参議院内閣委員会−

個人情報の保護に関する法律及び行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する
法律の一部を改正する法律案(マイナンバー)質問 (2)
平成27年6月4日(木)
<答弁者>
総務大臣官房審議官  時澤 忠
国務大臣 山口俊一
■松下新平■
 自民党の松下新平です。おはようございます。
 冒頭に、この度、鹿児島県口永良部島で噴火が発生いたしまして、被災された皆様にお見舞いを申し上げます。
 島民百十八名を含む噴火当時の滞在者が百三十七名ということでしたけれども、迅速な避難によって人的な被害を最小限に食いとどめたということでありました。関係各位のこの対応に対して敬意と感謝を申し上げたいと思います。
 噴火災害は火山ガスの発生等によって長期化するという傾向にございますけれども、避難された島民の方がこの島を無人島にしてはならないと強い決意を持たれているというお話を聞いて、感銘を受けました。
 政府におかれましても、被災者のケアは当然ですけれども、国の領土を守るという観点からもきめ細やかな対応をお願いしたいというふうに思います。
 それでは、議題につきまして質問をさせていただきます。
 私は、先週の火曜日に登壇をいたしました。その後、この委員会、先週の木曜日にも質疑をされました。そして、今週の火曜日には、午前中に財金の方と合同審査も行いまして、午後は参考人質疑を行いました。そして、本日の質疑であります。丁寧に審議をされていたというふうに与党として自負しております。
 一昨日の参考人の方々からは、見切り発車は慎重に行うべきだということを節々に言われました。このことは重く受け止めてまいりたいというふうに考えております。
 私の前回の登壇では、マイナンバー制度の導入に伴う個人番号カード普及のための活動状況や、地方公共団体のシステム面における準備状況等、総論の質問に対する答弁をいただきました。今回は、前回の内容をより深掘りする形で、それぞれの個別の論点についてもう少し細かくただしてまいりたいと思います。御答弁は総務省の時澤審議官にお願いしたいと思います。最後には、山口大臣から、これまでの質疑を踏まえた改めて御決意をお伺いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 前回、個人番号カードの普及に向けた方策としまして、地方公共団体におけるICチップの空き領域の活用や、コンビニ交付サービスの利用について答弁をいただきました。個人番号カード普及のためには、コンビニ交付や多目的利用等によるメリットの創出や、住民、事業者への周知広報等、市区町村の役割が大きいものと認識しております。
 総務省としましても、市区町村へ積極的な利活用を促進するなどして連携するということが必要だと思いますが、市区町村に対してどのような取組を行っているのか、お伺いしたいと思います。
時澤忠 政府参考人
 お答えをいたします。
 番号制度の中におきまして市町村の果たす役割は非常に重要なものと認識しております。
 個人番号カードは、住基カードと同様に、コンビニ等での各種証明書の取得や、印鑑登録、図書館サービス等の市区町村独自のサービスに利用が可能でございます。そのメリットの創出につきまして市区町村に積極的な検討を期待しているところでございます。
 また、マイナンバー制度の趣旨や意義と併せまして、今申し上げました番号カードの利便性につきましてきめ細やかに普及広報を行うことが重要と考えておりまして、政府としても普及啓発を実施しているところでございますが、市区町村に対しましても、マイナンバー制度や個人番号カードに関する住民からの問合せに対応いただくとともに、住民あるいは事業者等への周知広報を幅広く展開していただくよう要請をしているところでございます。
 また、現在、関係省庁とともに全都道府県を回っておりまして、市町村にも参加をいただいて説明会を開催しております。市町村に対しまして、個人番号カードへの付加サービスの掲載、あるいはマイナンバー制度、個人番号カードに対します幅広い周知広報を改めて要請をしているところでございまして、引き続き地方公共団体とともにきめ細かく普及啓発に努めていきたいと考えております。
■松下新平■
 個人番号カード、この普及、一人でも多くの方が取得していただくことが大切だというふうに私も認識しております。このカードを取得しやすい環境を整えることが大事でありまして、その申請、交付の方法につきましては様々なニーズがあると考えられます。総務省としてはこれにしっかり応えていただきたいと思います。
