参議院予算委員会−

宮崎県で発生した口蹄疫に関する質問
平成22年8月4日(水)
■松下新平■
  自由民主党の宮崎県選出、松下新平です。
  私は、宮崎県で発生いたしました口蹄疫に関しまして質疑と提案をいたします。
  申し上げたいことはたくさんございますけれども、時間の制約がございまして、菅総理に率直な御意見をお伺いしたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
  まず最初に端的にお伺いいたします。菅総理、今回の口蹄疫の問題、どのように考えていらっしゃいますでしょうか、お答えください。
■菅直人 内閣総理大臣
  私も総理就任直後、たしか四日目でしたか、宮崎県に参りまして、実際の畜産農家の皆さんにお会いすると同時に、知事始め関係市町村の長、さらには東京から出かけていた各関係者ともお話をいたしました。
  まず、その時点で考えたことは、とにかく感染の拡大をいかにして押しとどめるか、そのために全力を集中する。そして、それがうまくいって口蹄疫が収まった中では、しっかりと畜産を含め、それの再開ができるような、そういう支援をする。この二つのことをその場でもお約束をいたしました。
  幸いにしてといいましょうか、幸いと言ってはちょっと言い過ぎかもしれませんが、拡大が止まって終息の段階を迎えて、これからは、まだまだ完全には気を緩めてはいけないと思いますが、畜産を含めた再生といいましょうか、そのことをしっかり取り組む時期に来ていると、このような認識を持っております。
■松下新平■
  総理、全く認識が甘いと思います。お配りした資料を御覧ください。(資料提示)そうです、四枚目です。これは国家の危機管理の問題です。安全保障です。食の安全保障なんです。宮崎だけの問題ではありません。国の防疫をどのように考えるか。まさに、二十一世紀は人類とウイルスの闘いと言われております。そういった認識では、この国をあずかる本当に気概があるのか疑わざるを得ません。
  次のフリップを見てください。口蹄疫をめぐる主な動きです。四月二十日に第一例が都農町で感染疑いを確認されました。その後、自由民主党は現地に入りまして、現地の声を聞き、政府に申入れを四回行いました。それに対して民主党の対応はこちらに書いてあるとおりです。三週間たってようやく赤松農林水産大臣が宮崎入りをしました。その間に九日間も中南米に外遊に出かけていた。我々は、国にとどまって宮崎に入って防疫の指示を取るべきだと再三再四申し入れましたが、こういった有様です。まさに、山火事であれば山が火事で蔓延している中で消防団が駆け付ける、その事態と同じであります。全く対応が甘いわけです。遅いわけです。
  そのことについて政府の責任をどう考えますか。菅総理、お願いします。
■山田正彦 国務大臣■
  私から先にお答えいたします。
  いわゆる口蹄疫は、疫学調査チームの調査報告にありますように、既に三月の中旬には宮崎で発生していることが分かりました。三月三十一日に家保、宮崎県の家畜保健所において口蹄疫発症のウイルスのある検体を入手しております。国に届出が県からあったのは四月の二十日です。四月の二十日以前に既に十農場で発症したことは抗体検査によって明らかです。
  一方、えびの市のように、国の最初の四月二十日の指針どおりにいわゆる二十四時間以内に殺処分して七十二時間以内に埋却しているところは収まっています。そういう意味では、国に初動のミスがあったとかということは、なかったものだと私は考えているところです。
■松下新平■
総理、お願いします。
■菅直人 内閣総理大臣
 山田農水大臣は、副大臣の時代からこの問題の最前線で頑張っていただいていて、赤松農林大臣の後をお願いをいたしたわけであります。
  そういう意味で、私も、就任したのは六月の八日ですが、十二日に現地に入りました。この過去のどの時点でどういったことというのはかなり専門的な分野に入りますので、そういう点で今、山田大臣の方から、そうしたウイルスの検出がどの時期になされて、そして県から国に対する知らせがどの時期にあってということの説明がありました。
