総務委員会
<平成30年5月15日 (火)>

総務委員会

○委員長(竹谷とし子君)
休憩前に引き続き、電気通信事業法及び国立研究開発法人情報通信研究機構法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。

○松下新平君
自由民主党の松下新平です。
法案の質問の前に一件総務大臣にお願いしたいんですけれども、実は、硫黄山という山がございまして、標高が千三百十七メートルなんですけれども、これが大変なことに今なっております。二百五十年ぶりにこれ噴火いたしまして、有害物質が今湧き出しておりまして、河川に流入して河川の魚が死んでしまうという状況で、もちろん人体にも影響があるわけですから住民の皆様は本当に難儀しているんですが、工場だったらそれを止めてしまえばいいわけですけれども、自然のものですから、そしてまた、これはこれまでにも、また全国的にも知見がないということで、地元の皆様苦労されております。総務省としてのこれまでの取組と今後の対策についてお伺いしたいと思います。
場所なんですけれども、これは鹿児島県と宮崎県の県境にあります霧島連山の中にあります。ふだんは観光のスポットとして人気があるんですけれども、今年、七年ぶりに噴火いたしました。その前は五十二年ぶりだったんですけれども、高いときには八千メートルぐらいの噴煙が上がりますし、実は昨日も四千五百メートルの噴火がありました。
今、この噴火警戒レベル、五段階ありますけれども、その三です。入山の規制がされているところなんですが、それに対しては、新燃岳に関しては政府の情報連絡会でいろいろ対策を取っていただいております。一番はこの噴火の、噴煙の対策ですね、火山灰の対策なんですけれども、これは総務省もそれぞれ対応していただいているんですが、その新燃岳から四キロの地点に今回の硫黄山がございます。ちょうど一か月前に噴火いたしまして、二百五十年前と申し上げましたけれども、ちょうど明治維新から今年で百五十年、明治維新から更に百年前ということですから、その情報も少ないわけですね。
そして、現状はといいますと、長江川というのと、あと鹿児島の方に抜ける川内川というのがあります。そこにヒ素を含む有害物質が流れているという状況で、宮崎県のえびの市、そして下流の方は鹿児島県の湧水町そして伊佐市まで及んでおります。一つは、畑作でも有名なんですけれども、この水が使えないということで、田植の時期ですけれども断念せざるを得ないと、二割の農家の方がそういった苦渋の決断をしているという状況があります。
先ほど申し上げたように、関係省庁が集まって議論をしていただいているんですけれども、これまでの経験がないということです。河川の下の方にはそういった物質が沈殿しているかもしれない と。それをどう分解する、そして中和する、それを国交省や農水省、研究機関を通じて今鋭意努力していただいているんですけれども、地元の皆さんからすると総務省は地方の応援団ですし、そういった支援プログラムに対して、国庫補助なり、地元の負担がなるべく軽減されるように是非応援をしていただきたいと思っておりますけれども、野田聖子大臣から御答弁をお願いしたいと思います。

○国務大臣(野田聖子君)
松下委員にお答えいたします。
今回のえびの高原の噴火により、大きな被害が出ています。今お話にもありましたけれども、特に今回の噴火が二百五十年ぶりの事態であり、周辺の河川で環境基準を超えるヒ素などの有毒物質が検出され、河川の流域の農家で今季の稲作中止を余儀なくされるなど、大きな影響が出ていると伺いました。このように周辺に居住される皆様のなりわいに支障が出ていることについて、心よりお見舞いを申し上げます。
政府では、宮崎県や鹿児島県における噴火活動による水質悪化に関する取組の支援を目的として、 内閣府、農林水産省、国土交通省、環境省などの関係府省庁の連絡会議が五月九日から開催されています。この会議では、現地の対応状況について共有され、必要な調整が図られていると承知しています。総務省としても、連絡会議におけるこの議論を注視して、関係省庁としっかり連携しながら必要な対応を行ってまいります。

