消費者問題に関する特別委員会

− 消費者庁設置 3 法案に関して参考人質疑 −
平成21年5月7日(木)
■松下 新平■
 改革クラブの松下新平です。本日最後の質疑者となります。もうしばらくお付き合いをよろしくお願いいたします。
 皆さんにおかれましては、国民生活の最も身近な、あるときには命にかかわる問題を本当に献身的に取り組まれていることに敬意を表したいと思います。また、それぞれ、それぞれの団体の事務局長ということで、実務のかなめとして日ごろからお取組をいただいておりますが、本日はその実務の中からもう切実な問題点も数々提言をしていただきまして、大変参考になりました。ありがとうございます。
 私からは、皆さんそれぞれに時間の限りお聞きしたいと思っておりますけれども、今日議題といいますか問題提起をしていただきました消費者委員会、この事務局体制について再度皆さんの御意見をお伺いしたいというふうに思っております。
 衆議院の議論を経て、いよいよもう参議院で最後の詰めの段階であるわけですけれども、この事務局体制は、お話がありましたとおり、これをうやむやにして出発していくわけにはいきませんし、魂を入れるのは我々この特別委員会の与野党を問わず共有する意識でもあったと思いますので、私たちもこれからまた政府とのいろいろ審議の場がありますので、できたらこの参議院の特別委員会において決着をしていきたいというふうに思っておりますが、再度、この消費者委員会、そして事務局体制に対する皆さんのそれぞれの御意見をお伺いしたいと思っております。
■阿南 久 参考人■
 本当におっしゃるとおり、事務局体制をどう整備するのかということが消費者委員会の存亡にかかわっているというんですか、働き方にかかわっていることですので、是非是非そこのところははっきりしていただきたいというふうにして思っております。
  できるだけ民間から心ある人たちに来ていただいて、そしてある程度の一定の規模、ばかにされない規模というんですか、で消費者委員会を強力に推進していくと。消費者委員会には五つの部会が想定されておりますけれども、そこの事務なども担いながら、各所から情報を集めて、そこの機能、監視機能をうんと強化していく、それで支えていくというふうなことをやっていただきたいなというふうにして思っております。
■佐野 真理子 参考人■
 消費者委員会は消費者庁を監視するということで、消費者庁が持っている情報より更に上を行かないと監視というのはなかなかできないと。ということは、それなりのやっぱり事務局体制が必要だと思っています。事務局体制、一体何人かというのはやっぱりなかなか難しいことで、これからきちんとこれだけの機能に対応できる人たちをどのくらい必要なのかということを精査していかなければならないと思っています。
  消費者委員会が成功しないと、消費者庁もどうなるのか、やっぱり危ぶまれますし、消費者からの信頼が失われてしまいます。ですから、消費者委員会をいかに機能させるか。先ほどの、私たちも委員になれみたいな、事務局になれと、決意表明をしろとおっしゃいましたが、そのくらいの気持ちで、やはり成功させる、それによって消費者が安心な生活を望めるということにつながりますので、その点をじっくり考えながらいきたいと思っています。
■石戸谷豊 参考人■
 この点につきましては、超党派の合意の中でも重視されていることだと思います。附帯決議の八項で事務局についてもきちっと手当てというかされています。その具体化の問題だと思います。
 それで、一つ一つの中身が大変広範囲であるということを是非お考えいただければと思うんです。例えば、地方消費者行政への関係につきましては、設置法の附則の四項で、三年以内に、消費生活センターの法制上の位置並びに適正な配置、人数の確保、消費生活相談員の処遇の改善その他の地方公共団体の消費者政策の実施に対し国が行う支援の在り方について所要の法改正を含む全般的な検討を加え、必要な措置を講ずるとありまして、この一項目だけでも大変に広範囲なんですね。国の事務であるか自治事務であるかという点も含めて様々な議論が行われてきましたし、それと財政との関係についても大変白熱した議論がありました。
 それで、各地にどういう配置をすべきかという問題も、一口で言うと画一的になりがちでありますけれども、これも地方において実情が様々でありまして、一律にはいかないところもあるので、これを具体的に工程表を含めてとなるとかなり大変な作業だと思います。
 例えば、私のところは神奈川ですけれども、神奈川の中には政令市が二つありまして、九百万の人口のうち五百万が政令市でありますので、県よりも政令市の方が多いわけですね。なおかつ、政令市でないところでも相模原のように政令市に匹敵するというか手を挙げているところがありまして、そういうところはほかの県と同等の人口を抱えているということが実態としてはあります。
 ですので、都道府県がこうとか一律ではいかないんですね、地方、地方の。その全体を気配りして適正な配置であるとか云々を考えるというのは、この一項目自体でも極めて大変な作業でありまして、そこのところを、何というんですかね、十分御考慮いただいて体制の整備をお願いしたいと思います。
■松下 新平■
 ありがとうございました。
 この消費者委員会の事務局の体制の重要性については委員の皆さんも共有できたと思います。直ちに取りかからないと間に合わないということもあったんじゃないかと思いますけれども、またこの委員会でも議論を深めてまいりたいと思います。
 次に、消費者教育問題について一点御意見をいただきたいと思っております。
 先ほど山本委員からは小学生の教育の重要性について御指摘がなされ、それぞれ御意見をいただいたんですけれども、私は高齢者の皆さんに対する消費者教育についてお伺いしたいと思います。