 そこで、個人番号カードの普及促進策として多様な交付方法を検討していると伺っておりますが、状況を教えてください。
時澤忠 政府参考人
 個人番号カードにつきましては、マイナンバーの通知とともに郵送されます申請書がございます。この個人番号カード交付申請書を返信していただくことによって申請をしていただく、その後、市区町村の窓口に来庁していただき、本人確認の上、交付をするといういわゆる交付時来庁方式といっておりますけれども、これを想定しているところでございます。
 一方、一部の自治体から、個人番号カードの普及促進策といたしまして、多様な方法でカードを交付できるような具体的な要望をいただいております。現在、その実現に向けて検討を行っているところでございます。
 具体的には、先ほど申しました交付時に来庁していただく方法に加えまして、個人番号カードの申請時に市区町村の窓口に来庁いただきまして、その際に本人確認をする、その後、本人限定受取郵便等によって本人に交付するという申請時来庁方式ということも検討しております。
 また、勤務先の企業等におきまして個人番号カードの交付申請を取りまとめていただきまして、交付時に本人に市区町村の窓口に来庁していただき、本人確認の上、交付をする方式、あるいはそれに加えまして、勤務先の企業等に市区町村の職員が出向きまして、一括してカードの交付申請を受け付けまして、併せてその際に本人確認も行うことで本人限定受取郵便等により本人に交付する方式も検討しております。
 また、さらに、住所地に住民票を残したまま他の市区町村に居所を移しておられます東日本大震災の被災者あるいはDV等の被害者の方、これにつきましては、事前に登録をしていただきまして、居所の市区町村窓口で個人番号カードの交付申請を行っていただき、本人確認をした上で住所地の市区町村から本人に本人限定受取郵便等により交付する方式、こういったことを現在検討しておりまして、関係する法令の整備とともに、なるべく早い時点でこういったことも周知をしていきたいと思っておりまして、多様な交付方法で個人番号カードの普及啓発ということにも資するように今検討しているところでございます。
■松下新平■
 御答弁いただいたとおり、個人番号カードの普及には、市区町村の取組、この充実が必要であります。さらに、このカード自体に是非取得したいと思わせる魅力的な機能が搭載されていることがまたこれも重要であります。現在、住基カードをお持ちの方が利用できるサービスは引き続き利用可能にすべきであると考えております。
 個人番号カードに新たに搭載される機能についてお伺いします。また、住基カードで従来使えていたサービスは個人番号カードで利用できるのか、確認したいと思います。
時澤忠 政府参考人
 個人番号カードの機能でございますが、これまで住基カードにおきましては主にe―Tax等の電子証明に使用する公的個人認証サービスによります署名用電子証明書が有料で掲載可能となっておりましたけれども、個人番号カードにおきましては、この署名用電子証明書と、主にマイナポータルのログインでありますとかコンビニ交付に利用されます利用者証明用電子証明書、これが標準的に無料で搭載されることになっております。
 また、個人番号につきましては、マイナンバー制度導入後に社会保障分野や税分野で提示が求められることとなりまして、行政機関のみならず一般の事業所の電算システムにも入力されることとなりますので、個人番号カードを使用しまして、暗証番号等入力の上、チップに入っております個人番号や本人確認情報をテキストデータとして読み取ることによりまして個人番号を扱う事務を正確かつ迅速に行うことができるようになるという機能もございます。さらに、個人番号カードにおきましても、ICチップの空き領域がございますので、これが都道府県あるいは国の機関等においても利用が可能になるものでございますので、そういったものを活用していただきたいと思っております。
 お尋ねのありました住基カードとの引継ぎ等でございますが、住基カードにおきまして多目的利用を行っておりました市町村におきましては、個人番号カードの交付時にICチップの空き領域に住基カードと同じアプリを書き込むということによりまして、従前使っていただいておりました住基カード時のサービス、これも個人番号カードにも引き継いで使っていただけるということになるものでございます。
■松下新平■
 今般、年金機構において個人情報が流出した問題が起きました。この委員会でも取り上げられてまいりましたけれども、マイナンバー制度において同じように国民の個人情報を扱うことになります。そのセキュリティー対策については当然万全を期す必要がございます。個人番号カードも多くの国民が所持し、広く使われることになるために、セキュリティー対策、しっかりと行うことが重要であります。
