消費者問題に関する特別委員会

− 消費者庁設置 3 法案に関して参考人質疑(午後) −
平成21年5月8日(金)
■松下 新平■
 改革クラブの松下新平です。本日最後の質疑となります。大変お疲れだと思うんですけれども、もうしばらくよろしくお願いいたします。
 私からは、川戸参考人に、情報公開の重要性とマスメディアの役割についてお伺いしたいと思います。その後ですけれども、樋口参考人には、地方行政、総合行政としての消費者問題の考え方についてお伺いしたいと思っております。
 まず、川戸参考人には、いただきましたこのレジュメ、まさに原点に立ち返って消費者マインドを忘れるなという趣旨の五原則、目を通させていただきました。その中で、 C 独立性・専門性・透明性を確保の中で情報公開の必要性を述べられていらっしゃいます。企業と消費者の皆さん、対立の関係からウイン・ウインの関係、そして更に進めて、消費者が支持をする企業が伸びていくんだという考えですね。
 これは、いろいろ今回の消費者庁設置に関して、いろんな反省からこういった考え方が重要になってきたわけですけれども、この委員会でも触れられたんですけれども、日本社会が成長していく段階において、産業の育成というのがやっぱり必要であったと思います。その中で、企業に対して行政がサポートしていった、そして、日本が豊かになって、それが社会福祉とかいろんなところを施してきたというのも実際あったと思うんですけれども、その犠牲として例えば公害問題とかそういったものが生じてきたわけでありますけれども、今回の消費者庁の設置というのはまさにウイン・ウイン、そして消費者が支持する企業が繁栄していくという考え方ですから、そういう意味では画期的だと思うんですね。
 そのツールとしては情報公開、これが大切ですし、徹底した情報公開がキーワードになっていくんじゃないかなと思います。これには公務員の意識改革ですね、これも併せて議論させてもらいたいと思うんですけれども、一つ一つ、いわゆる隠ぺい体質。これを出すと風評被害が起きるんじゃないかとか、企業に全然関係ない人に迷惑を掛けるんじゃないかとか、そういったのも実際あったわけですけれども、そうじゃないんだと、急がば回れじゃありませんけれども、徹底した情報公開によって消費者の皆さんがきちっと判断して、そういったものを最小限に食い止めて、結果的にはそれぞれウイン・ウインの関係になっていくということで、大変重要だと思うんですけれども、この情報公開の重要性について御意見をお願いしたいと思います。
■川戸 惠子 参考人■
 まさに松下議員が今おっしゃったことに尽きます。
 やっぱりメディアの側が、先ほどいろいろ批判されましたけれども、やっぱりメディアの側の報道も発信というものがあって初めて報道ができるわけですよね。もちろん私たちがいろんなことを探っていくこともありますけれども、まず重要なのは企業なりそれから消費者庁なり各役所がどんなふうな発信をしているかということが非常に大事なわけです。だから、そういう意味での公開性、透明性、これがますます重要になってくると思います。
■松下 新平■
 ありがとうございました。
 続きまして、マスメディアの役割について、重複しますけれども、私もこの消費者庁設置に関してマスメディアがどのように報道していただくかというのが重要になってくると思うんですね。よく言われたのが、よくマスコミは対立構造をつくってしまうと、これは分かりやすいですよね。ただ、さっき申し上げたように、ウイン・ウインの関係であるときにはやっぱりマスメディアの報道も考えていただきたいというふうに思っております。
 先ほど川戸参考人も言われたんですけれども、昨年のギョーザの問題のときに、御自身もいろいろ携わられて、なかなかそれが報道で反映されなかったということもありましたけれども、そういう意味では、逆にどのようにしたらこのメディアがウイン・ウインの関係をきちっと報道していただくようになるのかというのが私たちの関心でもあるんですけれども、メディアにいらっしゃる川戸参考人から御意見をいただきたいと思います。
■川戸 惠子 参考人■
 先ほど、また繰り返しになりますけれども、やはりメディア教育というのも非常に必要でして、これは、消費者庁なり各省庁が教えてやるということではなくて、私たちも一緒になって、じゃ、この問題はどういうふうに対応すべきか、この中身はどういうことかという勉強をするという、そこの一歩からもう一回やっていかないとなかなか大変なわけですね。
 これも先ほど申し上げましたけれども、なかなかメディアは今のところ、政局の話だとか対立構造、それから何か事件が起こったら、それにぱっと飛び付く、で、もう手いっぱいなわけですよね。その中で消費者問題については、例えばギョーザの問題が起こったりとか、金融振り込め詐欺が起こった、その個々のケースについては非常に追いかけますけれども、大きな枠での消費者問題、そこが分からないと本当にさっき言ったみたいに個々のケースだけを追及して、これが風評被害を生むケースもあるわけですね。そうじゃなくて、ちょっと引いた形で、じゃ、これは消費者問題の中でどういうふうな位置付けなのか、この被害の救済はどうすればいいのかとか、片方では消費者の権利というのをどういうふうに守ればいいかと、その大きなものをもうちょっとメディアも、それから消費者庁をせっかくおつくりになるわけですから、ここでの広報と一緒に勉強して、やっぱり私たちも教育されなくてはいけないという気がいたします。