 先ほど意見発表の中で、不当な契約金の被害額、三兆円を超える、皆さん、国民生活白書から紹介をしていただきましたけれども、未遂を入れるとこの何十倍にも膨れ上がりますし、この被害者の多くはやっぱり高齢者の皆さんであるという実態をしまして、この高齢者の皆さんの消費者教育というのが重要になってくると思いますけれども、また、皆さんそれぞれお取り組みの中で、これまで御苦労もあったと思いますけれども、その高齢者の教育の重要性についてお伺いしたいと思っております。
■阿南 久 参考人■
 ありがとうございます。
 本当にそのとおりで、高齢者被害は当然、相談件数が百十万件と言われておりますけれども、そのうちの約一割が高齢者の相談ということでありまして、大変深刻な問題であります。行政の方も自治会を通じて回覧板で訴えたり、あるいは有線放送で情報提供したりというふうなことを必死の取組をしておりますけれども、なかなかこれが悪質な事業者は擦り抜けていってしまうわけですね。ですから、私はやっぱり必死になってこれは取り組まなきゃいけないなと思っておりますが、私たち消費者団体の活動の中ではそういったことも一つの大きなテーマにしております。
 地域で、様々な場で、例えば高齢者の触れ合いの会を、サロンをやったときにはそうした情報を出すとか、それと、いろんなグループは機関誌で、こんな今被害が広がっているのだけれども、こんな経験ありませんかとかといったような、そういうふうにして気付きを引き出していくような、そうした情報活動ですとかお茶会ですとかというふうなことを重視して取り組んでいるわけですね。
 ですから、そこをやっぱりやっていかないと、消費者自身が、気付いた消費者自身が口コミで高齢者とつながって、気を付けようよと言っていくことが私は一番力になると思うんですね。ですから、私たち消費者団体の役割としても、そうした地域での被害をできるだけ少なくするというふうな取組をこれからも強めていきたいというふうにして思っております。
■佐野 真理子 参考人■
 高齢者に対する消費者教育というか、まあ消費者啓発になるんですけれども、これは非常に重要で、まさに網の目のような形でどんどんやっていかなければならないと思っています。
 それで、各自治体が、それぞれのやはり地域によっては特徴があると思いますので、その辺りをきちんと今度できます消費生活センターの大きな役割、消費者行政の一つの役割であると思っています。消費者団体はもちろんのこと、相談員の方々、それから高齢者の施設で働いている方々にもきちんと学んでいただいて、それを高齢者に伝えていくという形がいいのかなと。あとは、回覧板の活用。本当に近所の方々と一緒にやっていかないと、やはり高齢者はどこでも孤立しつつあるということがよく言われています。一人で住んでいる高齢者の方々にもやはりこういう情報を伝えていく、その伝え方、それも新しい消費者庁の大きな役割で、一番最初に申しましたように、広報の在り方に着くと思うのですね。これも広報、いわゆる啓発、それと同じように、やっぱり一人一人に届くような形で活動、私たちはもちろんのこと、消費者庁、消費者委員会、一緒になってやらなければならないことだと思っています。
■石戸谷豊 参考人■
 高齢者の場合には、元々、消費者教育というのが受けていない方々でありまして、ですので、何十年にもわたってこつこつ働いてきた退職金を悪徳商法に引っかかって一瞬のうちに失ってしまうという胸の痛い被害が大変多いわけであります。ですので、そういった意味からしますと、消費者教育、高齢者に特化した対策というのも考えなきゃいかぬということになると思います。
 しかし、他方、いろいろ実務をやっていますと、これ以上ないというキャリアの方々も、高齢、年とともにやはり判断力その他が衰えてきて、それでやはり何か深刻な被害に遭われてしまうということがありまして、そこはちょっと消費者教育ということの限界みたいなものというのも現実問題としてあるわけですので、そうしますと、やはり消費者教育ということだけではなくて、他の部門、介護であるとか福祉であるとか、その辺とセットになって総合的な対応を取らないと、この教育という面だけからではちょっと対応できない事態というのも大変多いと思っています。
■松下 新平■
 ありがとうございました。
 先ほど、つながりであるとか助け合いの精神のお話もされましたけれども、まさに今、御指摘のとおり、総合的に高齢者を守り、そして一緒に生活していくというのが重要だと思っております。ありがとうございました。
 もう時間が参りましたので、最後、意見を述べて終わりたいと思います。
 情報公開の在り方についてなんですけれども、先ほど公務員の意識改革という点で指摘されました。同様の意見なんですけれども、私も農林水産とか経済産業委員会でいろいろ議論する中で、どうしても企業とか役所側の隠ぺい体質、それによって被害が拡大していったという経緯、これをしっかりメスを入れるのが消費者庁の役割だと考えておりますけれども、やっぱりこのバランスですよね、これがすごい難しいなと思うんですけれども、この情報社会の中でこの風評被害というのは、もちろんゼロにするのが望ましいんですけれども、なかなかゼロには難しいと。そういう意味では、徹底した情報公開、そして消費者教育によって理解を深めて、みんなが冷静に判断するということが重要だと思っております。
 そういった意味で皆さんのそれぞれの団体の活動に期待することが大でありますので、今後とも、御努力、御尽力をよろしくお願いしまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。