 具体的にどのような対策を講じることとしているか、伺います。
時澤忠 政府参考人
 個人番号カードのセキュリティー対策でございますけれども、この個人番号カードにつきましては十分なセキュリティー対策を講じることが必要と考えております。
 まず、カードのICチップ内には、券面に記載されている事項のほかに、公的個人認証に係ります電子証明書そして住民票コード等が記録されておりまして、地方税の関係情報でありますとか年金給付関係情報など、プライバシー性の高い個人情報本体はこのカードのICチップ内には記録されておりません。
 その上で、カード内に内蔵されますICチップでございますが、そのICチップ内にも公的個人認証でありますとか様々なアプリケーションが搭載されます。そのアプリケーションごとに異なる暗証番号を設定をしていただきまして情報を保護する対策を講じておりますし、暗証番号の入力を一定回数以上間違えますとカードがロックされるというようなセキュリティー対策を講じておるところでございます。
 さらに、カード自体のセキュリティーにつきまして、セキュリティー機能評価の国際基準となる認証も取得することとしているところでございまして、セキュリティー対策を十分講じているということにつきまして、地方公共団体とも協力しながら、カードの利便性と併せて広く国民の方々にも周知をしてまいりたいと考えております。
■松下新平■
 あわせて、住基ネットのセキュリティーについても伺いたいと思います。このマイナンバー制度を支える役割を果たすという答弁がありましたけれども、この住基ネットについて、同様にセキュリティー対策の確保が重要でありますけれども、その対策は十分でしょうか。
時澤忠 政府参考人
 住民基本台帳ネットワークシステムにつきましては、個人情報保護、セキュリティー確保のための措置を十分に講じておりまして、平成十四年八月以来、外部からの侵入などの重大な事故もなく、安定的に稼働しているところでございます。
 具体的には、住民票コードを含みます本人確認情報の提供を行います行政機関の範囲や利用目的を限定している、あるいはファイアウオールによります通信制御によりまして外部からの侵入防止、そして内部の不正利用の防止、こういった措置も講じておりますし、外部の監査法人によりますシステム運営監査、こういったものも行っているところでございます。
 番号制度開始後におきましては、本人確認情報に個人番号が追加されまして、個人情報保護、セキュリティー確保につきましてはますます重要なものになると考えているところでございます。
 先般の日本年金機構の個人情報流出の件を受けまして、総務省では、住民基本台帳ネットワークシステムを運用いたします地方公共団体情報システム機構に対しまして、改めましてセキュリティー対策や個人情報保護措置を確実に実施し、信頼を確保するよう指示したところでございます。
 引き続き、関係省庁、地方公共団体、関係機関と連携を図りながら、マイナンバー制度の円滑な導入に向けまして、住民基本台帳ネットワークシステムの安定的な稼働に万全を期してまいりたいと考えております。
■松下新平■
 次に、番号制度の導入によって、社会保障、税関係の行政手続において申請に添付します書類が削減できるなど、国民の手間が大きく省けることになります。
 行政内部におきましても、従来からの個人情報の内部照会手続等が緩和され、行政職員の働き方を大きく変える業務改革にもつながります。言わば、国民、行政、双方にとって大きなメリットをもたらすものであると考えますが、この環境の実現に当たっては、世帯情報や税務情報の提供など、地方公共団体が担う役割がとても大きいわけでございます。
 そこで、地方公共団体が行う住基、税務など関係システム整備につきまして、番号制度の円滑な施行に準備を間に合わせる必要があると考えます。これに対する総務省の支援の状況について改めて確認いたします。
時澤忠 政府参考人
 個人番号の付番や国と地方公共団体間での情報連携の開始など、番号制度の施行を控えまして、現在、各地方公共団体では、住民基本台帳ネットワークシステム、税務システム、中間サーバー等の関係システムの整備、改修の準備を進めていただいているところでございます。
 総務省におきましては、地方公共団体におきますこうしたシステムの整備、改修が制度の施行に間に合いますよう、まず所要の経費につきまして国庫補助による支援を行っておりまして、二十六年度、二十七年度の二か年で総額約八百四十一億円を措置しているところでございます。
