参議院総務委員会−

東日本巨大地震・津波被災と、地方交付税法等の一部を改正する法律案に関する質問 −
平成23年3月30日(水)
■松下新平■
  おはようございます。自由民主党の松下新平です。
   この度の東日本巨大地震・津波発生から今日で二十日目となりました。しかし、いまだに被災の全容が明らかになっておりません。これが幾多の災害を乗り越え、そのたびにノウハウを蓄積してきた日本の現実の姿なのでしょうか。送られてくる被災地の惨状に愕然といたします。改めて、被災によりお亡くなりになられた方々、そして被災された皆様に、衷心より御冥福をお祈りし、お見舞いを申し上げます。そして、この時間も懸命の捜索活動や避難所のお世話等をいただいている全ての皆様に敬意と感謝を申し上げます。
 政府におかれましては、まさに戦後最大の国難に対して、覚悟を持って万全を期すよう、改めてお願い申し上げます。もちろん我が党も、この非常事態に対し、谷垣総裁がいち早く申し出ましたとおり、協力すべきは協力し、我々のできること、これまでの経験やネットワークをフルに活用し、実践してまいりました。一日も早い復旧復興を願うものでございます。
 さて、本日の議題であります地方交付税等の一部改正案については、本来、国と地方の将来の形を根本から議論する重要な法案でありますし、時間も掛けて慎重審議すべきですが、この非常事態に対して我が党も、当委員会の開催や時間等を最小限とし、被災地対策を優先、配慮することの協力をしてまいりました。理事会でも約束いただいておりますが、この事態が一定の収束を見ましたら、改めて十分時間を割いていただき、ただしてまいりたいと思います。
 昨日の参議院本会議におきまして、来年度の政府予算案は百九対百三十二の大差で直近の民意である参院で否決されました。私たちは一貫して、政府の平成二十三年度予算案と関連法案は欠陥商品であり、到底賛成できるものではないと主張し、この大惨事までは、参院においては来年度の予算審議の中で厳しくただしておりました。さらに、予算審議を、その根拠である歳入関連法案が参院に送られない中で進められるという極めておかしい政府・与党の姿勢でした。現に民主党出身の西岡参議院議長も言及されていますが、憲政史上の汚点になりましたことは極めて遺憾なことであり、この場で強く指摘をしておきます。これらに関しましても、事態が一定の収束を見ましたら、改めて十分時間を割いていただき、ただしてまいりたいと思います。
 まず、本日は、この度の大惨事に対して総務省の取組について片山大臣にお伺いいたします。
 片山大臣は、被災二日後の十三日に現場を視察され、当委員会でも報告をいただいておりますが、自らの経験も踏まえて、今回の被災は特に財政力の弱い自治体、その支援の在り方が重要だ、生業が根こそぎ被災している現状を特に強調されていらっしゃいますが、改めて、今回の大惨事に対するこれまでの総務省の取組についてお伺いいたします。
■片山善博 国務大臣■
 今次の災害は、幾つかの特徴がありますが、今おっしゃいましたように、非常に財政力が脆弱な市町村が壊滅的な被害を受けているということが一つの特徴であります。本来、災害時に被災された住民の皆さんの支援は市町村が当たることがこれは基本でありますけれども、この市町村が、庁舎の破壊はもとより、場合によっては首長である町長さんが亡くなられていたり職員の多くが被災をされているという、こんな状況でありますので、その分を包括する県が相当力を入れなければいけない、こう思いまして私は、さっき言及していただきましたように、できるだけ早く現地に行きまして、それぞれ知事さんに岩手、宮城でお会いをいたしまして、私の経験も踏まえて、県の対応というものをしっかりやっていただきたい、それに対して国もその分をちゃんと応援しますからということをまず申し上げました。
 そういう基本的な考え方の下に、総務省としてはいろんなことを間口が広いものですからやっておりまして、一つは、これ災害復旧といいますか、発生時から徐々にステージが変わりますので、そのステージに応じて変わってきてはおりますけれども、まず最初は物資の支援ということで、これは国は国として自衛隊をかなりの部隊を投入しまして物資の支援に当たりましたけれども、別途、全国知事会、全国市長会と早急に相談をいたしまして、必要な物資を知事会ルートそれから市長会ルートで送るということをやりました。実は知事会や市長会がこうやって全国的にネットワークを組んで組織的にマッチングシステムをつくったのは今回が初めてでありまして、これは知事会長それから市長会長に私は深く感謝をしているところであります。