○松下新平君
ありがとうございます。
総務省は、消防庁でありますとか、また情報通信、情報通信分野ですと高性能のカメラ、AI、そして5G等を使って、人間に害が及ぶところにはロボット等を通じて処理をするとかいう広い役割があると思いますので、是非、今後のことですけれども、よろしくお願いしたいと思います。それでは、法案の中身に入らせていただきたいと思います。午前中、いろいろ質問がございました。私も九問通告をしておりますけれども、若干ダブるところもありますが、簡潔に御答弁をお願いしたいと思います。
サイバー攻撃の対処についてですけれども、IoT機器を悪用したサイバー攻撃が多発しております。一昨年の米国の例は午前中にお話がありましたけれども、国内でも、防犯カメラが簡単にサイバー攻撃をされて悪用されるという事例もありますし、アップルウオッチを持っていらっしゃる方いらっしゃると思いますけれども、イギリスの議会ではアップルウオッチは禁止になったそうなんです。何でかというと、盗聴されるという、もうこのIoTが悪用されるという事例が発生してからだと思うんですけれども、そういった便利な反面、そういう怖さもあります。
日本はこれから、G20、そしてラグビーのワールドカップ、そして二〇二〇年には東京オリンピック・パラリンピックを控えているわけですけれども、私もこの間、平昌オリンピックに行ってまいりました。党の派遣で行ってまいりましたけれども、やはりこのサイバー攻撃というのが話題になっておりました。その開催の予算の半分以上を占めることになるのではないかぐらい、この体制の難しさ、そういったのをお聞きしたところです。また、今、日中韓、首脳会議でいい雰囲気でもありますので、韓国のまた知見もこの日本のオリンピックにも生かしていただきたいと思うんですが。この法律案は、通信事業者によるサイバー攻撃への対処を促すために必要な法整備を、体制整備をするものだと思います。このサイバー攻撃の送信元の情報を通信事業者間で共有する業務を行う第三者機関を認定する仕組みを設けることとしていますが、こういった仕組みを設ける具体的な意義についてお尋ねいたします。

○政府参考人(渡辺克也君)
お答え申し上げます。
電気通信事業者間のサイバー攻撃の送信元の情報共有等は、サイバー攻撃の対処のために有用でございますが、多数の電気通信事業者が関係し、情報共有を行うことが煩瑣となるため取組が進んでいない、こういう状況にあるというふうに認識をしております。
このため、本法律案におきましては、情報共有を行う第三者機関を総務大臣が認定する制度を設けまして、サイバー攻撃の送信元に関する情報の効率的な共有を促すことにより、電気通信事業者が連携してサイバー攻撃に円滑に対応することを促進していくことが重要というふうに考えております。
具体的には、総務大臣から認定を受けました第三者機関がサイバー攻撃の送信元のIPアドレスなどの情報を攻撃の送信側の電気通信事業者に対して提供し、マルウエアに感染した機器の利用者への注意喚起、マルウエアに感染した端末にサイバー攻撃を行うよう指令等を行ういわゆる指令サーバーの攻撃指令のブロックなどの対処を求めること、さらに指令サーバーを特定しやすくするための調査研究、こういったことを行うなどの業務を行うことにより、電気通信事業者によるサイバー攻撃への対処を促進し、被害を抑制することを目的としているということでございます。

○松下新平君
この法案の情報共有を行ってサイバー攻撃への対応の成果を上げていくことは、多くの通信事業者がこの枠組みに加わって連携できるようにすることが重要だというふうに思います。
一方で、当該情報共有は義務とされておりません。その点で質問いたしますけれども、本法律案のサイバー攻撃に関する情報共有への通信事業者 の参加をどのように促していくのかをお尋ねいたします。

○政府参考人(渡辺克也君)
お答え申し上げます。
御指摘のとおり、本法律案の情報共有の枠組みには幅広い通信事業者の方に参加いただくことが重要というふうに考えております。
情報共有の枠組みの検討に当たりましては、現に存在するICT分野におけますサイバーセキュリティーに関する情報収集、調査分析等を実施し、多くのインターネット利用者を擁する電気通信事業者が参加いたします一般社団法人ICT―ISACを念頭に置いているところでございます。この情報共有の枠組みは、個々の電気通信事業者では対処が困難な大規模なサイバー攻撃に連携により対応できるようにするものであり、参加のインセンティブを持っていただけるというふうに考えてございます。
総務省といたしましては、実効性を上げるためにも更に情報共有の重要性を説明し、より幅広い電気通信事業者の方の参加を促していきたいというふうに考えてございます。

○松下新平君
総務省自身も第三者機関や通信事業者をしっかりサポートをしていただきたいというふうに思います。
マルウエアに感染した利用者のIoT機器からマルウエアを取り除くことも重要となります。この法律案の第三者機関は、通信事業者以外のセキュリティーベンダーや機器の製造事業者とも連携していくものなのでしょうか。

○政府参考人(渡辺克也君)
お答え申し上げます。
御指摘のとおり、サイバー攻撃の対処におきましては、通信事業者以外のセキュリティーベンダー、製造事業者等とも連携していくことが重要というふうに考えております。
具体的には、マルウエア、機器の脆弱性に関わる情報につきまして、第三者機関の業務として利用者への注意喚起を適切に行っていくといった業務のためにも、セキュリティーベンダーからサイバー攻撃を行うマルウエアに関する情報の提供ですとか、製造事業者からはマルウエアに感染しやすい機器の情報、こういった情報の提供を受けることが必要だろうというふうに考えているところでございます。