  いずれにいたしましても、そうした中で国家的な危機だという認識は私も当時から持っておりまして、私が担当する時期においてもそういう意識の中で、もうその時点ではかなりの拡大が出ておりましたので、まずはとにかく感染拡大を防止するために自衛隊を増派し、あるいは警察関係者も増派し、あるいはいろいろな機関を通して獣医師さんにもより多くの方に参加をしていただく、最大限の行動を取ったつもりでありまして、そういうものが合わさって終息に向かってきている、このように認識をいたしております。
■松下新平■
 政府が四月二十日に現状を認識したというのは全く遅過ぎますよ。今日は傍聴席に宮崎県議会から二十名来ておりますけれども、腰が抜けますよ、そんな発言だと。
  そして、これ見てくださいよ。赤松大臣が外遊している間に、これ大事なときなんですよ、このときに牛の千倍と言われる豚に感染したんですよ。そのときが、きちっとやっていればこんなことにならなかったんですよ。何考えているんだ。(発言する者あり)いやいや、私は菅総理と今日は話します。
  口蹄疫対策特措法二十三条、菅総理、御存じですか。
■平野達男 委員長■
山田農林水産大臣。(発言する者あり)まず、山田農林水産大臣。
■山田正彦 国務大臣■
  いかにも赤松大臣が外遊していて対応が遅かったかのような言い方をされておりますが、実際に国の指針どおりにやっているところ、例えばえびのとか、また都城辺りも、もう写真判定で分かりますから、早く殺処分、埋却したところは収まったんです。言わば、川南その他において確かに豚の発生があった、豚の発生があっているんですが、(発言する者あり)まず、まず、いいですか、これは法定受託義務で県がまずは第一次的に防疫義務に従事する仕事だったわけです。私が、私が国の対策、現地対策本部長として出かけていったときにはまだ道路の消毒すら、道路の車両の、一般車両の消毒すらしていなかったんです。そのときに県知事さんに、何で車の消毒もしないんですかと。そうしたら……(発言する者あり)ちょっと聞いてください。
■平野達男 委員長■
静粛に、静粛に。
■山田正彦 国務大臣■
  そうしたら、交通渋滞を起こすからできないんですと言われたんです。それくらい県の対応は遅れておったと、私は今になってはっきり申し上げます。
  そういう意味では、もう本当に、今回、今回、私ども国も反省すべき点はあると思います。これから、こういう口蹄疫の危機管理は県に任せるのではなく国でもって危機管理を直接対応する、そういう形で、家伝法も含めて、新しいマニュアルも含めて、今その指針も発表し、その対応策、それを今取ろうとしているところです。
■平野達男 委員長■
内閣総理大臣、特措法二十三条に関しての質問が出ていますので。
■菅直人 内閣総理大臣
  この問題に関して、たしか通常国会の段階だと思いますが、いろいろな意味で特措法が必要だということで、二十三条では、今後の地域経済の再建、活性化を図るために基金の設置についても規定されていると承知をいたしております。
■松下新平■
  篠原副大臣が現地の対策本部長として指揮を執っていただきました。篠原副大臣ははっきり、国の責任じゃないとこの防疫はできないと言われているんですよ。
  山田大臣、宮崎のせいにするんですか。(発言する者あり)法律の不備だったら、我々も同じですけれども、そういった発言はないじゃないですか。宮崎のせいにしないで法律の不備と言ったらどうですか。(発言する者あり)
■平野達男 委員長■
静粛にしてください。
■山田正彦 国務大臣■
  そのとおりで、だからこそ特措法を一日で与野党含めて作っていただいたわけだし、それで強制殺処分もでき、日本で初めて政治決断でワクチン接種やったわけです。
  これから先、口蹄疫とかそういう、そういう大きな危機管理に対しては、県に任せるのではなく、国が責任持ってやれるような法体制の整備、家伝法の改正も含めて、今新しいマニュアルも作って、先般、各都道府県の畜産課長さんたち等々集めて示しましたので、法改正も今検討しているところで、次の通常国会に是非出させていただきたいと思っております。
■松下新平■
今の大臣の答弁は宮崎に対する見解を訂正するということでよろしいですか。
■山田正彦 国務大臣■