 それから、次のステージとしては人材の派遣が必要になってまいります。これも実は知事会、市長会、町村会が協力をしていただきまして、これも総務省があっせんをする仕組みをつくったんでありますけれども、その仕組みをつくって、地方公務員がかなりの人数、被災された市町村あるいは県に派遣をしていただいております。これは、役場の機能が崩壊したときにはやはり同種の自治体の同じ経験を積んでいる職員が一番これが貴重でありまして、保健師でありますとかそういう専門職種を中心にして多くの人材派遣の要請が来ておりますので、それらを知事会、市長会、町村会を通じて派遣をしていただいております。
 あわせて、国家公務員も派遣をすることにいたしまして、総務省の職員ももう率先して何人か行っておりますけれども、これは総務省の方で国家公務員の派遣の仕組みをつくりまして、各省の協力を得ながら今始まっているところであります。
 その他、さっき言いました、県が中心になってやっていただくんですけれども、どうしてもそれは漏れがある可能性がありますので、ここにおります鈴木副大臣を始めとして政務三役が被災された沿岸部の市町村長さんに直接電話を掛けまして、これなかなか最初は電話がつながりませんでしたけれども、電話を全て掛けまして、そこで県がくみ上げてないような課題を我々として把握をして県につなぐとか、県で処理できないものは総務省も含む各省で処理をすると、こういうことも実はやってきております。
 あわせて、財政措置もこれも重要でありますので、特別交付税を既に今年度分配分したり、それから来年度の配分に向けて今準備をしていると、こんなことをやっております。
 あと総務省では通信関係が非常に重要で、通信インフラがこの度大打撃を受けておりまして、このインフラの、固定電話とか携帯電話でありますけれども、この通信インフラの復旧を急いでもらうようにNTTを始めとする関係企業には強く要請をしてきておりますし、あわせて、通信が途絶したところが、非常にこれは通信面での陸の孤島になっておりますので、ここに現地の対策本部、東副大臣などと連携をしながら衛星携帯電話を無償貸与するということも随分やっておりまして、このことによって、多くの被災地で通信がつながるようになって、災害の現状が明らかになって、必要なニーズも把握できるようになったということもありまして、これは衛星携帯電話というのは大変大きな力になったと思っております。
 あと郵政も非常に重要でありまして、現地に出向いて貯金を当面簡便に下ろせるようにするという、そういう移動、出張をして避難されている皆さんの便宜に資するようにした、そういうこともやっております。
 あと原発関連もこれは非常に深刻でありまして、原発関連は専ら経済産業省のルートでこの災害対応をすることになっておりますけれども、役場が移転を余儀なくされている、そこに対するケアがやはりこれは不十分でありましたので、これは総務省が総合的な窓口になりまして八つの役場、あるいは訪問をし、あるいは全て電話で連絡を取りまして、今どういう現状になっているのかというようなこと、それから移動した役場のところに避難しておられる住民の皆さんもかなりおられるんですけれども、そうではなくて、どこに行ったか分からないという住民の皆さんもおられて、その皆さん方がちゃんと連絡が取れるようにするための広報もしなければいけないとか、そういういろんな要請がありまして、それを各省に総務省を窓口にしてつないでおります。
 それから、最後に忘れてはならないのは原発関連で、福島第一発電所に対する放水でありまして、これは東京消防庁を始め全国の大都市の消防機関が協力をしていただいておりますけれども、東京消防庁には菅総理自ら石原都知事に電話で要請をされまして、これは国の機関ではありませんので要請ということになりますけれども、要請をされて、快く東京消防庁は応じていただきましたが、それに続く大阪市消防局、それから横浜市消防局、川崎市消防局、それから京都市、名古屋市などには私の方から直接市長さんに要請をいたしまして、皆さん快く応じていただきまして、御承知いただいているような発電所に対する冷却のための放水活動が行われていると。
 まだまだほかにもあるんでありますけれども、ざっと概略を出しますと、こんなことを今日までやってきているところであります。
■松下新平■
