、アジアの産油国、産ガス国を我が国に招きまして、アジア・エネルギー産消国閣僚会合を主催をすることといたしておりまして、こうした機会をまた活用いたしまして、今後とも、資源・エネルギーの安定供給確保のための取組を二階大臣の下、積極的に取り組んでまいりたいと存じております。
■松下 新平■
  ロシアのプーチン大統領、元の大統領ですけれども、五月に来日が予定されております。
  私は、前回のこの委員会でモンゴルの埋蔵資源の重要性について質問いたしました。日本とモンゴルの資源外交について前向きな御答弁をいただきましたが、このかぎを握っているのはロシアだとされております。ロシアでは、アジア地域への天然ガスに中心的な役割を果たす国内初の液化天然ガスプラントが極東のサハリン島で稼働し、また、中国と二十年にわたる石油供給契約に合意しました。ロシア政府の長年の目標であるエネルギー需要の増加が著しいアジア地域への影響力増大に向けて大きく一歩を踏み出しました。
  ただ、ロシアが輸出拡大を推進するには、石油ガス開発の先端技術と資金力を持つ日本と中国との連携が欠かせません。特に輸出増加にはこうした協力が欠かせないと見られています。生産を増大させ、インフラを整備することでロシアが資源外交を通じてアジアへの影響力を高めようとしております。それらも踏まえてしっかり資源外交をお願いしたいと思います。
  続きまして、原子力エネルギーについてお伺いいたします。
  今月六日の参議院予算委員会総括質疑におきまして、我が党の大江康弘議員より原子力エネルギーについて二階大臣に質問いたしまして答弁をいただいておりますが、改めてお伺いしたいと思っております。
  環境問題が大きく取り上げられる機会が増えている今日、原子力発電の問題はまさに環境問題との関係で論じられなくてはならないはずであります。日本の原発の利用拡大はストップしている状況ですが、原発の利用なしに温暖化ガスの削減は可能でしょうか。太陽光、風力、バイオ燃料など、代替エネルギーの可能性が模索されています。そうしたクリーンエネルギーの技術開発の努力を加速することは重要でしょうが、遠い将来は別として、近い将来にそうした代替エネルギーで電力需要が十分に賄えるとは思えません。 原子力に関する新聞報道を見る限り、原子力のリスク部分のみを強調した報道が多く、原子力発電の持つ温暖化ガス削減効果については十分に論議されていないのが現状であります。原子力発電の事故、不始末、地震対策の不備などはもちろん問題ですが、これに対して、地球温暖化問題の中に原子力発電をどう位置付けるかということに注目していかなければなりません。原子力発電のリスクについて声高に論じることは簡単ですが、原発のリスクのみが強調されて正しい判断ができるのでしょうか。
  米国は石油価格の高騰や地球温暖化対策などから、石油依存からの脱却を図って原子力発電を推進すべきと考えていますが、いかがでありましょうか。
谷合 正明  大臣政務官
 今、原子力発電についての御質問がございました。
  その前に資源外交について、今日、委員の皆様のお許し、また御配慮、御指導をいただきましてOPECのセミナーに出席、出発してまいりますので、しっかりと取り組んでまいります。
  原子力発電でありますけれども、委員の御指摘のとおり、これは発電過程で二酸化炭素を排出しないものでございまして、エネルギー安定供給と地球温暖化対策、この二つの面から切り札と言えるものであります。まず、その安全確保を大前提として、立地の地域を始め、幅広い国民理解を得ながら原子力発電の推進に責任を持って取り組んでまいりたいと思います。
  さらに、具体的に現在五十三基が運転中、十三基の新設が予定されておりますけれども、新増設の実現や既設炉の活用、核燃料サイクルの確立等を図りまして、原子力発電を着実に進められるよう、更に取組を強化してまいりたいと思います。
■松下 新平■
 それでは、議員外交をよろしくお願いいたします。
 所信の演説の中では、直接この原子力エネルギーについて触れられておりませんでしたけれども、認識を確認させていただきました。
 続きまして、米国オバマ大統領との関係についてお伺いいたします。
 二階大臣は、今日の質疑でもありましたけれども、オバマ政権と環境エネルギー技術を中心にあらゆる分野で協力すると言っておられます。米国は今回の金融危機に七十二兆円の景気刺激策を打ち出しました。日本と米国、ウイン・ウインの関係構築が重要であります。
 今後、どのような日米関係を構築されようとしているのか、改めてお伺いいたします。
二階 俊博  国務大臣
  議員も御指摘のとおり、日米関係というのは極めて重要な二国間であります。世界第一位、第二位の経済大国として今日まで頑張ってきたわけでありますから、今後も協調して経済対策を実施することは当然でありますが、同時に、科学技術の面あるいはエネルギーの面、それぞれの国民の皆さんが幸せになるように、そうした面での両国の協力が極めて重要だと思っております。
  以前に私は、ロスアラモスの国立研究所との経済産業省と提携をしておるということを申し上げたことがあると思いますが、今この研究所で年間予算二千二百億、職員の数で一万四千人、サンディア国立研究所、これでも八千五百人、予算規模二千四百億、そして、これはチュー長官がかつて所長を務められた研究所でございますが、ローレンス・バークレーという研究所、これは職員の数が四千人で、そしてこの年間の予算は六百億円、このような研究所が並んでおりますが、我々は、そうした研究所とこの我が国の持っております研究所との間にお互いに協力関係を結んでいく、そのことによって、一足す一は二ではなくて、もっともっと広い分野でお互いに協力できるんではないかということであります。
  オバマ大統領もこのことに大変熱意を傾けてくれておりまして、この国会の終了の時点で、私はそれぞれの研究所に専門家を派遣して具体的な取決めを進めたいというふうに思っておりますが、そうしたことを通じて、例えば先ほど松議員からもお話のあった、保護主義に走らせない、自由貿易が大事だというようなことを日米がお互いに努力し合うということにもつながるわけでありますから、エネルギー問題、WTOの問題、一つ一つが独立して問題がそこに存在しているわけではなくて、総合的に協力し合っていくということが大事かと思いますが、我々、今後ともアメリカとの関係、十分念頭に入れて協調関係を続けていきたいと思っております。
  この間、アメリカ商工会議所の会頭がお見えになって、観光交流にもしっかりやっていこうということでありましたから、もし、アメリカと日本との戦争勃発のああいう以前に、我々の国の多くの人がアメリカという国を理解して、アメリカに旅行した人が我々の仲間に、先輩に随分多くおられたとしたら、あんな戦争は果たして起こしただろうかと。アメリカもまた、日本をよく知っておっていただければ、もっともっと上手な外交といいますか、解決策だって幾らもあったはずだということを言いましたら、全くそのとおりだと。観光問題は観光客の行ったり来たりするその利益の問題だけではなくて、もっと広い意味で日米友好のためにやろうというふうなお話がありましたが、そんな面でも我々は協力し合っていきたいと思っております。
■松下 新平■
  ありがとうございました。
  時間が参りましたので、最後に地域の活力のことをお伺いしようと思ったんですが、所信で、我が国経済に活力を取り戻すためには、地域の力が不可欠であると。私も、地方の一つ一つが元気にならなければ日本の再生はないと地方選出の議員としても強く思って活動しておりますので、御答弁は結構であります、共通認識とさせていただきます。
  個別の法案に関しましては、今後、慎重審議をしてまいりますけれども、現下の経済状況を考えますと、改革クラブといたしましてはスピード感を持って答えを出す政治を心掛けてまいりたいと思います。
  終わります。ありがとうございました。