参議院予算委員会−

経済・雇用・社会保障に関する集中審議
平成27年3月27日(金)
岸宏一 委員長
 平成二十七年度一般会計予算、平成二十七年度特別会計予算、平成二十七年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、経済・財政・国際問題に関する集中審議を行います。
 これより質疑を行います。松下新平君。
■松下新平■
 おはようございます。自由民主党の松下新平です。
 閣僚の皆様、委員の皆様、連日予算審議お疲れさまでございます。本日のトップバッターを務めます。どうぞよろしくお願いいたします。
 来月の八日、九日に、天皇皇后両陛下におかれましては、パラオ・ペリリュー島を訪問されます。硫黄島、サイパンに引き続いて強い御要望があったとお聞きしております。
 私も十四年前にパラオを訪問いたしました。私の地元の宮崎で太平洋・島サミットが開催されまして、当時のパラオのナカムラ大統領が参加されました。その返礼の意味もありまして、パラオに同僚の県会議員と一緒に参りました。自然が豊かでおおらかな島であります。高齢の方は日本語が堪能で、町には日本語の看板も至る所にあり、日本の文化が継承されていました。日本人が忘れていたような日本人の心も、そこで思い知ることもできました。日本との結び付きを強く感じた次第であります。
 パラオは太平洋を俯瞰する位置にございます。恐らく、天皇皇后両陛下におかれては、全ての戦没将兵に慰霊されるものと推察をいたします。
 総理も、ペリリュー島のことを三月二十二日の防衛大学校の卒業式の訓示でお述べになられております。そのときの思いを後ほど述べていただきたいと思いますが、その訓示を私の方から紹介させていただきたいと思います。
 南太平洋に浮かぶパラオ・ペリリュー島。この美しい島は、七十年前の大戦において、一万人を超える犠牲者が出る、激しい戦闘が行われた場所であります。途中を省略します。諸君の務めとは何か。それは、二度と戦争の惨禍を繰り返さない。そのために、自衛隊の中核を担う幹部自衛官として、常日頃から、鍛錬を積み重ね、隙のない備えに万全を期すことであります。そして、いかなる事態にあっても、国民の命と平和な暮らしを断固として守り抜くことであります。私は、諸君の先頭に立って、この責務を全うする決意であります。どうか諸君におかれても、全身全霊を懸けて、この国民への務めを果たしてほしいと願います。これが訓示の一節でございます。
 私も、総理のこの考えに大変共鳴をいたしました。総理のこの防衛大学校での訓示の思いを、この場でもお述べいただきたいと思います。
安倍晋三 内閣総理大臣
 今般、天皇皇后両陛下が御訪問されます南太平洋のパラオ・ペリリュー島においては、さきの大戦において一万人以上の犠牲者の出る激しい戦闘が繰り広げられたわけでございます。その中におきまして、遠い異国の地にあって、祖国の行く末を案じながら、そして家族の幸せを願い、多くの尊い命が失われたわけであります。
 しかし、その尊い犠牲の上に今日の私たちの平和な暮らしがあるわけでございまして、このことを私たちは深く胸に刻まなければなりません。そして、二度と戦争の惨禍を繰り返してはならない、私たちにはその大きな責任があるわけであります。そのためには、まさに常日頃から、隙のない備えに万全を期し、いかなる事態にあっても、国民の生命と幸せな暮らしを断固として守り抜かなければならないわけであります。
 戦後、我が国は、ひたすらに平和国家としての道を歩んでまいりました。それは、平和国家という言葉を唱えるだけで実現したものでは決してありません。それは、自衛隊の創設、また日米安保条約の改定、そして国連PKO活動への参加を通じて世界の平和と安定を実現をしていく。国際社会の変化と向き合い、憲法が掲げる平和主義の理念の下、果敢に行動してきた先人たちの努力のたまものであります。不戦の誓いを現実のものとするためには、私たちもまた先人たちに倣い、果敢に行動していかなければなりません。
 行動には常に批判が伴います。しかし、正しいと信じる、考えに考え抜いた上、その道が正しいと信じる上においては果敢に行動していくことが求められるのだろうと、このように思います。
 防衛大学校の卒業式におきましては、幹部自衛官としての新たな一歩を踏み出す卒業生の諸君に、このような私の思いを述べたものでございます。
■松下新平■
 ありがとうございます。
 行動には必ず批判が付きますけれども、それに負けないようにしっかり頑張っていきたいと思います。
 ペリリュー島を始め、日本に帰ってこられない御遺骨は、今もなお百十三万柱にも上ります。この遺骨の収集に対しての政府の取組、総理、しっかりお願いしたいと思います。