 ありがとうございました。総務関係は多岐にわたるということは承知しておりますけれども、直後の対応、そして十日目、二十日、そしてこれからの対応、ニーズに合わせてきめ細やかな対応をお願いしたいと思います。
 次に、この惨事を受けまして、総務省予算や関連法案の考え方について片山大臣にお伺いしたいんですけれども、私たちは、来年度予算案に盛り込まれておりました子ども手当、戸別所得補償、高校授業料無償化、高速道路無料化等は当初から疑義を申しておりましたが、この度の大惨事を受けて、不要不急の予算案を即刻取り下げて、この震災復興の財源に充てるべきだと更に強く主張してまいりました。
 そこで、総務省関係の予算、関連法案も当然この考え方が必要だと思いますけれども、片山大臣の考えをお聞かせください。
■片山善博 国務大臣■
 これはもう総務省ばかりではなくて、各省に共通してこれまでの施策というのは総点検をしなければいけないと私は思います。生なかの災害ではありません。相当巨額の国費、地方費を投入しなければいけない事態に陥っていると、立ち至っていると思います。したがって、いろいろ議論になっております歳出面ももちろんでありますし、それから今般の提案しております税法関係にも、法人税の税率の問題もありますけれども、そういうことも含めて、これは改めて見直さなければいけないと思います。
 それはそれとして、当面これは総務省も、これも各省共通でありますけれども、既定経費などについても徹底した節減合理化を図るという、まかり間違っても、私もこれまで言ってきたんですけれども、よくかつて見られた年度末の予算の使い切りなんという悪い慣行があるとすれば、こんなものはもう平時でも吹っ切らなければいけないのに、ましていわんや今日においてをやということだと思いますけれども、そういう既定経費の徹底した節減も含めた財政運営の見直しをやらなければいけないと思います。
■松下新平■
 総点検、文字どおりしっかりやっていただきたいと思います。例示しました子ども手当等、特に不要不急のものは即刻取り下げることを改めて強く要請したいと思います。
 党といたしましては、被災地出身議員を除いて被災地入りを自粛しておりましたが、東北道も一般車両に開放されましたし、地元議員の協力が得られ、被災地に迷惑が掛からない環境が整いましたので、先週末、私は福島県に行ってまいりました。地震、津波、原発事故、風評被害の複合的な被災に見舞われております福島県に宿泊をして、丸二日間視察してまいりました。視察箇所は、須賀川市、郡山市、田村市、三春町、福島市、相馬市、南相馬市、飯舘村のそれぞれの災害対策本部、避難所、被災現場でございました。復旧が進むほかの被災地に比べて、原発事故の放射能漏れの影響で避難区域等が設定され、被災したまま手付かずの状態もございました。
 南相馬市では遺体安置所にお参りいたしました。身内が行方不明のままであったり、原発の風評被害で身元確認が滞っている現状もありました。ドライアイスも足りないという状況もございました。
 また、各地で悲痛な生の叫びをたくさんお聞きいたしました。特に、政府が自主避難と位置付けている福島第一原発から半径二十キロから三十キロ区域の皆さん、約二万人の数に上るそうですが、当初は自宅退避でした。その後の自主避難という中途半端な政府の方針に対して、避難すべきか残るべきか、夫婦、家族でも意見が分かれています。地域を裏切って自分だけ出ていってもいいのか、地域の関係も壊している現状がありました。また、自治体によっては避難区域、自主避難区域、さらに避難の受入区域でもあり、その対応に相当苦労されていました。
 たくさんの要望、意見の中で最も大切だと思いました、この場では大きく二つのことを申し上げたいと思います。一つは、一刻も早く原発の放射能漏れを止めて収束を図ること、これに全力を傾注すること、当たり前ですけれども、このことを改めて思いました。もう一つは情報です。情報が見えない、先が見えない、不安が充満しています。まず、この不安を取り除くために説明をきちんとする必要があります。きちんと、タイムリーにです。毎日原発に関して新しい事象が報道されますが、報道されて初めて知って、かえって不安が増す現状がありました。しかも、詳しい内容を聞いて答えてくれる人がいません。住民は当然知りたいわけです。沃素剤を飲むべきか否か、プルトニウムの人体への影響はどうなるのか、直接人体にかかわる深刻な問題です。
 そこでまず、原子力安全・保安院にお伺いいたします。
