参議院農林水産委員会−

畜産物等の価格安定等に関する件
平成22年2月19日(金)
■松下 新平■

  自由民主党・改革クラブの松下新平です。
  赤松大臣には、臨時国会に引き続きまして質問をさせていただきます。
  冒頭に、前回も指摘をいたしましたけれども、来年度の予算で農道基盤整備事業が大幅に削減されています。現場では大変不安の声が寄せられております。赤松大臣は、今回の戸別所得補償制度導入に当たって、今まで減反に反対された方が今回参加されるんだと胸を張られますけれども、私の地元では、むしろ今まで生産調整に協力されてきた方が多いわけです。ですから、今回のこの戸別所得補償制度、今日の農業新聞でも財源のことが指摘されておりますけれども、今後の日本の農政、財源も含めて大変心配をされている声を是非踏まえて質問をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
  本日の議題であります畜産・酪農政策価格と関連対策の質問をさせていただきます。提案型にさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
  まず、繁殖牛経営、肥育牛経営の今後の見通しについてお伺いしたいと思います。
  いろいろな施策を組むに当たって現状の認識を共有したいというふうに思っております。指摘されておりますけれども、私は具体的な数字を披瀝したいと思います。平成二十年の一経営体当たりの農業所得を見ますと、繁殖牛経営は前年比四四%減の百六万円、肥育牛経営は前年度比六九%減の百六十六万円でした。飼料価格の高騰、高止まりと食肉価格の低下が経営を圧迫しております。
  そこで、今後の飼料価格や食肉価格の見通し、肉用牛の経営動向についてどのような見通しを持っておられるのか、お伺いいたします。

■舟山 康江 大臣政務官■
  最近の肉用子牛価格についてですけれども、直近の平成二十一年度の第三・四半期において黒毛和種で三十六万五千円と、そういう水準になっております。今後の景気の状況ですとか枝肉価格の水準について見通すことはなかなか難しい状況ではありますけれども、非常に今厳しい状況にあると、そういう認識は我々も共有しているところであります。
  そういう中におきまして、やはり肉用牛繁殖、今肥育の話もありましたけれども、やっぱり経営安定をしっかりと図っていき、再生産を確保できるようなそういうお手伝いをしなければいけないと思っておりまして、そういう中で様々な、肉用子牛であれば補給金制度のその保証基準価格、あとは上乗せのいろいろな制度がありますけれども、そういった制度を今後どう統合し分かりやすいものにしていくのか、どのような水準が適切なのか、しっかりとそこを見極めて、現場の声を踏まえた新しい対策をしっかりと検討していく、構築していくと、そういう方向でありますので、是非御理解いただきたいと思います。
■松下新平■

  私は現状の認識をお伺いしたんですね。冒頭に申し上げたように、まず施策を組む前には現状の認識の把握、それが欠かせないわけですので、その認識では甘いということを指摘して次の質問に行きたいと思います。
  肉用牛、肉用子牛対策についてお伺いいたしたいと思います。これ、衆議院でも私、傍聴してまいりましたけれども、この肉用子牛生産者補給金制度、そして子牛生産拡大奨励事業、もう一つ肉用子牛資質向上緊急支援事業、これについては、これまで工夫されてこういった事業を組まれたわけですけれども、やはり分かりにくいという生産者の現場からの声、これにしっかりこたえていく必要があろうと思います。もちろん、法律のマターでございますので、二十三日の価格決定の後に直ちに法改正も着手していただきたいと思いますし、分かりやすく実効性のあるものにしていただきたいと思います。
  重複いたしますけれども、これについて御答弁をお願いいたしたいと思います。

■舟山 康江 大臣政務官■
  肉用子牛の対策につきましては、御指摘のとおり三段階に分かれているという今現状があります。一番ベースの部分というのは、これは法律、肉用子牛生産安定等特別措置法という法律に基づいて決められた制度ですけれども、その上に子牛生産拡大奨励事業、それから肉用子牛資質向上緊急支援事業と、本当に、御指摘のとおり、現場でも非常に分かりにくいと、何とか統合できないかという声をたくさんいただいております。
  ただ一方で、法律に基づく支援というのは、これは法改正も伴いますので、まずそこはベースの部分として残すにしても、その上の二段の部分について何とか分かりやすくできないかと、そういう方向で検討をさせていただきたいと思っておりまして、この支援水準についても、やはりその現場の声を踏まえて、一本の中で何とか分かりやすい形と支援水準を実現していきたいと、そんなことでございますので、是非御理解いただきたいと思います。
■松下新平■

