経済産業委員会−

−不正競争防止法の一部改正法案−
−外国為替及び外国貿易法の一部改正法案−
平成21年4月9日(木)
■松下 新平■
  私は、改革クラブの松下新平です。
  本日の議題であります不正競争防止法の一部改正法案と外国為替及び外国貿易法の一部改正法案、これにつきまして改革クラブは賛成の立場でありますけれども、確認の意味も込めまして、五問ほど用意してまいりました。お付き合いをよろしくお願いいたします。
  まず、不正競争防止法の一部改正法案について、二問お伺いしたいと思います。
  一問目は、不正競争防止法の知的財産保護に果たす役割と、ほかの知的財産法との関係について確認しておきたいと思います。
■森川 正之 政府参考人■
  お答え申し上げます。
  不正競争防止法は、特許法や商標法などの知的財産権法とともに、知的財産保護の一翼を担う法律でございます。特許法、商標法などの産業財産権法が保護に権利を付与するという方法によりまして知的財産を保護するということをやっておりますのに対して、不正競争防止法は、保護されるべき一定の事実状態を前提に行為に着目して規制を行うと、こういう方法で知的財産の保護を図っておりまして、お互いにそれぞれの観点から補い合って知的財産全体の保護を図っていくと、こういうものでございます。
  例えば、この不正競争防止法に規定しております営業秘密に係る不正行為の防止に関する規定は、特許法とともに、個人、企業の開発成果を保護するということになります。それから、今回の改正にはかかわらない部分でございますけれども、他人の著名な表示、ブランド等ですね、こういったものを無断で使用する行為の防止に関する規定は、商標法等とともに、営業上の標識、信用を保護すると、こういうことでございます。
  我が国経済が持続的に成長していくというためには、次々に生み出される技術革新の成果、企業が築き上げた信用、これらを適切に保護、活用しながら収益を上げていく仕組みを構築することが重要でございます。今後とも、経済成長の原動力であります知的財産の保護に強力に取り組んでまいりたいと思います。
■松下 新平■
  ありがとうございました。
  次に、この度の改正によりまして営業秘密の保護を強化するということですけれども、改めまして、この不正競争防止法における営業秘密保護の意義と重要性についてお伺いいたします。
■松永 和夫 政府参考人■
  お答え申し上げます。
  不正競争防止法は事業者間の公正な競争秩序を保護するものでございまして、営業秘密は企業の競争力の源泉として不正競争防止法において保護の対象とされております。
  営業秘密でございますけれども、秘密として管理された事業活動に有用な、公には知られていない非公知の情報でございますけれども、これは、現場におきます労働者、技術者によって生み出される企業の長年の取組や多額の投資の結集ということが言えるわけでございます。
  こうした営業秘密は、それから生み出されます個々の製品、財物よりも高い財産的価値を持つ一方で、侵害行為に対する予防措置には限界がございまして、また、いったん侵害されてしまえばその原状回復は極めて困難であると、こういう性質を有しているわけでございます。この点、現在のIT化、ネットワーク化の進展は、こうした営業秘密の侵害を容易にするとともに、一度侵害された営業秘密は瞬時にして拡散してしまう、こういう状況をつくり出しているわけでございます。
  また、我が国が激化する国際競争を勝ち抜いていく上で、御審議の過程でも御指摘をいただいておりますように、イノベーションの促進が求められておりますが、その実現のためには、それぞれの企業が保有をしておりますこうした営業秘密を、場合によっては国を超えて相互に開示をいたし、それを活用していくこと、すなわちオープンイノベーションが重要でございますけれども、そのためには、企業が保有する営業秘密が適切に保護される、そういった制度的な基盤が必要不可欠であるというふうに考えられます。
  今回の改正は、こうした状況を踏まえまして、企業が保有する営業秘密を適切に保護することにより我が国企業の国際競争力を維持強化するものでございまして、極めて重要な意義を有しているというふうに考えております。
■松下 新平■
  ありがとうございました。
  先ほどお話がありましたけれども、下請企業が保有する営業秘密に対する元請企業による侵害についての事例ですね、私からも、下請企業がその後の取引関係を考慮して訴訟さえも提起できない、泣き寝入りしている実態の改善のために適正な措置を講ずることを求めたいと思います。
  次に、外国為替及び外国貿易法の一部改正法案について二問お伺いしたいと思います。
  去る四月八日に、参議院におきまして、北朝鮮によるミサイル発射に抗議する決議案が採択されました。四月五日に北朝鮮が発射した弾道ミサイルは、日米韓を始め関係国の再三にわたる自制の求めを無視し、強行したものであり、国際社会に対する挑発と受け止められ、弾道ミサイル計画に関するすべての活動の停止を求めた二〇〇六年の国連決議千六百九十五号及び千七百十八号に背くことは明白でございます。
  我が国の国民の生命、財産を危険にさらし、国際社会の平和と安定を脅かし、大量破壊兵器を拡散することにつながる今回の北朝鮮の暴挙に対して、日本政府はその非を国際社会に強く訴え、毅然として厳正に対処すべきであります。