 与野党から早い段階で関係各自治体に保安院の職員を配置するよう要請されていると思いますが、現状はどうなっているでしょうか。
■中西宏典 政府参考人■
 お答え申し上げます。
 今般の原子力災害によりまして、いろいろと避難、退避、お願いしております地元の方々に対しまして、この場をお借りしまして一言おわびを申し上げたいと思います。
 それと、具体的に今先生の方で御指摘いただきましたけれども、やはり適切、適時な情報が必要だというふうなことを、我々もようやくここに来て、その現地における対応を進めてきてございます。
 具体的には、原子力災害現地対策本部、こちらの本部長を松下副大臣が務めておりますけれども、二十五日より現地の首長さんの方々に直接訪問いたしまして、現地での状況の取得あるいはニーズ、そういったものを聞かせていただいております。さらには、二十六日からでございますけれども、南相馬市におきまして、経済産業省原子力安全・保安院の職員を一人常駐させるというふうなことをやっております。
 さらには、とりわけ南相馬市におきましていろんな、先ほど御指摘になりましたような自主的な避難をお願いしているエリアにつきましての、いろんな物資が足りないのかどうか、あるいは自主的な避難をしたいときにどういう手だてがあるのか、避難したいときに受入先どういったものがあるのかと、そういう情報の提供を積極的にやっているというふうな形での対応を拡充しておりますし、さらには、これは放射線に関する問合せ窓口というものを福島県庁の中に我々の窓口を設けまして、二十八日現在では既に三千八百件の問合せがあるというふうなことで、適時適切な情報の提供にも努めているところでございます。
■松下新平■
 それでは不安の解消になりません。
 私も現場に参りまして、松下副大臣がずっと回っていらっしゃるのはお聞きいたしましたけれども、一週間に一回それぞれ回るのがいっぱいの現状があります。また、南相馬市には設置されたということですけれども、田村市、飯舘村も同じ状況ですので常駐をさせるべきだと思いますので、早急に検討すべく要求いたします。
 片山大臣、常駐の保安院がいないこの現状を御存じだったでしょうか。首長さんからも直接強く要請されましたけれども、大臣、置くべきではないでしょうか。
■片山善博 国務大臣■
 先ほど申しましたけれども、原発関連で役場を移転、避難している八つの自治体がありまして、そこに総務省として連絡を取ってみましたら、今議員がおっしゃったと同じような悲痛な叫びといいますか、悩みが伝わってきたものですから、それを該当の役所に強く要請をしました。
 幾つかありますけれども、一つは、やはりきちっと情報を伝えるべきだと。住民の皆さんはやはり役場にそれぞれいろんなことを相談をされるわけでありまして、まず、身近な役場がある程度の情報を知っておかなければ住民の皆さんにも何もお伝えすることはできない。役場も住民もみんなテレビで政府の記者会見だけ見ているというのでは困るわけで、役場にはちゃんとした情報が、住民の皆さんに伝えられる情報を含めて事前にちゃんと伝えるべきだということ。それから、しかるべきところにはやはり人を配置しておくべきだと。これは原因者、直接の原因者は東電でありますけれども、原因者側に立つ役所として、機関としてそれぐらいの配慮はすべきだ。
 あと、いろんな要請がありますから、これはもう総務省も聞きますけれども、経済産業省もちゃんと自分の問題としてこれに取り組むべきだということをかねて要請をしてきて、その進捗を見て更に先般厳しく私の方からも事務次官の方に指摘をしておきました。
 以上が最近の経緯であります。
■松下新平■
 地震、津波は天災かもしれませんが、原発事故は人災の様相が強いわけでございます。徹底した情報公開が急がば回れです。きめ細やかな配置を再度要求いたします。
 次に、田村市にあります電波塔についてお伺いいたします。
 この施設は日本の標準時間を扱う施設だそうですが、二十キロ以内の避難区域に入り、職員に避難指示が出ていると聞いております。現状についてお伺いいたします。
■森田高 大臣政務官■
 お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、福島県田村市にありますおおたかどや山標準電波送信所は、独立行政法人情報通信研究機構が運用しているものでございまして、主に家庭用の電波時計の時刻合わせ等に使われる標準電波を四十キロヘルツ、五十キロワットで送信しております。これは九州にございますはがね山標準電波送信所と併せましておおむね日本全域をカバーしている状況でございます。