  次に、肥育牛対策についてお伺いしたいと思います。
  マル緊、補完マル緊、先ほど質問がございましたけれども、この継続については私からも強く要請をしたいと思います。
  また、この一本化につきましても検討に着手されたという記事を拝見いたしました。負担金が増えるということは本末転倒ですので、そこら辺も留意していただきたいと思います。
  さらに、民主党は畜産酪農業に戸別所得補償制度を導入することを表明されていらっしゃいます。先ほど大臣もおっしゃいました。二十二年度実施の米の戸別所得補償モデル事業では生産者に積立金を求めておりません。マル緊の継続、見直しを行う際には、戸別所得補償のように生産者積立金をなくすべきではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

■郡司 彰 副大臣■
  マル緊そして補完マル緊を継続をしてくれという話、そして、その考え方の上に立ってだということに理解をすればいいんでしょうか、新しい制度の検討をする場合にはと、こういうような御指摘をいただいたというふうに思っております。
  御存じのように、今年が事業の終期でございますから、それなりの見直し、検討というものをいたしていくということについては、これまでにもそれぞれ意見の交換、それぞれをしていただいたところだというふうに思っております。
  その上で、民主党の方の考え方でやっている今年の米のモデル事業のことも含めて、生産者の負担をというようなお話がございました。ここのところは、今現在、確かにマル緊、補完マル緊というのもセーフティーネットあるいは所得補償的な意味合いが濃いものというふうに私どもも理解をしています。しかし、これ保険かあるいは基金かあるいは制度かというようなことになりますれば、この部分は一定程度基金という形の中での今運用をしている形でありまして、そこのところの制度の見直しということを前提に私どもとしては検討をさせていただいていかなければいけないんだろうというふうに思っております。
  その中で、負担金といいますか、払うものについてどういうふうなということのお話もございまして、つまるところどのようなことを目指しているのかということがちょっと分かりづらかったこともあるんでありますけれども、何倍の返しがあることなんだと、こういうようなところが一番生産者の方々にとっては関心が出てくるんだろうというふうに思っております。
  今現在の、昨年度等のものを見ますと、十一万何がしというような金額がございました。それに対して自己の比率がどういうふうになればということの逆算ということも出てまいりましょうし、事情の中では、高いときのものがこれから出てくるとか、これから一年間にとっては相当程度事情の変化が来すんだろうというふうに思っておりまして、制度全体の見直しとその辺の負担割合の金額的な問題と、いろいろな条件をかみ合わせながら慎重に検討をしてまいりたい、そのように思っているところでございます。
■松下新平■

  通告をしておったんですけれども、ちょっと分かりにくかったんで、また次の機会にまた詰めていただきたいと思います。
  次に、畜産物価格対策の財源についてお伺いしたいと思います。
  いわゆる牛肉等関税収入は二十二年度予算では六百九十億円が見込まれています。二十年度の決算額ですけれども、八百六十九億円。二十一年度の補正後の予算額は七百二十億円。これに比べても大きく減っております。牛肉等関税収入が減少した理由はどういった理由なんでしょうか。これは一時的なものなんでしょうか。それとも、これからも続くと見込まれているんでしょうか。お答えください。

■郡司 彰 副大臣■
  非常に難しい予測のところもあろうかというふうに思っております。
  短い期間で見ますと、BSEの影響があったときもございましたし、それから長期的に見ると、ここのところは景気低迷によって需要がだんだん下がってきていると、こういうようなところもあろうかというふうに思っております。
  いずれにしましても、最大のときには一千五百億程度あったわけでありますから、半減ないしは見通しについては半減以下というような厳しい状況の中で私どもはこれからの対策を立てていかなければいけないんだろうというふうに思っております。
  そのような中で、二十二年度の関連対策、御心配をいただいておりますけれども、牛肉等関税財源に由来する国からの交付金は、一応今のところ、五百六億円のほか、独法であります農畜産業振興機構の保有資金、あるいは団体からの返還金などを活用をして必要な対策を立てていこう、そのように考えているところでございます。
■松下新平■

  千五百億円あったこの収入が半減ということで、これがこの財源を当てにした肉用牛対策に影響を及ぼさないかという懸念がありますので、これもしっかり一般会計も含めて十分な財源を手当てするという決意もいただきたいんですけれども、いかがでしょうか。