 本日の集中審議のテーマは経済・財政・国際問題でございますが、それと表裏一体であります地方の経済財政問題について、スポットを当てて質問させていただきたいと思います。
 先日、内閣府から三月の月例経済報告が発表されました。アベノミクスは成果を出しています。景気の基調判断を、企業部門に改善が見られるなど緩やかな回復基調が続いていると八か月ぶりに上方修正しました。順当な判断であります。アベノミクスの三本の矢の経済政策は確実に日本経済を成長軌道に乗せました。その一例に、有効求人倍率、一年以上にわたって一倍を超えています。また、日経平均株価は二万円をうかがうところまで上昇しております。
 一方で、これからは地方への対策がもっともっと必要でございます。地方の再生なくして日本の再生はありません。地域経済を活性化させることが日本経済を再生させるために不可欠であります。この景気回復の暖かい風を日本の隅々まで届けるためには、それぞれの地方が地域の特性を生かし、産業振興や雇用の創出などを進め、地域経済を活性化させることが必要です。政府は、地方公共団体が自主性、主体性を発揮して地域経済の活性化など地方創生に取り組むことができるよう、まち・ひと・しごと創生事業に一兆円計上しました。この一兆円に期待が寄せられています。
 高市大臣、私は、宮崎県職員、そして県議会議員、そして今この質問に立っております。地域経済の活性化は一朝一夕には実現しないと考えております。今年だけで終わるのではなく、平成二十八年度以降も財源をきちんと確保して、全国約千八百の自治体の創意工夫を引き出して、力を合わせて取り組んでいくべきだと考えますが、総務大臣の考えをお伺いいたします。
高市早苗 国務大臣
 地方創生はその取組を始めてから成果が生じるまでに一定の期間を要すると思っております。ですから、息の長い取組が必要でございます。
 今委員がおっしゃっていただいたまち・ひと・しごと創生事業費、二十七年度の地方財政計画の歳出に一兆円計上をいたしましたけれども、平成二十八年度以降につきましても、地方法人課税の偏在是正、これを更に進めることによって恒久的な財源を確保する、これを前提といたしまして、まず期間は、やはり少なくとも総合戦略の期間であります五年間は継続する必要があると考えておりますし、その規模につきましても、継続的に少なくとも平成二十七年度に計上した一兆円程度の額を確保することが必要だと考えておりますので、しっかりと頑張ってまいります。
■松下新平■
 ありがとうございました。
 現在、私は自民党の総務部会長を務めております。改めて、地方の一つ一つが元気にならなければ日本の再生はないと確信しております。統一地方選挙が始まりましたけれども、住民の皆さんの間での議論にも期待したいと思います。
 党の総務部会長として、年内の税制改正、補正予算、そして新年度予算、取りまとめてまいりました。部会の参加の皆さんの真摯な議論に敬意を表します。
 その税制改正のかんかんがくがくの議論の中で、財政的な児童虐待という言葉がございました。耳慣れない言葉ですけれども、財政的な児童虐待とは経済学の言葉であります。これはボストン大学のローレンス・コトリコフ教授の言葉で、世代会計という手法を使って、国の財政はどんどん将来世代に回し、子や孫を犠牲にしても現役の世代がいい思いをしようとする発想や政策のことをいいます。将来世代にツケを残してはならない、私は総務部会長としてその軸をしっかり持って発言し、取り組んできたつもりであります。
 この財政的な児童虐待、麻生財務大臣からの御所見をいただきたいと思います。
麻生太郎 国務大臣
 御存じのように、一般会計予算を見ますと、約九十六兆円のうち社会保障関係費が約三分の一、三十六兆円ということに占めます一方、歳入面では全体の三分の一というものをいわゆる国債発行に依存をしております。今、松下先生から財政的な次世代虐待と言われたように、多額の国債発行を通じて将来世代に負担を先送りしているという構造になっていることは確かであります。
 したがいまして、政府としては、今年度、この予算が通過をいたしますと、一応本来の目的であった二〇一五年までに基礎的財政収支の半減目標というのは達成することになれると思っておりますが、さらに、二〇二〇年度のいわゆる国、地方の財政収支を完全に黒字化していくためには、我々はそれをきちんと、今のままでは達成できないということになっておりますので、それをきちんとやる。