 御指摘のとおり、この送信所が原発から十七キロの距離に位置しておりまして、三月十二日午後七時四十六分、退避命令が出たため職員が避難しまして、通常は職員が、昼間であれば四名、夜間であれば二名常駐して送信をやっておりますが、そこにおれなくなったということで送信を停止しているということでございます。
 このことによる影響でございますが、おおむね日本の西日本全域そして首都圏までは九州にありますはがね山送信所からの電波がカバーしておりますので、おおむねこの辺りまでは電波の校正に関しては大きな問題は生じておりませんが、東北地方あるいは北海道、今回の震災の被災地においてはその校正がなかなか困難であるという現状でございます。
 避難命令が、これが順次解除されていって十キロくらいになれば、十七キロでございますので、送信が再開できる状況でございますが、もしこれが長期化した場合、具体的にどうしたらいいかということを独立行政法人の方にも今検討させるようにしておりまして、例えば有人施設でありますが、できるだけ無人化に近い状態で送信できないか、そういうことも検討しているところでございます。
 そして、民生用が主ということを申し上げましたが、極めてこれは金融とかあるいは国防とかあるいは行政にかかわるプロユースの部分におきましては有線あるいはGPSからの同期が可能でございますので、主に家庭用、ただ、家庭用といいましてもいろんな民間経済活動にも使われているということも踏まえて、適切に対処していきたいと思っております。
■松下新平■
 今後は遠隔操作等も視野に入れながらしっかり対処していただきたいと思います。
 今回の事故で、この原発事故ですけれども、大きな事実が隠されていると指摘する関係者もいます。いたずらに恐怖心をあおってはいけませんが、全てを明らかにして、しかるべき国際機関の協力をお願いして、しっかり対処すべきことを再度求めておきます。
 残りの時間で、自民党の総務部会として六つの提案をまとめております。これらについて、すぐ取り組むべきもの、中長期に取り組むべきものがございますが、既に各政党またいで協議されております合同会議、実務者会議に提案されているものもありますが、順次、大臣の見解をお伺いしたいと思います。
 まず、行政機能支援特別立法の制定についてです。これは被災地などへの派遣職員への国による財政特別支援制度で、他の自治体からの職員受入れに係る経費を交付金で全額措置すべきと考えます。
 また、国、県による市町村機能の代替となる臨時行政府の設置です。住民の現状把握、徴税免除や移転届、議会活動、広報、伝達などのあらゆる事務が停滞しているわけです。職員のマンパワーで機能を復活させる以外にありません。
 さらに、避難者及び避難受入れ者に対する保障の発信です。避難受入れ申込みが全国自治体から届いています。しかし、現地までの交通費、生活保障、散在している住民との連絡網、職業のあっせんなど、県同士の連絡では限界があります。国の一元的な情報管理と発信をすべきと考えますが、いかがでしょうか。
■片山善博 国務大臣■
 幾つか御質問がありましたが、例えば他の自治体から職員を受け入れるという場合に送り出し側の財政はどうなるのかということでありますけれども、これは基本的には送り出し側の財政負担というのは国の方で何らかの措置をするということになっております。
 対応は幾つかありますけれども、例えば物資とかでありますと被災者、被災をした側の災害救助法の適用になりますので一応そこに求償する、それに対しては国費と地方財政措置で賄われると、こんなことになります。人材についても似たような仕組みになっておりまして、ほぼ対応ができるんではないかと考えております。
 それから、先ほど私申し上げましたけれども、市町村が非常に大きな打撃を受けておりまして、今回これをよほど支えなければいけないということは、これはもう共通の認識であります。その際に、その市町村に取って代わって何か特別の代替の行政執行機関をつくるのかといいますと、これは私は、今次の災害においてスピーディーに対応しなければいけない、また地元密着型、要するにある意味では過疎化が進んで高齢化が進んだような地域でありますので、地元の市町村に代替する機能を新たにつくるということは必ずしも現実的ではないと私は思います。弱ってはおりますけれども、やはり市町村を中心にそれをできるだけバックアップをするという、そういう基本的な方針の方がいいだろうと思います。