○松下新平君
この法律案の枠組みを基に、是非広がりを持った効果のある取組を推進してほしいと思います。
さて、この法律案については、サイバー攻撃の発生を防ぐための取組も行うということでした。パスワードの設定に不備のあるIoT機器を調査して、利用者に設定を変更してもらうことにより、サイバー攻撃に悪用される危険性が高い機器を減らす取組ということは重要だというふうに考えております。
先週ですけれども、私もNICTに参りました。そこで、実際この運用の話もお聞きしましたけれども、まだ詳しい内容までは言っておりませんでしたが、いろんなことを想定しながらソフトを作っていくことからスタートするということでした。今回の機器調査をNICTに行わせるとした理由についてお尋ねいたします。

○政府参考人(谷脇康彦君)
お答え申し上げます。
本法案におきましては、NICTの業務にパスワード設定に不備のある機器の調査などを追加することとしておりますけれども、この点につきましては、まず、NICTはサイバー攻撃の観測を行うなどサイバーセキュリティー分野に深い知見を有しているということ、また、本調査におきましてはインターネット上でパスワード設定に不備のある機器の特定を行うことから、その調査主体は国民の信頼を得られるものとする必要があること、こういった理由から今回NICTに行わせることとしたところでございます。

○松下新平君
午前中の質疑でも出ましたけれども、また私も直接聞いて、人材についてのこの仕組み、そして確保というのが、この法案が絵に描いた餅にならない重要なポイントだというふうに感じました。
いろいろ工夫はされております。高度なサイバー攻撃に対処する人材育成、専門分野ですね、そういったことも今回新たに学んだところなんですけれども、このCYDER等、総務省におけるサイバーセキュリティー分野の人材育成について、取組の現状、今後の方向性について御説明をお願いします。

○政府参考人(谷脇康彦君)
お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、我が国におきますサイバーセキュリティーの人材の圧倒的な不足というのは非常に深刻な課題でございます。こうした中、総務省におきましては、これまで行政機関や民間企業等に対するサイバー攻撃への対処方法を体験する実践的なサイバー防御演習の取組を行ってきているところでございます。
平成二十九年四月にはNICTにナショナルサイバートレーニングセンターを組織し、セキュリティー人材の育成の取組の更なる強化を図っているところでございます。具体的には、国の行政機関、地方公共団体、重要インフラ事業者等に対する実践的なサイバー防御演習であるCYDER、また、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けたセキュリティー人材の育成を行いますサイバーコロッセオ、さらに、二十五歳以下の若手ICT人材を対象とした若手セキュリティーイノベーターの育成を行うSecHack365の三つの事業に取り組んでいるところでございます。
こうした取組につきましては平成三十年度以降も引き続き実施をし、内閣サイバーセキュリティセンターを始め関係府省と連携をしつつ、政府一丸となって我が国のセキュリティー人材の育成に尽力をしてまいりたいと考えております。

○松下新平君
相当人材の育成については外国に遅れているという認識ですので、先ほど申し上げたように、これからいろんな行事がめじろ押しですので、この高度な人もそうですけど、裾野を広 げる、その人材育成、よろしくお願いいたします。
そのためにはもちろん予算が充実が必要なんですけれども、そのことについてお伺いいたします。NICTは、我が国のサイバーセキュリティー分野において非常に重要な役割を担っておられます。今後、政府としても予算を充実させるなどによって取組を強化していく、そういった声も聞いてまいりましたけれども、是非、政府の前向きな御見解をお聞かせいただきたいと思います。

○国務大臣(野田聖子君)
お答えいたします。
これまでNICTにおいては、その有する技術的知見等を生かして、サイバーセキュリティー分野の研究開発や人材育成に取り組んできています。具体的には、サイバー攻撃の状況をリアルタイムに把握して分析するシステム、nicterと言っていますが、の開発を始めとする研究開発に取り組んでいるほか、国の行政機関、地方公共団体、重要インフラ事業者等に対する実践的なサイバー防御演習、CYDER等のセキュリティー人材の育成を行っており、これからも本法案によって新たに追加されるIoT機器の調査の業務を含め、更に取組の強化を行うこととしています。
総務省としては、サイバーセキュリティー上の脅威に対抗するため、NICTにおける先進的な研究の成果を最大限に活用していくことが重要と考えます。今後もそのために必要な予算の確保に努め、我が国のサイバーセキュリティーの強化に全力で取り組んでまいります。