 そしてさらに、それは基礎的財政収支の話であって、それは金利計算が抜けておりますから、二〇二〇年、後も引き続ききちっとした対策なり予算編成というものをやっていかないと金利だけが増えていきますので、さらに、GDP比に対して分子であります歳出等々をきちっと抑えていく等々のことをやっていかねばなりませんので、さらに、我々としては、経済を成長させ、デフレを脱却し、歳出を抑制し、歳入を増やし等々いろんなものを軸にしてやっていかねばなりませんが、ただ、子供の世代に簡単に、借金だけが残っているような話がよく流布されるところではありますけれども、債券を買っていただいているのは松下さん、その債券が十年たって受け取るのは息子ですから、息子は一方的に借入金を負っているわけではなくて、国に対して貸した金は返ってきて、受け取るのは息子ですから、一方的な被害者意識を持たれるのは間違っていると思います。
■松下新平■
 ありがとうございます。
 厳しい財政状況の中で、将来世代にツケを残さない、そういったことは国会議員一人一人共有していくべきだというふうに考えております。
 次に、地方経済の要であり、地方創生の基盤であります交通インフラについて、太田国土交通大臣に御質問したいと思います。
 最近で明るい話題として、被災地ですけれども、常磐道の全線開通がございました。また、北陸新幹線の開通もございました。私も、第二次安倍内閣発足時の国土交通大臣政務官としてお手伝いをさせていただきました。当時の熱心な皆さんのお顔が思い出され、完成されたことに御同慶の至りでございます。
 ここでちょっとパネルをお願いします。(資料提示)こちらは九州地域の道路ネットワーク図ですけれども、九州でも、先週の土曜日ですが、大分県佐伯―蒲江間の東九州自動車道の開通式がありまして、太田国土交通大臣もお越しくださり、盛大に開催されました。この東九州自動車道、インフラの整備を加速していただいていることに感謝を申し上げます。
 さて、ここで御質問なんですけれども、これは全国に共通することでございますが、この九州のパネルを見ましても、ミッシングリンク、まだ高速道路がきちっとつながっていない箇所が幾つかございます。高速道路は道路がつながって初めてその効果が現れます。途中で切れていたら限定的な効果しかございません。
 そこで、これらの未整備区間をどうつなげていかれるのか、太田国土交通大臣にお伺いいたします。
太田昭宏 国務大臣
 先日二十一日、地元の長年の悲願でありました東九州自動車道の佐伯―蒲江間が開通をしまして、大分と宮崎が結ばれ、そして大分の県知事、そして宮崎の県知事、そして延岡からも大勢の方が来ていただいて、大分の佐伯において大きな喜びが広がりました。私も開通式に出席いたしましたけれども、大変喜びが感じられて、うれしい思いがいたしました。
 佐伯では道路がつながることを見越してこの五年間で約二十件の企業が新たに立地したと、そうしたことを報告も受けまして、有効求人倍率も一・四倍に伸びたという報告もいただいて、効果が既に現れていると。ストック効果というものは大事だなという思いをしました。
 高速道路は、物流の効率化や観光交流の促進、あわせて災害に強い、リダンダンシーということからいきまして大事な役割を果たしていて、そして今申し上げましたストック効果ということの上からも大変整備効果が大きいと、このように思っています。まだまだ多くのミッシングリンクというのがあるわけでありまして、九州地方でいきますと、東九州自動車道の南の方、日南―串間―志布志間や、あるいは九州横断自動車道の延岡線、こうしたものがいまだ主要な幹線道路がつながっていないという状況にございます。
 今後とも、事業中の区間についても整備を促進し、そして未事業化区間についても、これは調査の段階ではありますが、計画的に調査を進めていくなど必要な道路ネットワークの強化に取り組んでいきたいというふうに思っておりますし、全国的にも、財政制約という上からも、効果が非常にあるというところを優先しながらも、しっかりと対応していきたいと、このように考えているところでございます。
■松下新平■
 ありがとうございます。
 私の地元の日南―串間―志布志、また延岡―西臼杵―蘇陽間の横断道路の話までしていただいて恐縮です。このミッシングリンクの解消は、宮崎のみならず九州全体の発展に不可欠ですので、是非また整備の促進をよろしくお願いしたいと思います。
 ここで、総理にちょっと御質問をさせていただきたいんですが、はっぴ姿の宮崎には道づくりを考える女性の会というのがございます。太田大臣には何度も会っていただいているんですけれども、総理は、この道づくりの女性の会、はっぴを着られた皆さんを御存じでしょうか。皆さんは手弁当で、まさに命の道をつなぐ活動を献身的にされています。このボランティア活動をされる皆さんが今テレビでかじりついて見られているので、是非総理からメッセージをお願いしたいと思います。
安倍晋三 内閣総理大臣