 その際に、おっしゃられたように、例えば本来ならば市町村の仕事だけれどもこれを県が代行する、場合によっては国が代行するということがあってもいいわけでありまして、この仕組みは既に基本的には整っております。あとは柔軟な運用、これが求められるわけでありまして、それについては県の方にもその旨申し上げておりますし、国の方でも柔軟なそういう便宜的な措置というものはとっていこうと思っておりまして、今でも既に始まっております。
 それから、避難の受入れとそれから避難の送り出し側とのいわゆるマッチングのシステムでありますけれども、これは先ほど申しましたように、もう既に全国知事会が中心になりまして、例えば公営住宅でありますとか、県内に、県の中にあるそれぞれの公的な受入れ可能な施設などについてはもう既に情報を集約しております。
 別途、国交省が、やはり公営住宅でありますとかそれからURの住宅でありますとか、それから国交省の中には観光庁もあるものですから、県の中の民間の旅館などの観光施設、これでも受入れ可能なものが相当ありますので、こういう仕組みがもうつくられて、もう部分的には動き始めております。
 私は、どこか新しく全国一つのヘッドクオーターをつくって、そこに避難をされたい方から全部集約をして全部一元的に配分するというやり方は、理論的には可能であっても現実的にはうまくいかないだろうと私は思っております。むしろ、それぞれのところがある程度ルートをつくって自律的にやっていく、それを国が全体を調整したり補完をしたりするというやり方の方がうまくいくんではないかと思います。
 幸い、今回本当に有り難いのは、全国知事会がいち早く、まあ総務省御相談申し上げたんですけれども、全国知事会がいち早くもう受入れの姿勢を取っていただいておりまして、東京にあります全国知事会の事務局に各県の東京事務所から相当人を集められて、物資、人材派遣、それからこの引受け、避難をされる方の引受けのシステムをつくられておりまして、これは随分大きな力を発揮すると思いますし、今現に発揮しつつあります。
 一例を申し上げますと、秋田県などは、隣県でありますから非常に切実なんだと思いますけれども、本当になるほどなと私も感心したようなことがあるんですけれども、避難を受け入れられるとこういう施設がありますよということを提供するわけです、情報提供。その際には、秋田県で避難を受け入れると、例えば一週間に一度は地元の、心配になる、被災をされた地元のところに一時帰宅といいますか、そういう便宜も計らいますとか、そんなことも含めた避難引受けとそれから情報提供も努められておりまして、私は今回、余計なことですけれども、常日ごろ知事会などに対してはかなり厳しい意見も言っていたんですけれども、この度は本当に麻生会長を筆頭にしてこの災害対応に全面的に協力していただいておりまして、感謝をしているところであります。
■松下新平■
 必要な立法とそして柔軟な運用に努めていただきたいと思います。
 次に、緊急支援基金の創設についてです。当面必要な生活支援、交通支援、医療支援、仮庁舎の維持管理費など、第一ステップとして緊急基金を被災県に創設すべきだと考えますが、いかがでしょうか。
■片山善博 国務大臣■
 阪神・淡路のときに復興基金というものをつくっておりますが、これは少しステージが後の段階になりまして、いろんな財政需要が出てきます。それに対してかなりの額の基金を積んで、それを運用しながら必要な財源に充てていくということをやられまして、これは一つの検討課題だろうと思います。
 もちろん、当時と今とで運用する場合の金利が違うので、これをどう考えるかなどという問題はありますけれども、これは一つの次のステージの問題だと思います。当面は、被災地で非常にお金が掛かります。これについてはできる限り国費を充当するというのがこれは基本的な考え方であります。
 ですから、例えば瓦れきの処理をほぼ一〇〇%といいますか、瓦れきの処理は国費の充当率を非常に高くしまして、そのアフターケアといいますか、地方費の方についても一〇〇%交付税で見るとか、こういうことをやっておったり、それから公共施設の復旧については、激甚災害で、これもできる限りその地方費を少なくするとか、そういうことを通じて被災された自治体の財政負担をできるだけ身軽にして必要なことができるようにということが基本だと思います。
