参議院内閣委員会−

個人情報の保護に関する法律及び行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する
法律の一部を改正する法律案(マイナンバー)質問 (1)
平成27年5月26日(火)
<答弁者>
総務副大臣  二之湯 智
総務大臣官房審議官 時澤  忠
国務大臣       山口 俊一
■松下新平■
 おはようございます。自由民主党の松下新平です。
 ただいま議題となりました法案につきまして、随時質問をさせていただきたいと思います。
 私は、自由民主党のIT戦略特命委員会、平井たくや委員長の下で、私は自民党の総務部会長として、昨年の九月からこのマイナンバー制度について議論を重ねてまいりました。衆議院を通過して、今、今日から実質参議院で審議が始まるわけですけれども、どうぞ国民に対して正確な理解を、そして丁寧な説明を心掛けていきたいというふうに思います。
 私、今日は総務省関係を中心に質疑をさせていただきたいと思います。最後に山口大臣からこの質疑を踏まえた御決意をいただければ有り難いと思いますので、よろしくお願いいたします。
 このマイナンバー制度をめぐる国の議論は、一九六八年、今から四十六年前に遡るそうであります。各省庁統一個人コード連絡研究会議という会議の場でマイナンバーの計画が持ち出されたそうですが、当時は、国民総背番号制である、又は国民監視社会になると言われて、頓挫した経緯があったそうです。その後、相当年月が過ぎまして、一九九七年、今から十八年前ですけれども、基礎年金番号を導入いたしましたが、これも大量の名寄せや不備が発覚いたしまして、その後、御案内の年金記録問題となりました。国民が支払った年金保険を受け取れる権利を守れなかったという点におきましては、国民の信頼を著しく損なうことになりました。
 マイナンバーは、元来、国民の権利を守る制度です。自分が自分であることを証明するニーズは常にあります。東日本大震災におきましても、残念ながら、罹災証明を発行する際に成り済ましがありました。情報が守られるかという不安があると指摘される方がいらっしゃいますが、この発想に問題があります。具体的に例えますと、マイナンバーは名前と一緒です。名前は当然公開しておりますが、名前が漏れたからといって直ちに問題が生じることではありません。ひも付けされる情報は限定されます。税と社会保障、国民の権利だけです。
 まだまだ勘違いされているこのマイナンバー制度ですが、民間活用で広がるのは、マイナンバーカードに当たる公的個人認証の鍵、これによってインターネットバンキングなどで不正な成り済ましが起きなくなります。国費で秘密の鍵を一億二千七百万人に配るという壮大なプロジェクトで、これはどの先進国にもなされていない、初めてのチャレンジになります。
 東京オリンピック・パラリンピックに向けて様々なインフラの投資がなされていきますが、二〇二〇年以降、この東京オリンピック・パラリンピック以降に花開く社会資本の投資はこのマイナンバー制度だというふうに考えております。成長戦略であり、財政再建であり、さらには医療費の適正化につながります。このマイナンバー制度は、日本が先進国で完全に優位に立つチャンスを内包しております。
 本日は、総務省から二之湯副大臣、お出ましいただきましてありがとうございます。早速、基本的な質問をさせていただきたいと思います。
 住基ネット、これまで様々な紆余曲折がございましたけれども、このマイナンバー制度は住基ネットを基盤として構築されるわけですけれども、その基である住基ネット、この総括が必要だと考えております。
 この運用につきまして、またどのように運用状況を評価されるかについて御質問いたします。
二之湯智 副大臣
 平成十四年の八月以来、住民基本台帳ネットワークシステムは、外部からの侵入などの重大な事故もなく安定的に稼働をいたしております。これは、個人情報保護、セキュリティー確保のための措置を十分に講じているためと認識をしております。
 具体的には、以下の措置を講じております。
 まず、住民票コードを含む本人の確認情報の提供を行う行政機関の範囲や利用目的の限定、また外部からの侵入防止のためのファイアウオールによる通信制御、専用回線の利用、情報の暗号化、さらにまた内部の不正利用の防止のための生体認証や暗証番号による操作者の限定、コンピューターの使用記録の保存、守秘義務違反に対する刑罰を非常に重くしたことです。そして、全市町村におけるチェックリストによる自己点検、外部の監査法人によるシステム運営の監査などであります。
■松下新平■
 この住基ネットの総括ということでお伺いしましたけれども、反省すべきは反省をした上で、マイナンバー制度をしっかり取り組んでいただきたいと思います。