 道路等の社会インフラは、地域の経済のみならず、教育や文化やあるいは医療などの面で地域の生活を支える必要不可欠な役割を担っていると思います。その整備に当たっては、女性の視点が不可欠であろうと思います。
 先日、常磐自動車道の全線開通にも立ち会ってまいりました。全線がつながることで企業立地や観光振興、あるいは災害時の代替ルートの確保等の面で大きな効果が発揮されるということを改めて実感をいたしました。
 議員御指摘の東九州自動車道も含めまして、各地域における円滑な移動を確保するためには、道路ネットワークの充実が非常に重要と理解をしています。このため、一日も早くネットワークがつながるよう、重点化や効率化を図りつつ計画的に整備を進めているところでございまして、今後とも、道路を含めたインフラ整備を計画的に進めていくことによって経済成長の成果を地方に波及させ、元気で活力にあふれた地方をつくっていきたいと思います。
 今お話をされました、みやざきの道づくりを考える女性の会のように、女性を中心とする団体が道路整備について交流会等の様々な活動をされていると伺っております。その意味におきましては、まさに女性の視点、女性の気持ちを道路政策に伝えていく、それを体現しておられると、このように思って、我々も改めて敬意を表したいと思います。
■松下新平■
 女性の視点、女性の気持ちということで、御丁寧な御答弁ありがとうございます。ますます、はっぴ姿の女性軍が頑張ってまいると思います。自ら一番の圧力団体だと言われる方もいらっしゃるぐらい、またしっかりそれぞれで頑張ってくれるものと思います。ありがとうございます。
 続きまして、太田国土交通大臣に再度お伺いいたします。
 国土交通省発注の入札制度についてでございます。
 公共事業は国民の血税、税金で行われますので、ゆめゆめ不正があったり品質が悪いものであってはなりません。当時、大臣政務官として、あるべき姿を求めて品確法等環境整備をしてまいりました。品確法とは、公共工事の品質確保の促進に関する法律です。いわゆる公共調達制度の設計理念をうたったもので、政府が公共の事業を行う際に事業をどのように選定するかという制度です。
 しかし、この理念とは裏腹に、実際の現場では受注が特定の業者に偏って、本当にやる気のある、そしてまた技術力がある会社が受注できていない状況が浮き彫りになっております。これは加算点数など仕組みに問題があるからだと私なりに分析をしております。
 太田大臣、現場でこの品確法の理念が実行されるよう徹底すべきと考えておりますが、いかがでしょうか。
太田昭宏 国務大臣
 松下先生には国土交通大臣政務官としまして、災害があるとすぐ飛んでいただいたり、あるいは今御指摘のありました品確法という非常に大事な、また、品質を確保すると同時に、その担い手が大事だということを言ったこの品確法の制定に対しましても大変御尽力をいただきました。
 地域の建設産業、建設企業は、防災・減災、老朽化対策、メンテナンス、耐震化、こうしたことのいわゆる地域の守り手であるという重要な役割を担っていると思います。御指摘のとおり、地元に精通した地域の建設企業が継続的に、持続的に仕事ができるということが大事だと考えています。
 地域の建設企業が継続的に維持するためには、公共工事の受注におきましても偏りのないようにするということが大事だというふうに思っています。そのためには、工事の品質を確保すること、そして比較的規模の小さな工事や、あるいは維持管理、メンテナンスと、こういうことについては地元の建設企業ができるだけ受注できるように配慮すること、そしてまた、実績の少ない企業がなかなか参加できないという声もありますから、実績の少ない企業も参加できるように入札の要件を緩和する、こうしたチャレンジ型のものにする、こうしたことなどが必要だと考えております。
 このように、公共工事の入札におきましては受注企業に偏りが生じないよう工夫に努めているところですが、今後も一層努力をして進めていきたいと考えています。
■松下新平■
 ありがとうございます。
 チャレンジ型の制度も関東の方で一部導入されていますが、なかなか結果が伴わないという状況もありますので、また結果が出るにはどうしたらいいかという視点で議論をしてまいりたいと思います。
 この入札制度は、地域創生、地域経済の活性化にも不可欠であります。また、若い世代が誇りを持って夢を描ける業界の環境整備が整うことによって、ひいては災害時の措置が迅速に行われるなど、国民生活の安心、安全につながると思います。引き続きよろしくお願いしたいと思います。
 最後に、総務部会長としてもう一つ情報通信も担当しておりますけれども、クラウドの活用について政府の取組を、これは全体的なことですので総理にお伺いしたいと思います。