■郡司 彰 副大臣■
  もちろん、今いただいた決意ということでございますれば、二十二年度についてはしかるべく対策がきちんと行えるというような予算の措置をしているところでございます。さらに、次年度以降の問題については、行政刷新会議その他の動きを見定めながら、しかし、財源の問題をそこのところでもってゆだねるのではなくて、私どもの政策の思いとして間違いなくしっかりと対策を行っていくということについては大臣からの指示もございますので、しっかりとやっていきたいというふうに思っております。
■松下新平■
  是非よろしくお願いいたします。
  次に、牛肉の輸出促進策についてお伺いいたします。
  近年、国産牛肉の外国への輸出が伸びております。大変喜ばしいことだと思います。日本の農業の技術力の輸出も含めて大きな期待が寄せられているところですけれども、輸出先国は米国、香港、カナダ等ございますけれども、特に平成十九年に香港で輸入解禁となったことが大変大きな話題でございました。
  中国、平成十三年に我が国でBSEが発生したことから我が国からの牛肉輸入を認めておりません。この中国の市場、大変魅力的でございます。中国の方が日本に来られて、日本の和牛の肉の評判を高いと評価もいただいているわけですけれども、この中国の経済成長によって和牛の高級牛を買うことのできる所得の高い層、富裕層、その方に対して、二十か月齢以下の牛に限るなどの措置を行うことによって中国側に受け入れてもらう余地はないのか。これからの中国への輸出に取り組む姿勢についてお伺いしたいと思います。
■郡司 彰 副大臣■
  大変重要な御指摘だろうというふうに思っております。
  ただ、残念ながら、昨年は全体では輸出そのものの総体は減りました。その中で、牛肉についてはほとんど同じ水準で歩留まったということで、期待が高いんだろうというふうに思っておりまして、これから中国が富裕層ということを考えても大きな市場になるだろう、そのことは私どもとしても重要に考えているところでございます。
  そして、先ほど委員からございましたように、BSE発生以降のところでもって、個々の中国の方々は日本の牛肉を食べたい、国としてはなかなか厳しいような門戸の閉ざし方をしているというようなことがございます。
  私ども、十六年以降、日本産牛肉の輸出解禁要請を行っておりまして、改めてその衛生条件などを検討をさせていただいているところでございます。そして、改めてまた今後とも中国に対して早期の輸出ができますようにというような要請を行っていくつもりでございまして、私どもとしても最大限そこのところは重要に考えていきたいと思っております。
■松下新平■

  続きまして、配合飼料価格安定制度についてなんですけれども、時間の関係でちょっと省略させていただきたいと思います。これについてはしっかり維持をしていただきたいと思います。
  次のエコフィードの促進につきましても、ちょっと時間の関係で割愛したいと思います。
  次の食鳥産業の経営安定対策についてお伺いしたいと思います。
  我が国におきまして国産食肉の年間一人当たりの消費量、これはブロイラーは八・一キロ、八・一キロですね。豚肉が六・九キロ、牛肉が二・八キロでございます。ブロイラーは牛肉の三倍強の消費量を計算されております。鶏肉は国民にとって極めて重要なたんぱく質供給源となっております。
  一方で、グローバル化が進行している中で、この低関税、ノーセーフガードで加熱調製品も含め年々増加傾向にございます。牛肉、豚肉、鶏卵と比較して価格安定制度もなく、輸入攻勢には非常にもろい一面を有しておる実態がございます。
  そこで、国産食鳥産業の安定した成長のために、業界のいろいろな問題もございますけれども、価格安定制度等の経営安定対策が不可欠でございますが、いかがでしょうか。