 十月にいよいよ国民への付番が開始されるわけです。もう五か月後に迫りました。これまでも自治体に対していろいろ説明会等なされていると思いますが、もう五か月ですから、円滑な導入に向けた地方公共団体における準備状況と総務省の取組についてお伺いしたいと思います。
二之湯智 副大臣
 いよいよ本年十月から付番が始まるなど順次施行が予定されているマイナンバー制度の円滑な導入に向けて、各地方公共団体においては、関係システム、いわゆる既存住基システム、税務システム又は社会保障関係システム等でございますけれども、の整備、改修等の準備が着実に進められております。
 総務省といたしましては、関係システムの整備や個人番号カードの発行に要する経費等について、国庫補助により地方公共団体の取組を支援することといたしております。また、マイナンバー制度の導入に当たって不可欠であるシステム整備等については、地方公共団体の理解と協力を得ながら進めることが非常に重要であることから、国や地方公共団体の担当職員が情報共有を図るためのサイト、デジタルPMOや四十七都道府県での現地説明会の開催等を通じ、地方公共団体に適切な情報提供を行っているところであります。
 引き続き、関係省庁及び地方公共団体との連携を図りながら、制度の円滑な導入に向けて準備を進めてまいりたいと考えております。
■松下新平■
 地方公共団体からもこうした方がより分かりやすい説明になるとか、こういった手続の方がより簡素になるとか、そういった提案がなされておりますので、それも十分生かしていただきたいというふうに思います。
 引き続きまして、衆議院の審議でも一番の課題でありましたけれども、このPRですね、普及啓発に関して質問したいと思います。
 特に、窓口である地方公共団体との連携、これが非常に大事になってくると思うんですけれども、この国民の認知度を高めるために、制度の意義やメリット、これについての国民への普及啓発活動、これについてお伺いしたいと思います。
二之湯智 副大臣
 マイナンバー制度は、本年十月から個人番号の通知、そして来年一月からの番号の利用が開始されることとなっておりまして、御指摘のとおり、制度の趣旨や意義を国民に十分に御理解いただくことが重要であると考えております。
 このため、政府といたしましては、昨年の十月に内閣府に国民向けのコールセンターを設置したほか、ホームページでの情報発信やポスターの作成そして掲示、さらにまた、本年三月からテレビコマーシャルや新聞広告等により広報を行うなど、多様なメディアによって普及啓発を実施しているところであります。地方公共団体にも、これらの媒体を活用することなどにより、マイナンバー制度の周知広報の実施を依頼しているところであります。
 総務省といたしましても、住民に最も身近なサービスを行う地方公共団体と十分に連携し、マイナンバー制度についての住民向け広報を積極的に行い、国民への周知啓発に努めてまいりたいと考えております。
■松下新平■
 辛口のマスコミのまだまだ周知が足りないということも指摘がありますけれども、これからですからね。また、日本国民はスタートのときにはやはり皆さん準備をされると思いますので、きちんと周知活動をお願いしたいというふうに思います。
 続きまして、このマイナンバー制度、一月から発行されます個人番号カードでございますが、この普及につきましてもこれからしっかり準備しておかないといけないと思うんですが、それについての取組をお願いします。
時澤忠 政府参考人
 お答えいたします。
 個人番号カードは、券面に個人番号が記載されまして、就職、子育て、年金受給等の番号利用時における本人確認に利用されますほか、写真付きの公的な身分証明書として幅広く利用可能となるものでございます。また、個人番号カードにはICチップが搭載されておりまして、そのICチップの空き領域、住基カードのときには市町村だけが使えたものでございますが、個人番号カードにつきましては都道府県、国の行政機関等においても利用可能となるものでございます。また、公的個人認証サービスによります電子証明書につきまして、これが標準的に搭載されておりまして、さらに、新たに総務大臣が認定する民間事業者も利用可能となるものでございます。これらのことから、住民基本台帳カードも活用の場面がより増大をいたしまして、生活に欠かせないカードになるというふうに考えております。
 このため、その交付手数料、カードの交付手数料を無料にいたしたいと思っております。さらに、多くの方がカードを取得しやすい環境をつくることが大切でございますので、例えばカードの取得につきまして、交付のときに来庁していただく方法、あるいは申請のときに役所に来ていただく方法、あるいは勤務先の企業等で一括による申請、こういった多様な交付方法を実現いたしまして、個人カードの普及を図ってまいりたいと考えております。