 また、中間サーバーのうちハードウエアにつきましては、これは地方公共団体情報システム機構がその拠点を全国二か所に集約整備を進めているところでございますが、ソフトウエアにつきましては地方公共団体において共通的に整備が必要でございますので、これにつきましては総務省で一括開発を進めているところでございます。
 さらに、地方公共団体がシステム改修を進めていく上に際しまして、様々な疑問点、問題点が生じることが想定されるところでございます。そのために、国と地方公共団体の間で情報共有を図るサイトがございます。そのサイトを通じまして、よくある技術的な問合せに対します回答でありますとか、地方の優良事例の紹介、こういったことを行っておりますし、さらにサポートデスクを開設をしておりまして、地方公共団体のシステム整備に係ります技術的な問合せに対応できるような体制も整備しております。
 あわせまして、先ほども申し上げましたが、四十七都道府県に現在職員を派遣いたしまして、全市町村参加の下の説明会を開催するなど、複数のチャンネルを用意して支援をしているところでございます。
 引き続き、地方公共団体の一つ一つに行き渡るようなきめ細やかな支援に努めまして、制度の円滑な施行に向けて準備を進めてまいりたいと考えております。
■松下新平■
 ありがとうございました。
 今回は深掘りということで、総務省の時澤審議官の方に答弁をいただきまして、ありがとうございます。
 これまで審議をされました。そして、くしくもこの委員会審議中に年金機構の個人情報流出問題が発生いたしました。この審議にも大きな影響を与えるわけであります。とりわけ国民の皆様には不安を与えたということに対して、大変遺憾でございます。
 最後に、大臣に、これらの審議、そしてこの流出問題を踏まえて、改めて決意をお伺いしたいと思います。
山口俊一 国務大臣
 先ほど来、総務省の方からも答弁がございましたように、いろいろと鋭意準備を進めていっておるわけでありますが、そういったさなかでの先般の年金機構のああいうふうな情報漏えいということで、大変遺憾に思うと同時に、ある意味で、こういう事例が起こりました、そういったことを踏まえて、やはりこれからのいわゆるマイナンバー制度のシステムについてもしっかりとセキュリティーを確保するようにというふうなことで、今回のことも踏まえて対応していきたいと思っておりますが。
 同時に、先ほど来、先生の方からお話がありましたように、この個人番号カード、これにつきましては官民様々な用途で活用できる可能性を秘めておるというふうなことでございまして、その利活用を順次拡大をし、普及を図っていくということが大変重要であろうと考えております。この官民の各種機能の個人番号カードへの集約化、あるいは個人番号カードが国民の皆様方にとって大変利便性が高くて、どうしても取得をしたいと思っていただけるように、しっかりやっていく必要があろうかと思っております。
 私も、先般、連休中にエストニアの方にお邪魔をして、ここはいわゆるこういうマイナンバー制度、非常に利活用が進んでおるわけですが、やはり定着をするまでに五年、六年掛かったというふうな話で、その都度どういうふうなインセンティブを国民の皆さん方に御理解をいただくか、大変苦労したというふうな話もございました。
 そういったことも踏まえて、しっかりと取り組んでいきたいと思いますが、重ねて申し上げますが、同時に、やはり国民の皆さん方のこのシステムに対する御理解、安心感、これを持っていただくというふうなことも大変大事でありますので、このセキュリティーに関しても万全の措置を講じながら進めてまいりたいと思っておるところでございます。
■松下新平■
 ありがとうございました。
 エストニアにも行かれたということですけれども、日本は規模がちょっと違いますけれども、大いに参考にすべきだというふうに思います。
 私は、最初から申し上げているとおり、このマイナンバー制度というのは元来国民の権利を守るための制度だということを強く訴えてまいりましたので、まだまだ理解が得られていない部分もありますが、周知の方をよろしくお願いしたいと思います。
 そして、東京オリンピック・パラリンピックに向けてインフラを始めいろんなものに投資がなされていきますが、二〇二〇年以降に花咲く社会資本投資は、私はマイナンバーだというふうに思います。成長戦略、そして財政再建、医療費の適正化等につながってまいります。日本が先進国で完全に優位に立つチャンスだと思いますので、しっかり周知してまいりたいと思います。
 以上で質問を終わります。