経済産業委員会−

− 中小企業者及び中堅事業者等に対する資金供給の円滑化を図るための
株式会社商工組合中央金庫法等の一部を改正する法律案 −
平成21年6月11日(木)
■松下 新平■
  改革クラブの松下新平です。
  本日の議題に入ります前に、二階経済産業大臣に二点ほどお伺いしたいと思います。
  一点は、山根理事からもありましたけれども、重要な問題ですので。昨日、日本の温室効果ガス、この中期削減目標が発表されましたけれども、これに対する経済産業省の御見解をお伺いするのと、六月初めに、アメリカの繁栄の象徴であった百年の歴史を持つGMが事実上破綻したと。この日本経済に与える影響、そして産業界大変心配しておりますので、その状況。大臣は、この破綻から初めて開かれる委員会に出席していただきましたので、その二点についてお伺いしたいと思っております。
  まず一点目ですけれども、温室効果ガス削減目標、二〇〇五年比一五%減ということに発表されましたけれども、これに対して産業界から様々な意見がなされております。毎日新聞がよくまとまってありますのでちょっと引用させていただきますと、製造過程での二酸化炭素などの排出量の一〇%以上の削減が迫られている産業界は一様に大変に厳しい水準だと受け止められております。
  日本自動車工業会の青木会長も、この中期目標に対して、大変厳しい目標であるとコメントをされております。自動車業界は、従来、京都議定書の削減目標に合わせ、国内の製造過程で排出するCO2排出量を一〇年度までに九〇年度比二二%減を公約し、目標を〇八年度時点で前倒しで達成する見込みだ。ただ、更に一〇%以上削減しようとすれば、工場の海外移転を進める必要が出てくる可能性があり、空洞化に拍車が掛かって雇用に影響を与えかねないという懸念も出されています。
  電機業界も危機感は強いというふうに書かれております。製造過程でのCO2排出量の大幅削減には工場設備の刷新が必要ですけれども、世界不況で業績不振の中、多額の環境対応投資は経営の重荷となりかねない。このため、省エネ製品の普及による削減効果と製造過程での排出を相殺するトータルな評価をしてほしいという本音もありました。
  製造過程での排出量が多い鉄鋼業界は、アメリカ、ヨーロッパ、中国などと平等な競争条件を確保してほしいと指摘され、日本だけが環境対応で過度に負担を強いられる事態を懸念されております。
  これにつきまして、二階経済大臣の御所見をお願いしたいと思います。
■二階 俊博 国務大臣■
  ただいま大変重要な視点で御質問をちょうだいしましたが、私は、最終的に総理の御決断で、世界の今日現在はトップを行く省エネ国家として率先して低炭素革命というものを実現していくという強い意思を内外に表明されたものであり、我々もこのことに対しては、今お話をいただきましたような事例は十分承知をいたしておりますが、それでも内外の状況を判断して総理があのような御決断をされたことに対し、我々はこれを支持してまいりたいと思っております。
  しかし、一番我々が気に掛かるところは、国民負担という点であります。そして、続いて、今お話にありましたような業種はほとんど中小企業に分類される業者が多いわけでありますから、これらの皆さんの事業につきまして十分対応していかなくてはならない。先ほども御答弁で申し上げましたが、一世帯当たりの可処分所得で年四万三千円減少し、光熱費で年三万三千円ぐらい増えることになる。これらを合わせますと合計で七万六千円の負担増が生ずるわけであります。
  ですから、環境、環境と、環境問題が大事だ、グリーン何とかが大事だということをおっしゃる人は多いわけでありますが、これだけの負担が掛かってくるんですよということ、これはやっぱり十分御理解をいただいて、負担が掛かるという部分についても逃げないで御一緒になってこれを国民の皆さんに説得していくという努力が私はなければ、環境問題だといって世界のトップを行くなんて言ったって、国内が足下乱れたんではどうにもなりません。ここはお互いに力を合わせてやっていかなきゃいけない。
  同時に、昨日、総理の記者会見で御覧になった方もいらっしゃると思いますが、キリバスのお話をされております。キリバスのみならず、このまま放置しておきますとやはり沈んでいく島、沈んでいく領地、沈んでいく国がこの世界、この地球上に存在している、このことに見て見ぬふりをするわけにいかない。いわんや我々は先進国だと自称しているわけでしょう。同時に、環境先進国だということを自負しているわけでありますから、このことにも配慮しなきゃいけない。
  私は、経済界の皆さんとも十分話合いをしながら、これらの問題を軟着陸していくための対応ということに対して配慮をしていかなきゃならぬ、そして金融の面等においても、今、松下議員からお話がありました各業界がこの環境問題に取り組んでいく上においての御負担に対しどう対応していくかということは十分念頭に入れて御相談していかなきゃいけないと思っております。
  昨日も衆議院の委員会におきましてもいろんな御質問がありましたが、もっと水力発電なんかの場合に小さい言わば見過ごされておるような土地改良の、早く言うと田んぼの水、水源ですね、こういうものを活用して、いわゆる農業の皆さんにも御参加をいただいてこの新たな水力発電というものに対してもっと力を入れたらどうかという御提案がありましたが、私は昨日も最後の閣僚の会議におきましてもその話を申し上げておきました。
