桜島及び霧島山(新燃岳)の噴火による被害状況等の実情調査視察(災害対策特別委員会委員派遣)
<2012年1月18日(水)>

桜島及び霧島山(新燃岳)の噴火による被害状況等の実情調査視察(災害対策特別委員会委員派遣)

1、日時
   平成24年1月18日
2、場所
   鹿児島県鹿児島市、宮崎県都城市
3、 メンバー
   参議院災害対策特別委員会委員派遣
    委員長 松下新平参議院議員
    理事   平山幸司参議院議員
   理事   牧山ひろえ参議院議員
   理事   加治屋義人参議院議員
   理事   小坂憲次参議院議員
   委員   ツルネンマルテイ参議院議員
   委員   秋野公造参議院議員
   委員   渡辺孝男参議院議員
   委員   山下茂生参議院議員
   政府同行者
   内閣府大臣官房審議官 長谷川彰一
   内閣府政策統括官(防災担当)付企画官(地震・火山・大規模水害対策担当) 西口学
   国土交通省水管理・国土保全局防災課水防企画官 新井田宏
   国土交通省水管理・国土保全局砂防部砂防計画課 地震・火山砂防室課長補佐 越智英人
   気象庁地震火山部火山課長 山里平
4、 報告
 一月十八日、鹿児島県及び宮崎県において、桜島及び霧島山・新燃岳の噴火による被害状況等の実情を調査してまいりました。
 参加者は、松下新平委員長、牧山ひろえ理事、加治屋義人理事、小坂憲次理事、ツルネンマルテイ委員、秋野公造委員、渡辺孝男委員、山下芳生委員、平山幸司理事の九名であります。
 現地調査の概要を御報告いたします。
 まず、桜島につきましては、平成二十三年に過去最高となる九百九十六回の爆発を起こし、平成二十四年に入っても、その活動を活発化させております。年間降灰量も、平成二十三年は四百五十八万トンを記録し、平成二十二年の五百四十三万トンに続き大量の降灰が続く状況にあります。
 現地におきましては、鹿児島市役所において、鹿児島市より、桜島噴火及び降灰の状況について説明を受けるとともに、森鹿児島市長始め桜島火山活動対策協議会のメンバーと意見交換を行いました。
 派遣委員から活動火山対策特別措置法の抜本的な見直しや火山活動の観測体制充実の必要性について意見が述べられたほか、桜島噴火の活発化による農業、観光、市民生活への影響、降灰除去車両の配備状況、漁港の降灰除去対策、降灰による健康への被害状況、高齢者世帯の行う宅地内降灰除去への支援、土壌改良の現状、プールクリーナーの配備状況等について説明を受けました。
桜島火山活動対策協議会からは、老朽化の進む降灰除去車両の更新費用の補助率のかさ上げ、補助により購入する車両の納車期限の延長、車両の維持管理費用への補助、粒子の細かい降灰を効果的に除去するための車両改良の推進、学校の空調設備に対する支援の拡充、プールクリーナーの貸与の充実、降灰防除地域の指定要件の見直し等について要望が述べられました。
 なお、桜島火山活動対策協議会に対し見舞金を手交いたしました。
 次いで、桜島島内の視察を行いました。まず、京都大学防災研究所附属火山活動研究センターを訪問し、山本助教より、桜島の火山活動の現状と今後について説明を受けました。説明によれば、観測坑道における傾斜とゆがみを高精度に観測すると爆発的噴火が起こる直前に変動することが分かっており、火山活動の予測に活用しているとのことです。観測方法に関しては、坑道を掘る費用が掛かり、簡単に設置できないことが課題であるとのことでありました。
 次に、国土交通省九州地方整備局大隅河川国道事務所が実施している黒神川砂防堰堤を視察しました。視察した黒神川は、砂防堰堤、導流堤等の砂防施設の整備が完成し、平成二十年度からは直轄砂防管理河川として施設の維持管理を行っています。現地は、噴火が続く昭和火口が間近に迫っており、火山からの膨大な量の土砂が堆積している状況でありました。このしゅんせつ費用、養殖に被害をもたらす軽石の捕捉が課題であるとのことでありました。
 続いて、霧島山・新燃岳噴火の被害状況等について現地調査を行いました。新燃岳は、平成二十三年一月二十六日に約三百年ぶりに本格的なマグマ噴火を起こし、噴石、降灰等により甚大な被害をもたらしました。その後、噴火の頻度は低下しておりますが、火山噴火予知連絡会によれば、本格的噴火により収縮した新燃岳北西のマグマだまりにマグマの供給が続いており、火山活動は再び活発化するおそれがあるとされております。
 現地におきましては、都城市役所において、長峯都城市長から、新燃岳噴火の被害状況、降灰対策、土石流の発生に備えて発令した避難勧告による住民の避難状況等について説明を受けました。また、政府チームによる支援が対応に大きな役割を果たしたとのことでありました。
 その後、河野宮崎県知事及び前田霧島市長始め環霧島会議のメンバーと意見交換を行いました。まず、環霧島会議会長の霧島市長から、同会議が作成した霧島火山防災マップが、新燃岳噴火の際、応急対策を講ずる上で有効であったことが紹介されました。なお、同会議においては、新燃岳噴火の経験を踏まえてマップの見直しが行われているとのことであります。
 環霧島会議からは、降灰量の計測が十分でなかったことへの配慮、観光等への風評被害を防ぐための国の支援、噴火後増加した鹿及びイノシシの食害対策、高齢・小規模農家が多い地域における降灰地域安定対策事業の採択要件の緩和、ビニールハウスの張り替え費用への補助、避難道路・避難ごうの整備、災害時の後方支援拠点整備、霧島山の観測体制の強化等について要望がなされました。
 そのほか、新燃岳噴火による農業、市民生活等への影響、活動火山対策特別措置法の見直しの必要性、噴火による空振被害の現状及び復旧状況、被害の実情を踏まえたハザードマップや避難計画の見直し等について意見交換を行いました。なお、環霧島会議に対し見舞金を手交いたしました。
 以上が調査の概要であります。
桜島は長期にわたる噴火活動が続いており、新燃岳についても火山活動が長期化することが懸念されております。現地では、現在も地域住民の生活に重大な影響が及んでおり、生活支援、生業支援等の被災者支援策を始め長期的で継続的な対策の強化の必要性、また、発災時に住民の避難につながる観測・監視体制の充実の必要性を強く認識した次第であります。
 最後に、災害対応等でお忙しい中、本調査に御協力いただきました方々に厚く御礼を申し上げますとともに、被災された方々が一日も早く通常の生活を取り戻せるようお祈り申し上げまして、派遣報告といたします。
鹿児島市役所にて森鹿児島市長、嶋田鹿屋市長等との意見交換 京都大学防災研究所附属桜島火山活動研究センターにて桜島火山活動聴取
黒神溶岩、降灰状況視察 都城市役所にて河野宮崎県知事、長峯都城市長、肥後小林市長、村岡えびの市長、日高高原町長、前田霧島市長、池田曽於市長、米満湧水町長等との意見交換
松下委員長から前田環霧島会議会長へ見舞金贈呈 取材対応
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