 このIT技術、これは十五年周期で大きく変革を遂げてきたと言われております。三十年前がパソコンの登場です。そして、十五年前がインターネット、そして今がこのクラウド技術、これが世界を変える技術と言われております。
 クラウド技術は世の中が変わるインパクトが想定されております。例えば、おれおれ詐欺、いろいろ関係機関の方で策を練っておりますが、なかなか後を絶ちません。しかし、これをクラウド技術を使って個人認証を徹底することによりゼロにすることが可能なんです。
 また、国では、エストニアという国がEUにございますが、三十四歳の首相が誕生して、国を挙げて取り組んでおります。もう七、八年前から閣僚の会議はiPadでペーパーレスでやっているそうです。また、政府の法案は草案の段階からオンラインで公開して国民のコメントを求めたり、また選挙もオンラインで投票できることなど、全国民にIDを配付して、まさにオンラインであらゆることが可能だということであります。このIT技術を使わない手はないと思います。
 政府がこのクラウド技術、情報共有についてどのようなお取り組みをされているのか、お伺いしたいと思います。
安倍晋三 内閣総理大臣
 政府情報システムについては、行政サービスの向上を図っていくとともに、徹底したコスト削減、行政の変化への柔軟な対応、そして情報セキュリティーの確保等に配慮して改革を進めることが必要であると考えています。
 こうした観点から、効率性、柔軟性に優れたクラウド技術を積極的に活用することなどにより、二〇一八年度までに政府の情報システムを半減し、二〇二一年度までに運用コストも三〇%の削減を図ることとしています。
 今後とも、クラウド技術を始めとする新技術の活用を図り、効率的な運用に努めていきたいと思っております。
■松下新平■
 ありがとうございます。
 党としましても、IT戦略特命委員会がございます。平井たくや委員長の下、週に一日置きぐらいに会議を持って、この分野を研究しております。
 お話がありましたとおり、まずは国民の利便性であります。そして、経済成長の後押し、行政コストの削減に至るまで、経済社会を変えるのがこのクラウド技術であります。今年施行されますマイナンバー制度、これともしっかりリンクをさせて、クラウド元年としての総理のリーダーシップを期待したいと思います。
 また、地方においても、この活用の余地は十分あります。また、積極的に取り入れているところもありますけれども、総務大臣においてもしっかりサポートしていただきたいと思います。
 予定された質問は以上でありますけれども、残りの時間で、この国会、予算委員会の審議の在り方についてちょっと触れたいと思います。
 私の郷里の偉人で、ビタミンの父として名高い高木兼寛先生がいらっしゃいます。この先生は、東京慈恵会医科大学の創設者でありまして、また看護学校を日本で最初につくった方でもあります。その方が自らの経験を基に、病気を診ずして病人を診よという言葉を、教えを残していらっしゃいます。これはどういうことかといいますと、高木兼寛先生はお医者さんでもあるんですが、どうしても医学の世界で病気を研究として捉えてしまうと。しかし、医学というのは患者さんの心の中に、あるいはその背景まで考えてケアをすることが重要なんだという教えです。病気を診ずして病人を診よ、これが高木兼寛先生の教えなんです。私も政治活動をする上で、このことを常にモットーとしております。
 そこで、この国会において、また予算委員会において、耳を疑うような野党からの質問がございます。そのことを申し上げたいと思います。例えば、交通規制でいいますと、六十キロの制限があるとします、そしてそこに一キロあるいは二キロオーバーしたとします。これは確かに違反です。違反ですが、警察はそれは取締りの対象でしょうか。もちろん違反ですよ。私は、この予算委員会、国会の場で、予算をたくさん使って、コストを使って議論する場において、国民が、そういった質問とか、転んだだの滑っただのという、こんな質問を望んでいるんでしょうか。それを野党の諸君にも考えていただきたいと思うんです。野党も与党の経験がありますので、一緒にこのことは考えていきたいというふうに思います。これから参議院の審議、まだ集中審議も予定されていると思いますが、是非野党の諸君には建設的な議論をお願いしたいと思います。不祥事ばかりを取り上げるのではなくて国民生活を考えるように、この教えを是非お願いしたいと思います。
 国民の皆さんの生活状況や不満など、希望に応える政治の実現を安倍晋三総理にお願いして、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。