  そこで、核開発やミサイル開発に関連するような物資が北朝鮮へ輸出されることのないよう厳格な輸出管理が求められておりますが、どのように取り組まれていらっしゃるのか、お伺いいたします。
■藤田 昌宏 政府参考人■
  お答えを申し上げます。
  北朝鮮に対しましては、平成十八年の国連安保理決議に基づきまして、現在、核兵器やミサイルなどの大量破壊兵器関連貨物の日本からの輸出を禁止をしてございます。また、これ以外の貨物でございましても、すなわち輸出許可が必要であるとして政令にその品目が明記してある品目以外のものでございましても、それが大量破壊兵器の開発等に用いられる懸念があるという情報が何らかのルートから得られたような場合には、いわゆるキャッチオール規制と申しておりますけれども、こうしたものについても厳格な安全保障貿易管理を実施しているところでございます。
  平成十四年にこのキャッチオール規制が導入されまして、それ以降、九十件の案件が出ておりますけれども、実はそのうちの大部分の七十四件は北朝鮮関係でございまして、北朝鮮向けあるいはどこかを迂回して北朝鮮に渡る懸念があるこの七十四件の輸出案件につきましては、すべて差止めを行っております。さらに、今回の法改正によりまして無許可輸出の罰則が引き上げられますので、これも一定の抑止力、抑止的な効果を発揮できるというふうに期待をしております。
  経済産業省といたしましては、引き続き国内外の関係機関とも密接に連携をいたしまして、北朝鮮向けの安全保障貿易管理を厳格に実施してまいりたいと考えております。
■松下 新平■
  厳格な輸出管理をよろしくお願いいたしたいと思います。
  次に、国際的な安全保障をめぐる情勢としましては、北朝鮮のみならず、二〇〇一年の米国の同時多発テロ事件以降、テロ行為の脅威も高まっております。安全保障にかかわるような物資がテロ組織等に渡らないようどのような取組を行っていらっしゃるか、お伺いいたします。
■藤田 昌宏 政府参考人■
  平成十三年の、すなわち二〇〇一年の米国同時多発テロ事件なども踏まえまして、二〇〇四年に国連安保理決議一五四〇が採択をされまして、テロ組織等に対する大量破壊兵器の拡散防止のための輸出管理強化が各国に求められております。
  これを受けまして、我が国におきましては厳格な安全保障貿易管理を実施しているところでございまして、テロ組織に対して、例えばいわゆる貧者の核などと呼ばれます生物化学兵器の製造、使用に用いられるおそれがあるような貨物が輸出されることの防止を図っております。
  また、昨年十一月からは、国際合意を受けまして、これら以外の貨物でありましても、大量破壊兵器の関連のみならず通常兵器の開発等に用いられる懸念があるものにつきましても、輸出許可が必要と認められる場合には輸出許可を取っていただくという補完的な規制も導入をいたしております。
  経済産業省といたしましては、引き続き内外の関係機関と密接に連携をして、こうした輸出管理をしっかりと図ってまいりたいと思います。
■松下 新平■
  よろしくお願いいたしたいと思います。
  最後に、二階大臣にお伺いいたします。
  この度の不正競争防止法及び外為法の改正に当たりまして、日本の財産であり、国際社会の平和と安定のための、大臣もおっしゃいましたけれども、世界一の技術、この日本の技術の流出防止に向けた決意をお伺いしたいと思います。北朝鮮による核とミサイルの脅威が改めて認識をされました。国民の生命、財産を守る強い決意を是非お聞かせいただきたいと思います。
■二階 俊博 国務大臣■
  これまでも、産業競争力の強化の観点から、安全保障上の立場と、両方の側面から我が国の貴重な技術、今先生が御指摘になりましたように日本の財産、これを流出させないように努めてきたところでありますが、今後一層力を入れていきたいと思っております。
  今般の提出をさせていただいております不正競争防止法の改正案は、厳しい競争環境の中で、本当に日夜命を削るようにして頑張っておられる企業の方々が、不正な手段によってせっかく築き上げた技術情報を一夜にして奪われてしまう、そういうことに対して競争上の不利を招かないように、我々はその環境をつくり上げてバックアップをしていかなくてはならないと思っております。
  外為法の改正案は、安全保障に関するいわゆる技術が不正に海外へ流出することのないように、厳格に対処をしていきたいと思っております。
  二法が成立をさせていただいた上には、その的確な実施に万全を期し、引き続き技術流出防止に全力を傾けてまいりたいと思っております。
  なお、明日から、国会のお許しをいただいて東アジアサミット、これは麻生総理、中曽根外相、そして経済産業相の私が参加をさせていただくことになりますが、東アジア各国の閣僚やバイ会談もございますから、この法律が今日こうして成立をさせていただければ、それに基づいて各国への協力、アピールをしてまいりたいと、このように思っております。
■松下 新平■
  この委員会でも度々指摘されておりましたけれども、迂回輸出を防止するために、世界の安全保障貿易体制の整備に各国と協力して取り組んでいただきたいと思います。
 今ほどお話がありましたけれども、明日からの東アジアサミット、お疲れさまです。特にこの件に関しましてもアジア諸国との連携強化をお願いいたしまして、私の質問を終わります。