 いいですか。今回、この口蹄疫は我々いろんなことを教訓として受けました。そういう意味で今第三者委員会をつくりました。この中には弁護士さんも入っていますし、いろんな専門家が入っております。その第三者委員会の下に、国の責任はどうだったか、県の対応はどうだったか、市町村の対応はどうだったか、そういうことも含めて第三者委員会でもってしっかりと検証をしていただきたいと、そう思っているところです。
■松下新平■
  冒頭に申し上げましたけれども、国家の危機管理なんですよ。安全保障なんですよ。その認識は全く甘いんです。民主党では危機管理できないと断言できます。口蹄疫対策特措法二十三条、これ資料を渡しておりますけれども、これがまさに再建の生命線なんです。この赤で書いておりますけれども、基金の設置その他の必要な措置をとると明確に書いております。地域再生のキーワードなんです。
  制定されて二か月たちますけれども、この基金はどこにあるんですか。総理、答えてください。総理です、総理。対策本部長の総理、お願いします。
■平野達男 委員長■
質疑者は静粛にお願いします。
■松下新平■
公正にやってください、公正に。
■菅直人 内閣総理大臣
現在、基金の在り方をめぐって関係者が大臣を中心に議論を進めていただいております。
■松下新平■
  総理、制定されてから、施行されてちょうど二か月ですよ。この間、何も進んでいないんですか。スピードが大事なんですよ。宮崎の状況、鹿児島、熊本、同じですよ。もう一度答えてください。
■菅直人 内閣総理大臣
  私もすべてを承知をしているわけではありませんが、少なくともこの件に関して県の方からもいろいろな要望がいただいておりますし、またもちろん、いわゆる畜産農家ばかりでなく関係する町の復興といったことも含め、観光も含め、どういう範囲にどういう形で基金を積むのがいいのか、そういうことを、そういったまさに宮崎県の関係者も含めた議論をしていただいていると、そういうことを承知しておりまして、先ほど申し上げたように、私が総理に就任した段階ではまだ感染拡大のおそれといいましょうか、そういう状況がありましたので、まずは感染拡大を食い止めるというところからスタートをし、その時点でも、これが終息したときにはこういった再建に向けて全力を挙げることを現地でもお約束をいたしましたので、先日、衆議院の答弁でも、そのお約束にたがわないような内容の基金の在り方をきちっと決めてくれと、このことを担当大臣中心に議論をいただいている段階です。
■松下新平■
  全く危機管理なっていないですよ。
  宮崎は、先週三十九項目の要望書を出しております。待ち切れないから三百億の基金を設置してやると言っております。財源の裏付けははっきりされておりません。今、急を急ぐんです。スピード化、それでいいんですか。
  私は、ここで一千億の基金を提案します。総理、この場で約束してください。
■山田正彦 国務大臣■
  特措法二十三条に基金の規定があります。それを受けて、総理からも基金設置するようにという指示をいただいております。今、宮崎県側の要望も受けているところですが、それを基に、農水省だけではどうしようもありませんので、経済産業省あるいは総務省等々とも詰めて、基金をどういう形にするのか、そういったことを含めて、今、鋭意取り組んでいるところです。
  今、対応が遅いじゃないかというお話ですが、今回、家畜を殺処分した場合の評価についても概算払、仮払いをすぐにやりましたので、農家の、いわゆる畜産農家の手元には今恐らく百億を超える金額は支払がなされているものと。国の方からは二百億か三百億はもう既に県の方に支払っておりますし、概算払、仮払いを急いでくれと、農家は収入がないんだからということで今回異例の措置として早く、いろんな手当ても迅速に今やっているところで、国としてはしっかりとその対応はこれからもやらさせていただくつもりです。
■平野達男 委員長■
松下新平君、時間ですのでまとめてください。
■松下新平■
はい、まとめます。最後にまとめます。(発言する者あり)
■平野達男 委員長■
静粛に、静粛に。
■松下新平■
一千億の基金については、関係の有志の仲間、皆さんと一緒に強く働きかけていきたいと思います。
以上で終わります。