○松下新平君
この情報通信分野は日進月歩でありますので、この法改正に満足することなく、当然ですけれども、関係機関と連携して、引き続きサイバーセキュリティー対策の強化に取り組んで いただきたいと思います。それでは、もう残りが僅かになりましたけれども、固定電話網のIP網への円滑な移行について質問をさせていただきたいというふうに思います。
NTTのIP網への移行に伴うサービスの廃止に当たりまして利用者にはどのような影響が生じるのか、今回の改正案では電気通信サービスの廃止についてどのような措置を講ずることとしたのか、お伺いいたします。

○政府参考人(渡辺克也君)
お答え申し上げます。
NTTは、IP網において提供が困難であるサービスなどにつきまして、従来の電話交換機のネットワークからIP網への移行に合わせて終了する考えを示しているところでございます。
こうしたサービスには、例えば、クレジット決済、企業間での電子商取引など、様々な分野で利用されておりますINSネットというサービスがございます。このINSネットのサービスの廃止後は、メタルIP電話を利用する補完的なサービスの提供も予定されているところでございますが、IP網の特性上若干の伝送遅延が生じるため、利用者の利用形態によりましては支障を来すおそれがあるというふうに認識しているところでございます。このため、利用者の利用形態によっては機器の買換え、回線の切替えが必要になることが考えられることから、利用者へのサービス終了時期ですとか代替サービスなどの適切な周知が重要になるというふうに考えております。
今回の法律案におきましては、休廃止されるサービスの利用者を保護するために、利用者に対しあらかじめ周知すべき事項や期間などを規定することとした上で、現行の退出規律が事後届出制であるため、行政が事業者による周知内容をあらかじめ確認する仕組みを導入するなどの措置を講じることとしているところでございます。
総務省といたしましては、こうした対応により、IP網への移行に伴い、利用者が円滑にサービスの移行ができるように対応してまいりたいというふうに考えてございます。

○松下新平君
関連して、この固定電話網をIP網にすることによって利用者にどのようなメリットが考えられるのでしょうか。

○政府参考人(渡辺克也君)
お答え申し上げます。
固定電話網のIP網への移行に伴いまして、例えば移行後の固定電話サービスにつきまして、距離に依存しない全国一律な低廉な料金で現在と同等水準の通話品質を確保し、音声だけではなく、動画等のデータ通信との共用も可能となるということに加えまして、利用者が契約する事業者を変更しても同じ番号を引き続き利用できる仕組み、これは双方向番号ポータビリティーと呼んでおりますが、これが実現するなど、IP網の特性を生かした多様なサービスが利用者に提供されることを期待しているところでございます。
こうしたIP網への移行の意義、メリットを利用者に知っていただくことによりIP網への円滑な移行が進むと期待されることから、総務省といたしましても国民への周知に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。

○松下新平君
そのようなメリットを最大限に生かすことによって移行の円滑化が一層図られることを期待したいと思います。
この点、移行によるメリットが利用者に十分享受されることが重要でありますが、その一方で、こうしたメリットを実現するに当たって、中小企業など規模の大きくない事業者への負担が過度にならないようにすることも重要です。例えば、固定電話の双方向番号ポータビリティーの実現に際しては新たな番号管理の仕組みの構築が必要になるところ、こうした仕組みの構築が中小企業者においても対応が可能となるよう配慮して進めるべきだと考えますが、御見解を伺います。

○政府参考人(渡辺克也君)
お答え申し上げます。
今御指摘の固定電話の双方向ポータビリティーに関してでございますが、この実現の方策につきましては、情報通信審議会におきましても、中小事業者の意見も聞きながら議論を進めてきたところでございます。
双方向番号ポータビリティーの実現に際しましては、全ての固定電話事業者が番号データベースを構築、運用する必要があるわけでございますが、情報処理技術の進展、IP網移行に伴う汎用的な機器の導入などにより、NTTの交換機による現在の仕組みに比べましてコストを大幅に低廉化する見通しが得られている状況にございます。こういったことを活用することにより、より低廉にそういったものの構築が可能になるというふうに考えてございます。
さらに、審議会の答申におきましては、規模の大きくない事業者につきましては大手の事業者が構築する番号データベースを借りることも可能とするような提言もいただいているところでございます。
総務省といたしましては、今後も事業者の方の意見を聞きながら取組を進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。

○松下新平君
行政とNTTを始めとする事業者において、二〇二五年一月のIP網への円滑な移行の実現に向けて、今後も引き続き答申に基づく取組を着実に進めていっていただきたいというふ うに思います。
予定しておりました通告は全て回答いただきまして、ありがとうございました。

以上で終わります。

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