 それから、そういう財政需要ではとらまえられないものがありますので、それらについては特別交付税というのがありまして、これが大きな力を発揮すると思います。基金はつくらずとも、特別交付税がある程度まとまった金額が行きますので、これで自由な財政運営ができる、必要な当面のものが賄えるということになると思います。
 かつ、この度の地方交付税法の改正案の中に特例措置の提案をしておりまして、従来、特別交付税というのは年末あるいは年度末にまとめて交付をするという仕組みでありました。したがって、今回の被災も早くて今年の十二月の交付しかできなかったんですけれども、たまたま今回の改正案の中には災害が起きたら随時に交付できるという、そういう特例制度を設ける提案をしております。これが成立をいたしますと、もう四月の中旬までには恐らくある程度まとまった金額が特別交付税の特例交付分として被災の自治体には交付できますので、これが従来とは違って大きな当面の力を発揮することになるんではないだろうかと思います。
 そういうことで、御提案の趣旨は非常によく分かるんでありますけど、緊急に急ぐ問題としては、今のような、私が御説明申し上げたようなことでカバーできるんではないかと考えております。
■松下新平■
 昨日、瓦れきの撤去、環境省が所管されていますけれども、全額国が負担すると発表されました。また、私有財産の制限等について、立法が必要な場合には検討していただきたいというふうに考えております。
 もう時間も押し迫ってまいりまして、ちょっと飛ばしますけれども、地デジ対策、この間委員会で答弁いただきましたので、しっかり、七月スタートということで、早急に調査をして必要な支援措置をお願いしたいと思います。
 最後に、地方交付税の加算についてと地方税の特例について併せて御質問したいと思います。
 平成二十三年度補正予算の編成に伴い、地方交付税を大幅に加算すべきと考えております。あわせて、税制上の特例措置に伴う税収減にかかわらず地方交付税の減額を行うべきではないと考えますが、いかがでしょうか。そして、被災地の住民、事業者等に対する地方税上の特例措置を実施すべきと考えますが、いかがでしょうか。
■片山善博 国務大臣■
 交付税の増額につきましては、先ほど申しましたように、基本的にはまず国費を当面充当する、その割合を高めるということに全力を注いでおります。その一環として、さっきお触れになった瓦れきの処理なども阪神・淡路のときよりもぐっと高い国費の率になっているという、そういうことであります。
 そうはいいましても、これも先ほど言いましたように、やはりそれぞれの個別の財政措置では賄えないものがありますからこれは特別交付税ということになりまして、これはやはり一定程度の増額が必要になると思います。まだ金額は分かりませんけれども、これは当面の、補正予算をいずれ組みますから、その中で交付税の増額措置を盛り込む必要があるだろうと思います。
 それから、既存の交付税がちゃんと確保できるのか、国税の減収などが見込めますので、これによってどうなるのかということでありますが、これは当初の地方財政計画で見込みました交付税総額は確保するように、国に対してきちっと手当てをしていただくように要請をすることになります。
 それから、税でありますけれども、被災された住民の皆さん、事業者の皆さんに対する税の必要な軽減措置というのは、これは是非やらなければいけないと思います。個別の減免でそれぞれ対応できないことはないんでありますけれども、やはりこうした広域の大幅な災害のときには一定のルールを決めて法律でもって軽減措置を講じるということが必要になりますし、そのことが被災地の自治体の財政運営に支障を生じない一つの大きな後ろ盾にもなりますので、これは早急に必要な地方税法の改正案をまとめまして国会に提案をしたいと考えているところであります。
■松下新平■
 よろしくお願いいたします。
 最後に、宮崎も、私、地元宮崎なんですけれども、この一年間、口蹄疫、鳥インフルエンザ、新燃岳の噴火と、災害が続いております。何で宮崎ばかりかと愚痴をこぼすこともありましたけれども、全国の皆さんからの声援、御支援が何よりの支えでありました。乗り越えられる勇気を与えてくださいました。
 今回の東北地方を中心とした大惨事、全国の皆様からの支えが大きな力になると思います。被災者の皆様には、月並みですけれども、夢と希望を抱いていただけるよう全国から応援してまいりましょうと呼びかけまして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。