■舟山 康江 大臣政務官■
  畜産につきましては、畜種ごとに需給や価格の状況、生産者の経営状況に差があるために、それぞれ畜種ごとに対策を講じていると、そういう現状があります。そのような中におきまして、食鳥ですね、ブロイラー生産を中心としたこの鳥肉については、生産サイクルが畜産物の中では非常に短いというような状況がありまして、これは大体おおよそふ化から出荷まで五十日程度ですね、そんなような状況がありまして、需給事情の変化への対応がほかの畜種に比べて非常に容易だということがあります、一点。
  それから、ほかの豚、牛につきましては個人経営が多い中で、この食鳥につきましては大手商社によります生産から販売までのいわゆるインテグレーションですね、垂直統合がかなり進展しておりまして、かなりの比率を占めているという状況であります。そういった中で、グループ全体としての需給調整、影響緩和の取組が比較的容易であるということ、そういったことから需要に即した生産を行うことで経営安定を図って、現状も図っていただいておりますし、それが基本なのかなと、そんなふうに思っております。
  そういう中で、御指摘のとおりこれといったいわゆる経営安定対策というのが講じられていないわけなんですけれども、一方で、えさとなりますこの飼料、えさにつきましては、やはり価格変動による影響を緩和するための配合飼料価格安定制度において食鳥分野には非常に多額の補てん金が出ております。かなり、先ほど申しましたとおり、大きな規模で経営をしておりますので、これ一戸当たり平均で見ますと四千八百五十四万円出ていると、非常に多額の支援がなされておりまして、そういった意味でこれがかなりここの分野には有効に働いているのかなと思っておりまして、こういった配合飼料価格安定制度なども活用いただいて、より経営の安定に御努力いただける仕組みになっているんではないかと、そんなふうに思っております。
■松下新平■

  その点についてはこれからまた議論を深めてまいりたいと思います。
  今日は内閣府から泉健太政務官もお越しくださいまして、ありがとうございます。
  最後の質問になりますけれども、よろしくお願いしたいと思います。
  原産地、原産国の表示についてなんですけれども、泉政務官も議論を聞いていただいておりますけれども、大変厳しい実態の中で、消費拡大ですね、牛肉、豚肉、ブロイラー、そういった消費拡大をしていく中で、この原産地、この表示が大きなポイントになろうかと思っております。
  これまでもいろいろ取組がなされておりますけれども、私自身は、更に踏み込んで、消費の約七割を占める外食及び業務用加工品までこの範囲を拡大すべきだと考えております。
  昨年、私も消費者問題特別委員会に所属いたしまして、消費者の様々な意見、特に食品に関しましては、安全、安心に関しまして意識も高いですし、そういった要求もあるわけでありますから、この原産地の表示について踏み込んで政府としても取り組んでいただきたいと思っておりますが、いかがでしょうか。

■泉 健太 大臣政務官■
  松下委員におかれましては、本当に消費者問題に対しても大変高い関心をお持ちいただいて、本当にありがとうございます。
  今日も質問の中で、私もブロイラーが牛の三倍の消費ということで大変驚きました。それぐらいに多くの消費がされているということを再確認いたしましたけれども、まさに今お話しいただいた原産地表示につきましては、やはり基本的な考え方としては委員おっしゃるとおりだというふうに思っております。
  特に、やはり方向性として、ブランドを隠すのではなくて、やはりブランドを明らかにしていくことが多くのまた生産地を育てていくことにもなろうかと、またそういう努力をしていかなくてはいけないというふうに考えておりますし、特に外食におきましては、やはり近年、家庭の中での食事よりも外食が非常に伸びているということから考えても、スーパーで売っているものについては表示があるのにもかかわらず、外食に行けばその表示はよく分からない、伝わってこないということがあろうかと思います。これまでも一貫してこの加工食品の原料原産地表示というものは拡大をしてきておりますけれども、外食の産業におきましても、例えばメニューにどのように記載ができるかということも含めて、前向きにこれはやらせていただきたいというふうに考えております。
  今後については、今、各事業者ですとか消費者ですとか様々な立場の方々から御意見をいただいて、その皆様からの意見を踏まえて、消費者庁が消費者委員会の方からも意見をいただいた上で決定をしていくわけですけれども、近々の話でいいますと、そう遅くない時期に先ほど言いました消費者や事業者の方々にお集まりをいただいて御意見をいただくような機会というものもつくっていきたいと。恐らくその中で外食のことの御提言も出ようかというふうに思いますので、しっかりと参考にさせていただきたいというふうに思っております。
■松下新平■

 是非、政治主導でよろしくお願いしたいと思います。
  以上で私の質問は終わりなんですけれども、先日、日比谷公会堂で全国農青協の大会がありまして、私も盟友の一人として参加しました。担い手の育成、まさに未来産業として農業、夢と希望を皆さんそれぞれ持たれていますけれども、今回の戸別所得補償制度が総体的に担い手の皆さんにこれから農業で頑張っていこうという気をそいでしまってはいけないと考えております。そういった意味で、これから引き続きこの日本の農業を背負っていく担い手の皆さんにもしっかり一緒にやっていくというメッセージも併せてこの委員会としてもやっていただきたいということを申し添えまして、私の質問を終わります。
  ありがとうございました。

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