  あらゆる国民の皆さん、あらゆる業界の皆さん等の御協力をいただいてオール日本でこの重大な課題に対してこたえていかなくてはならないと思っております。どうぞ御協力をお願い申し上げます。
■松下 新平■
  ありがとうございました。
  大臣は、昨日のコメントでも、不可能な数字ではないということを発言されていらっしゃいます。経済界を代表して、先ほど原子力の推進、あるいは日中間のハイレベルな対話の話もありましたけれども、技術革新もしっかり進めていくというメッセージでもあろうかと思いますので、その点もよろしくお願いいたしたいと思います。
  もう一点、GMの破綻に対して、世界経済にも大変影響を与えているわけですけれども、日本経済、とりわけこの関連の企業の影響が心配されておりますけれども、その点について簡潔に御答弁をお願いしたいと思います。
■二階 俊博 国務大臣■
  GMの問題は、御指摘のとおりでございまして、我が国経済に少なからぬ影響を与えていることは事実でありますし、我が国のみならず、世界の経済に大きな影響を与えていることは議員御承知のとおりであります。
  したがいまして、我が国としては、自動車、部品メーカーに特に混乱を生じないように十分観察をいたしておるところでありますが、今のところ大きな混乱が生ずるということは避けられるのではないかという見通しでありますが、これは、あらかじめこういう事態を想定して各企業が十分この状態に対して正確な情報を把握しながらあらゆるシフトをしてきたということが今日の結果をもたらしていると思いますが、さらに、この状況がどのような厳しい事態に直面するかということなどもやはり考えておかなくてはなりませんから、その場合には、的確な対応をして、日本の企業あるいは自動車業界あるいは部品メーカー、こういう皆さんに大きな影響を与えることのないような対応というのは、業界の皆さんとともに経済産業省も真剣な対応をしてまいりたいというふうに思っております。
  ただ、アメリカなんかにも、先般参りましたときに、日本の自動車メーカーのおかげでアメリカの企業がこういう状況になっておるということも、少しジョークを交えてでありますが、御承知をいただきたいというようなやんわりしたお話がありましたが、これも事実だと思います。ですから、私は切り返しに、日本の企業も、これ、中古自動車を新しくしてやっていこうということも我々も考えているんだが、日本は技術が大変進んでおるからなかなか日本の自動車は壊れないので経済産業省も頭を悩ませているんですよと、こういうジョークで切り返してやりましたら、向こうも、それには参りましたと。やっぱり技術革新ということに力を入れることを怠ったというツケが今来ておるということは彼らも知っておるわけですから、環境問題においても我々はこのことをやはり他山の石として考えていかなきゃいけない、こう思っております。
■松下 新平■
  ありがとうございました。引き続きよろしくお願いいたします。
  残りの時間で本日の法案について質問いたしますけれども、一点に絞ってお伺いしたいと思います。
  今日は発議者の皆さん、そして修正案提出者の皆さんお越しですけれども、御労苦に敬意を表したいと思います。何事も現状の認識、共有が大事ですけれども、私も、改革クラブとしても、この法案は全面的に、附帯決議もありますけれども、賛成の立場でありますけれども、この法案提出の背景につきまして、再度、確認の意味で御答弁をいただきたいと思っております。
■中野 正志 衆議院議員■
  もう商工中金はこの一月から危機対応貸付けを本格化いたしております。五月末までの四か月間で、中小・中堅合わせて約六千七百億円もの実績であります。今回のこの経済危機対策では、貸付枠を中小企業向け三・三兆円、中堅企業向け〇・九兆円と、四・二兆円に拡大することを決定しております。
  一方、何ら措置することなくこれを実施した場合、商工中金の自己資本比率、昨年十月時点で八・九%でありますけれども、それが低下をして、調達金利の上昇でありますとか商工中金の業務にどうしたって影響が出てまいります。これを避けるために、政府が追加の出資をいたしまして商工中金の財務基盤を強化することが必要だと。このための予算、一千五百億円を補正予算で手当てをいたしております。
  この法案は、政府の出資規定を創設することで、商工中金の自己資本を千五百億円積み増すことを可能とするとともに、現在五三・五%を占めます民間株主の権利を損なわないようにということで、普通株式による出資ではなくて新たに危機対応準備金を設けるということになるわけであります。
  よろしく御理解ください。
■松下 新平■
  ありがとうございました。
  まとめますけれども、与謝野財務大臣のこの発言が先ほど取り上げられました。政府所管に戻す、戻さないという議論は、この三年間の見直しの中でしっかり点検をして、また議論を深めていきたいと思います。
  いずれにしましても、中小企業のために、セーフティーネットとしてこの商工中金がしっかり役割を果たすように注視してまいりたいと思います。
  以上で質問を終わります。