■松下 新平■
 ありがとうございます。
 消費者教育の中で、午前中の参考人質疑の中で、学校教育、地域が崩壊していて学校でしっかり教育していくというお話がありました。ドイツの環境問題も学校できちっと教えたことを家庭に持ち帰って、それからまた動き出したという例もありますけれども、地域が崩壊する中で、学校教育、そして子供たちがどういった影響を受けるかという意味では、マスメディア、これが大きいわけですから、そういった消費者教育という面からもまた報道の方もよろしくお願いしたいと思っております。
 じゃ、残りの時間は樋口参考人の方にお願いしたいと思います。
 私も地方行政、県の職員でしたけれども、携わっておりまして、国会に参りまして思いますのは、地方というのは総合行政ですよね。有権者と近い存在でありますし、消費者と本当に身近なところで行政をやるので責任の所在が明らかなんですよね。だから、きちっと一つ一つを行ったときに、それが有権者の方あるいは消費者の方から見える存在であるわけですよね。だから、ある意味うまくいっていると。そして、いわゆる縦割りの弊害は国の方が言われますけれども、県のあるいは市町村の規模ですと、総合的な行政のやり方は工夫によってやっぱりできるんじゃないかなというふうに思っております。そんな中で、国と地方との連携が省庁間の縦割りと同時に問題になってきますし、地方の消費者行政がやはり一つのかぎを握るというふうに思っておりますし、先生も同様の考え方を言われたと思います。
 先日、この新型インフルエンザの行政運営に関して、舛添厚生労働大臣が横浜市と連絡取れないということで物議を醸したことがありました。地方行政である横浜市としては、名指しで言われたわけですから、あのようにしっかりやっているということになろうかと思いますけれども、ただ、一般の国民から見ると行政は何やっているんだと行政不信を招くわけですから、そういった国と地方の関係、それをどう考えるかというのが重要になってくると思います。
 私なりの結論としては、この機会にやはり地方分権、地方主権をしっかり進めて、地方がしっかり消費者の皆さんのニーズにこたえるんだという姿勢、総合行政できるわけですから、そういったのが重要になってくると思うんですけれども、樋口参考人の御意見をいただきたいと思います。
■樋口 一清 参考人■
 私も、消費者問題においては地方の役割というのは非常に重要だと、むしろ消費者問題の現場というのはそれぞれの市町村にあるわけなんで、そこで問題解決のための努力をして、それが国の行政を動かしていくという形ではないかと思うんですね。
 その意味では、分権というお言葉がありましたけれども、消費者問題に関しては地方が主導的でなければいけないと。しかしながら、現実には予算あるいは人員、体制を確保していくことが非常に難しい現状にあるということで、本来は地方主導であるべきだし、それぞれ地域の、地域のコミュニティーが崩壊しているということをおっしゃったんだと思いますが、地域のコミュニティー自体にいろいろ深刻な問題が生じている中で、その現実が実現できない状況にあると。今回、この消費者問題、消費者庁の議論を踏まえて、是非、そういう意味で、地方がリーダーシップを取ってこういった問題を取り扱っていけるようにすべきじゃないかなと。そういう意味での現場主義でもあるわけなんですが、是非そういった視点を失わないでほしいと。
 実は、消費者行政の歴史を見ますと、消費者行政というのは、地方の消費者行政がまず生まれまして、そしてそれに引っ張られる形で国の行政が動いてきたというような歴史もございます。ですから、そういう意味でも、今回、司令塔というのはどうも、先ほど申し上げたんですが、トップダウンではなくて、それぞれの地方の声を消費者庁が反映するような行政をしていただくということが大事じゃないかというふうに思います。
■松下 新平■
 ありがとうございました。
 時間が少々ありますので、再度、川戸参考人にお願いしたいと思います。
 行政改革の面から御意見をいただきたいんですけれども、委員として御尽力をいただいておりますけれども、今回の消費者庁、行政の肥大化を招いてはいけないわけですよね。ただ、しっかりした行政組織というのはこの委員会でも議論してまいりましたけれども、行政改革委員のお立場からこの点について御意見をいただきたいと思います。
■川戸 惠子 参考人■
 やっぱり小さくても強力な権限というのが、これが一番大事なわけですね。何も人が多いからいいということではなしに、これは各省庁を横断して、例えば何かが起こったときに強力な権限でその省庁を動かせる、そういうようなものが本当の行革ではないでしょうか。あっちの省庁をこっちに移したからいい、法律をこっちに移せばそれはそれでいいということではなくて、それだともう単なる、何というんですか、模様替えだけにすぎないわけであって、そうじゃなくて、やっぱり各省庁がもう思う存分に働けるように、強力な、司令塔は嫌だとおっしゃいましたけれども、やっぱりその面においてはそういう権限を持つということが今回の消費者庁にとっては一番大きなことだと思っております。
■松下 新平■
 ありがとうございました。
 今回の昨日、今日と参考人質疑に立たせてもらいましたけれども、幅広い議論をさせていただきまして、これからまた参議院の審議が始まりますけれども、その中で反映してまいりたいと思います。
 本日はありがとうございました。