■松下新平■
 このカードは無料で、希望されたらどなたでも発行されるということですので、是非活用を促していきたいというふうに思います。
 続きまして、コンビニ交付の普及についてお伺いしたいと思います。
 住民票の写し等のコンビニ交付は住民にとって利便性の高いサービスでございます。参加市区町村も増加傾向にあると承知しておりますが、この個人番号カードの発行を機にコンビニ交付の一層の普及を図っていくべきだと考えますが、いかがでしょうか。
時澤忠 政府参考人
 コンビニ交付でございますが、住民の利便性の向上、行政コストの削減を実現するなど、住民と市町村双方にメリットを感じていただけるサービスでありまして、総務省としてもこれまで説明会を行うなど普及を図っておりまして、平成二十二年二月の開始以来、参加団体は増加傾向にございます。また、個人番号カードによりますコンビニ交付サービスの導入経費につきましては、自治体クラウドの推進に資するものといたしまして特別交付税措置を行うことといたしております。
 さらに、平成二十八年一月から交付が開始されます個人番号カードを用いて行う場合には、これまでのカードのICチップの空き領域を活用する方法に加えまして、標準搭載されます公的個人認証サービスを採用し、要するに導入しやすくなるということがございますので、これを契機にコンビニ交付サービスを導入する市区町村が更に増える、増大するというふうに見込んでおります。
 総務省といたしましても、引き続き普及を図っていくため、市町村に対しまして必要な助言等を行ってまいりたいと考えております。
■松下新平■
 この普及には、お話がありましたとおり、双方のメリットが重要でありますので、そちらの方もPRをよろしくお願いしたいというふうに思います。
 続きまして、民間サービス、この普及についてお伺いしたいんですけれども、個人番号カードに搭載される電子証明書を活用した公的個人認証サービスにつきましては、オンラインバンキング、オンラインショッピングなどの民間サービスでの利用も可能な制度となっておりますが、民間サービスへの普及拡大に向けた取組についてお伺いします。
時澤忠 政府参考人
 個人番号カードで利用ができます公的個人認証サービスにつきましては、番号法の制定に合わせまして、新たに総務大臣が認定する民間事業者も利用可能としたところでございまして、これらの民間事業者が提供する様々なオンライン等のサービスにおける本人確認に活用いただけることとなるものでございます。
 総務省では、民間事業者が公的個人認証サービスを利用するに当たってのシステム要件、あるいはセキュリティー基準の策定作業を現在進めているところでございまして、あわせまして、公的個人認証サービスの活用が見込まれる幅広い分野の事業者の団体等への説明会を行っておりまして、こういった説明会を通じまして、サービスの積極的な活用を現在お願いしているところでございます。
 民間事業者に幅広く御活用いただけるように、できるだけ早く民間事業者向けのガイドラインの公表を行いたいと考えておりますし、また、引き続き事業団体等への積極的な情報提供を進めていきたいと考えているところでございます。
■松下新平■
 ありがとうございます。
 続きまして、総務省で進められています自治体中間サーバーの現在の開発状況についてお伺いしたいんですが、平成二十九年七月から国と地方公共団体等の間での情報提携の開始に向けて総務省で進められているこれらの開発状況についてお伺いしたいと思います。
時澤忠 政府参考人
 マイナンバーのシステム開発につきましては、関係府省それぞれが全体スケジュールに沿って計画的に準備を進めているところでございます。
 各行政機関等が保有する個人情報の連携ができるように、データ形式を共通のものにそろえた上で保存しておくための自治体の中間サーバーがございますが、総務省ではそのソフトウエアの開発を現在実施しておりまして、開発状況につきましては、現在、二十七年、今年の七月末の完成に向けて最終的な確認テストを行っている段階でございます。
 地方公共団体に対しましては、自治体中間サーバーと地方公共団体の住民基本台帳システムや地方税システム等、既存システムを接続することとなりますので、その接続するための技術仕様をお示ししておりまして、地方公共団体ではこれに基づいて現在システム整備等を進めておられるところでございます。
 また、自治体中間サーバーのハードウエアにつきましては、各地方団体において個別に整備するのではなく、全国二か所の拠点に集約して整備することとしておりまして、今年度中に完了すべく、現在、地方公共団体情報システム機構において整備を進めている段階でございます。
 今後、平成二十八年一月から地方公共団体内でのシステム連携テスト、それから七月には国と地方公共団体を合わせた総合運用テストを予定しておりまして、二十九年七月からの国と地方公共団体間での情報連携が実施できるよう、現在いろんな作業を行っているところでございまして、引き続き、地方公共団体とも情報提供等の支援を行うなど万全を期してまいりたいと考えているところでございます。
■松下新平■
 続きまして、情報提供ネットワークシステムについてお伺いします。
 情報連携に当たりましては、中核的なシステムとなりますこの情報提供ネットワークシステム、現在、内閣官房で開発が進められていますが、来年度からは総務省に移管されると聞いております。移管に向けた総務省の準備の状況をお伺いいたします。
時澤忠 政府参考人
 情報提供ネットワークシステムでございますが、これは各行政機関等が保有いたします国民の個人情報の情報連携の基盤となります中核的なシステムでございまして、その円滑かつ安定的な運用が極めて重要でございます。このため、総務省といたしましては、マイナンバー関連法案の審議段階から体制を整備して、受入れに向けた準備を進めているところでございます。
 具体的には、情報提供ネットワークシステムの構築主体であります内閣官房のシステム開発に係る会議等への参加はもちろんでございますが、その運用に係る諸課題の整理、検討、あるいはシステムの監視やバックアップ作業などの運用体制、あるいは拠点の整備などに係る検討を現在実施しているところでございます。また、今年からでございますが、システムに接続する関係機関の間での連絡体制の整備など、運用に当たって遵守すべきルールを策定するために関係府省が参画する会議を開催いたしまして、連携協力を密にして検討を進めているところでございます。
 平成二十九年一月からの情報ネットワークシステムが運用開始がされるわけでございますので、総務省といたしましては、引き続き、円滑かつ安定的な運用に必要な人員体制、あるいは運用拠点の整備を含めまして、必要な準備を進めていきたいと考えております。
■松下新平■
 本日は総務省関係ということで、二之湯副大臣、そして時澤審議官に御答弁をいただきました。これまでも、随時、自治体と連携を取りながら進めていただいておりますけれども、さらに、もう五か月に迫っておりますので、着実な、そしてまた、住基ネットの反省を踏まえて取り組んでいただきたいというふうに考えております。
 それでは、山口大臣、お待たせいたしました。今日は総務省の関係に絞っての質疑でしたけれども、この質疑を踏まえて、山口大臣の御決意をお願いしたいと思います。
山口俊一 国務大臣
 先ほど来、このマイナンバー制度と地方公共団体の連携といいますか関係といいますか、いろいろ御議論も拝聴させていただきました。
 このマイナンバー制度、これを円滑に導入をしてしっかりと運用していくに当たっては、やはり地方公共団体の協力が不可欠であるというふうなことも改めて感じ入ったところでございますが、また、このマイナンバー制度、この利便性を住民の皆さん方に実感をしていただいて、制度を定着、発展をさせていくというふうな観点からも、この個人番号カードとか、マイナポータル、これを積極的に是非とも利活用をしていただくことが重要であろうと考えておるところでございます。
 先ほど来の御議論にもありましたように、地方公共団体とはしっかりと連携をして、引き続き、制度の円滑な導入、あるいは定着、さらには利活用の拡大に向けて取り組んでまいりたいと思っておるところでございます。
■松下新平■
 ありがとうございます。
 冒頭に申し上げましたけれども、いろんな指標が出ておりますが、これ、オリパラ以降の成長戦略として大変期待できる分野でもありますし、長年日本が苦しんでまいりました財政再建、コストの縮減によって、このマイナンバー制度をうまく活用することによって財政再建にも大きな手だてとなると思いますし、また、医療費の拡大の抑制、適正化についても、このマイナンバー制度を広く活用することによって実現していくというふうに確信しております。
 先進国では、このマイナンバー制度、完全に活用しているところはまだないわけであります。様々な問題があることは承知しておりますけれども、是非利活用の方に重きを置いて、もちろん個人情報、守るべきところは守っての話ですけれども、このことを成し遂げることによって、先進国の中でも優位に立つチャンスでもありますから、是非推し進めていただきたいというふうに思います。
 本日は、予定しておりました質問に対して的確な答弁をいただきましたので、ちょっと早いんですけれども、これで終わりたいと思います。
 ありがとうございました。